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余命宣告を乗り越えた幼馴染の愛が重い  作者: ミソネタ・ドザえもん
第十一章

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55/67

55.なんだこれ……

 ……それにしても、奏はどうして、俺にこれからもそばにいてくれるのか、などと尋ねてきているのだろう。

 確かに俺達は、先日、互いに互いを特別だと思っていることを理解し合えた。

 それは、俺達が小さい頃からの幼馴染であることもそうだし……何より、一時、苦楽を共にした仲だから。


 つまり、奏と俺の関係は……所謂、戦友のそれに近い。


 本当にそうなのだろうか?

 戦友とは辛い仕事をともにした仲間のことを言うはず。

 しかし……俺達がともにこなした行為は、辛いものではあったが……仕事とは到底呼べるものではなかった。


 であれば、やはり俺達の関係は戦友とは呼べない。


 ……そして何より、一時辛い仕事を共にした如きの相手に、ずっとそばにいてほしいなどと……普通は頼むことはしないだろう。


 ……俺の手を握り、肩に頭を乗せている彼女は、一体今、何を考えているのだろう?


 俺の答えを待っているのか。

 それとも、ただ今の時間が暇なだけなのか。


 奏は何も言ってくれない。


 ……色々頭を悩ませて、真っ先に浮かんだ疑問は解消されていない。


 しかし……その疑問と一緒に考えていた奏の問いに対する答えは、固まった。


「ずっと一緒にいるに、決まってるじゃないか」


 今、俺が発した言葉が……質問した時、奏が望んでいた答えかはわからない。

 でも……これで良かった気がしていた。


「……本当?」


 俺の手を握る奏の力が強くなった。


「あっくん。あっくんは本当に、あたしとずっと一緒にいてくれるの?」

「うん。ずっと一緒だよ」

「……ずっと一緒って言葉の意味。あっくん、本当にわかっているの?」


 奏の声は少し震えていた気がした。


「わかっているに決まってるじゃないか」

「……じゃああたし、これからはずっとこの家に住むよ?」

「いいじゃないか」

「ずっとあっくんと手を繋いだままでいるよ?」

「いいじゃないか」

「あっくんと一緒にお風呂にも入るし、トイレも……。ずっと一緒にいるよ?」

「いいじゃないか」

「だ、駄目だよ、そんなの……っ」


 奏が俺の手をバッと離した。

 顔は何故か真っ赤だ。

 ……一体、何故?


「……だって、ずっと手を繋いでいたら、お料理作れないじゃない」


 ああ……そういうことか。


「それは残念だ」

「……うん。残念だね」


 俺達はしょぼんとしあい……しばらくして、高垣さんとの待ち合わせに向かうため、家を出た。

 

 道中、ふと俺は気付いた。


 ……あれ、さっき俺、勢いでとんでもないことを宣っていたような?

 まあ、そんなはずないか。

 だって俺、頭良いし。学年一位だし。


「あっくん。あっくん」


 電車のホーム、奏に声をかけられた。


「待ち合わせの喫茶店の最寄り駅に着いたら、コンビニに寄りましょう?」

「え? ああ、うん。良いけど」


 唐突な提案だった。

 奏は一体、コンビニに何の用があるのだろう。

 まあ、コンビニなんて用がなくてもふらっと入る場所だが……誰かと待ち合わせの前に立ち寄るのは少し違和感もある。待ち合わせ時刻に対して、少しギリギリだし。


「……あっくん。この前の飛行機の写真のSDカードを持って来ているんでしょう?」

「え? ああ、まあ」


 今日、高垣さんに会う予定を取り付ける際、奏はこの前の写真のデータを渡すことを条件に約束をしてくれた。

 だから、SDカードを持参してきたわけだが……。


「それがどうしたの?」

「折角だし、一番良い写真をコンビニでプリントして渡してあげようよ」

「……ああ」

「その方が、綾香ちゃんも喜ぶ気がするんだ」

「……そうだね」


 まもなく駅のホームでアナウンスが響き、ホームに電車が滑り込んできた。


「それじゃあさ、奏」

「何……?」

「目的の駅に着くまでの間、二人で……どの写真をプリントするか、決めていようよ」

「……うんっ。いいねっ」


 俺達は電車に乗り込んだ。

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― 新着の感想 ―
ラブコメ方面でのあっくんへの評価がどんどん下がってゆくのは何故だろう(-_-;)
お前は勉強ができるバカだよ!
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