7.災害から逃げて命を守る準備ができたら、自宅避難生活用の備蓄をする。1週間分の短期食料備蓄と、1か月分のトイレと飲料水。
備蓄量は基本的には1名分です。☆はサブタイトル、※は補足や考察です。
〇はお勧め、△は次候補か追加かアップグレード、□は最小限か過剰装備だが場合によっては有効、×はお勧めできない、準備や備蓄です。
2025/8/1誤解し易い点をパターン別に分割・修正・加筆・再編成しました。内容はほぼ同じですが、重複した説明文が多いので御注意ください。
☆被災時に貰えないであろうトイレと、貰えても徒歩で運ぶには重い水の備蓄。
⑪上下水道の99%復旧まで約1か月間の自宅避難に備えて、トイレセットを備蓄する。
※生き延びて最も切実な問題はトイレかもしれません。停電が1週間で復旧し店舗が営業を再開しても、上下水道が復旧しないとトイレが使えず生活できないので、1か月分のトイレ備蓄が安心です。半永久備蓄が可能なので一度購入すれば維持し易いでしょう。
〇15年保存非常用トイレセットは、1日5回使用で30日の150回分を購入し、乾燥した部屋で半永久備蓄して下さい。1日7回使用なら28日で200回分が必要です。
便器に被せる防水袋が有ると汚物袋の外側が濡れず、便座に被せる汚物袋はW700mmあると洋式トイレに被せ易く、凝固剤はアルミ個包装が長持ちし、防臭袋が有ると二重に縛れて匂いが少ないのでお勧めです。
最初に自宅のトイレとサイズが合うのか、確認と練習を兼ねて1回使用してみて下さい。次に2回分を取り分け、プラボトルなどの密封容器でトイレに常備し、被災直後のトイレ使用に備えつつ、15年毎に凝固剤を交換して下さい。1箱につき透明なゴミ袋を1枚追加し箱の中身を出して箱の内側に袋をはめ込み、箱の中身を戻したらきつく縛り防水防湿しつつ(開封時には破るのでこの1枚は再利用不可能)、可能なら2か所に分けて備蓄し、水害や雨漏りで一度に全滅するのを予防して下さい。
15年毎に防水防湿用ゴミ袋を開封し、凝固剤が固まっていたら交換用凝固剤の購入と入替をしつつ、古い物は期限切れ予備凝固剤として半永久備蓄して下さい。この時、凝固剤に異常が無く備蓄スペースと予算に余裕があるのなら、50回分1箱を買い足し半永久備蓄して少しずつ備蓄を増やしつつ入れ替え続けると理想的です。
〇常用するトイレットペーパー12~18個入り3袋を購入し、日常生活で消費して1袋目を使い切ったら4袋目を開封前購入しつつ、古い順に開封して入れ替えて下さい。開封済みはトイレ内に保管し、次に開封する古い未開封は洗面所に、新しい未開封は乾燥した部屋で備蓄しつつ、水害や雨漏りやカビで一度に全滅するのを予防して下さい。何かあると買い占めされ易く、備蓄し易いので1年分あっても無駄にはなりません。
〇停電自動点灯ライトを洗面脱衣所に設置し、トイレや入浴中の停電で後始末も着替えも避難も不可能になるのを予防して下さい。
×猫や小型室内犬用のペットシートを人間のトイレ代わりにしようとすると、吸水量が少ないので一度に数枚が必要で、防臭袋を別購入すると大した節約にはならないので、保存性や利便性を考えると備蓄するなら専用のトイレセットが最適解でしょう。
×介護用紙パンツなどをトイレ代わりにしようとすると、吸水性はありますが使用後に清拭するためのおしりふきが必要になり、捨てる時にかさ張り、大きな防臭袋を別購入するとコストが掛かり、やはり備蓄するなら専用のトイレセットが最適解でしょう。
⑫上下水道の99%復旧まで約1か月間の自宅避難に備えて、飲用水を備蓄する。
