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余命宣告を乗り越えた幼馴染の愛が重い  作者: ミソネタ・ドザえもん
第十三章

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71.やはりツンデレ

 高垣さんの言いたいことはよくわからなかったが、俺は座席に座って、しばらく奏と門倉さんの会話を眺めていることにした。


「キャッキャッ」

「うふふ」

「キャッキャッ」

「うふふふふ」


 二人は……それなりの時間、楽しそうに会話を続けていた。

 あまりの仲睦まじい様子に、俺と高垣さんは付け入る隙がない。


「あなた達、そろそろ良いんじゃない」


 しびれを切らした高垣さんは二人に向かって言った。


「あなた達がそんなだと……今日、貴重な時間を割いて来てもらった意味がないじゃない」


 続けて言った高垣さんのセリフに、奏と門倉さんは顔を見合わせた。


「そういえば、今日ってあたし達、どうして呼ばれたの?」


 門倉さんが言った。


「あたしは、綾香ちゃんにお昼を一緒に食べないか誘われただけだよ?」

「あ、そういえばあたしもそうだった」


 俺は……直接誘われてすらいない。


「綾香。あんた、どうして今日はあたし達をお昼に誘ったのさ」

「……」

「あんたからお昼に誘うだなんて……珍しいこともあるものね」

「あんた達、さっきまでのキャッキャウフフな雰囲気から、いきなり変貌を遂げすぎじゃない?」


 高垣さんはため息を吐いた。


「あまりの緩急差に言葉を失っちゃったわよ」

「ごめんごめん。で、どうして呼んだの」

「……まあ、とりあえずお昼を食べましょうよ」

「勿体ぶる必要ある? さっさと言いなよ」

「うるっさいわね、相変わらずあんたは!」


 うるさいのは……君の方では?


「と、とにかく……っ。心の準備がしたいから、先にお昼、食べましょう」

「……はーん」


 門倉さんは意地悪な笑みを高垣さんに向けていた。


「要はいつものあんたのあれね」

「何よ、あれって」

「ツンデレ」

「……っ」


 高垣さんは頬を染めて、そっぽを向いた。


「ふ、ふん……っ。あんた達、全員食事を決める気がないなら、あたしが一人で勝手に決めさせてもらいますからねっ!」

「いいよー。あんたのセンスを疑ったことはこれまで一度もないから」

「……ちっ。面倒な人」


 高垣さんは照れ隠しかのように舌打ちを一つお見舞いした。


「ねえねえ、あっくん。あっくん」

「何? 奏」

「……綾香ちゃん達、すごい仲良しだね」


 ……え?

 これ……仲良しか?


「仲良しだよぉ」

「俺、今、何も口にしなかったけど……?」


 どうして俺が、奏の言葉を疑ったことがわかったのだろう?


「そりゃあ、あたし達もあの二人に負けず劣らず……ううん。圧勝するくらい、仲良しだからねっ」


 また読唇された。


「まあ、確かにそうだね」


 ただ、俺達が二人に負けないくらいに仲が良いことは疑いようがない。

 何せ俺達は、再会を果たして以降、ほぼ毎日一緒にいるのだから。


 ……ほぼ毎日、一緒にいる?


 思い返せば俺達って、朝は俺の家のリビングで。お昼は学校。夜はどちらかの家で勉強。……その他の時間も何かにつけて一緒にいる。


 というか、そういえば以前……俺は奏に一緒にいることを強要されたこともあったっけか。


 ……あれ、もしかして。


 俺達の関係って、仲良しの域を超えてしまっている???


 ……。

 …………。


 あはは。

 そんなわけないか。


「すみませーん」


 高垣さんは自由な俺達を放って、料理の注文をてきぱきと進めてくれる。


 ……高垣さん、弟さんがいてしっかり者な一面があることは先日から知っていたけれど、こうしてみると……実に姉御肌だな。


「……勝手に頼んだから」

「ありがと、綾香」

「……ふんっ」


 高垣さんは頬を染めて、またそっぽを向いた。

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