〇水は調理と飲用で1日3L必要と言われていて、5年保存水2L6本入り8箱で96Lを半永久備蓄すると約1か月分になります。5年毎に5年保存水2L6本2箱を定期購入し、非常持出リュックなどのペットボトル水を新品に入れ替えて、やや古いボトルを備蓄スペースで半永久備蓄しつつ、備蓄スペースに余裕が無くなったら古い順に消費すると備蓄を維持し易いでしょう。(5年保存500mlペットボトル水が必要な場合は5年毎に必要な本数を購入すれば良いでしょう)
※ペットボトル水備蓄の考え方。
個人差はありますが、重労働をしない人が1日に排出する水分は約2.5Lで、平常時の日本食に含まれる水分が約1Lと炭水化物を呼吸で燃やし体内で作られる水分が約0.3Lなので1日に約1.2Lの飲み水を摂取すると水分不足を起こさないというのが平常時の計算です。また、1日に水だけを3L飲むと電解質のバランスが崩れ6L飲むと生命の危機なので、食事以外の1日の飲み物は1.2~2Lが適量と言われています。
被災時にビスケットや乾パンなど水分含有量が少ない乾物のみで食事にするのなら水が約2.2L必要です。アルファ化米やカップ麺はお湯で調理しますが最終的に摂取するのならお湯と水が合計2.2L必要です。白米2合≒300gを水400mlで炊くと水40mlが蒸発で失われ660gになり、100gの麺類を1Lのお湯で茹でると約150mlは麺に吸収され250mlはかけつゆに流用にするとしても約600mlは蒸発や湯切りで失われるので、その辺も考慮すると1日3Lの水が必要でしょう。
炎天下で重労働すると1日約3.5Lの水分摂取が必要ですが、その場合はスポーツドリンクや塩分のある汁物が必要になるので、それらの備蓄を追加するべきでしょう。
支援物資の中で最も重いのが水なので、徒歩で食料を貰いに行く場合でも水を運ばないのが楽です。半永久備蓄が可能なので一度購入すれば維持し易いでしょう。
ペットボトル水は、賞味期限が切れても未開封なら水が蒸発して量が減り、規定された内容量を下回って販売できないだけで、傷むわけではなく飲用可能です。5年保存水などはペットボトルが厚いので蒸発量が少なく、内容量を5年以上維持可能です。
1畳の押入れの床にペットボトル水2L6本21箱を敷き詰めると約270kgですが、1畳の耐荷重は約290kgのため他の荷物も置くと床が破損し易いです。
1畳の床は1人の1か月分の水2L6本8箱96Lで約100kgの備蓄が安全で、3人家族なら24箱の水を3か所で3畳分の押入れや収納やベッド下に分散して備蓄すると管理し易く、他の荷物を置いても床が破損し難いでしょう。
パントリーに飲み物を並べる時は、床面積の約半分が通路だとしてその部分の耐荷重を含めて考慮しても2段重ねまでが安全だと思われ、3段重ねは他の荷物の重さも含めると床の耐荷重を越えて破損し易いでしょう。
飲食物は匂いが移り易いので、灯油や洗剤や防虫剤などは一緒に保管しないで下さい。
床の耐荷重を考えると各自の個室に1か月分のペットボトル水約100kgを備蓄するのが安全ですが、凍結の恐れが無い収納場所に余裕があればこれ以上長期の断水に備えて備蓄量を増やしても良いですし、1か月で断水が復旧しないならトイレや入浴や洗濯を考慮すると被災していない地域に避難した方が効率的な場合もあります。自宅の立地や親戚の居住地や、行政の仲介で被災地域外のホテルなどに無料素泊まり疎開の募集?などを考慮に入れて検討して下さい。
水備蓄は、2L6本1箱で約1500円の5年保存水を毎月購入すると始め易く、8箱×人数分を備蓄すると1か月分の水備蓄が完成です。1人なら8か月間~3人なら2年間で完成するのですが、その間に長期保存水が売り切れで手に入らない時は2L6本1箱約600円の普通の水を購入し、備蓄する習慣を継続しつつ一度は必要量の備蓄を試してみて、5年目以降に入れ替えをする時は普通のペットボトル水から消費して下さい。
※食料備蓄の注意点と使い分け。
毎月積み立てた備蓄が賞味期限を迎えて食べてみた時に、美味しくなくて食べて減らすのが苦行と言う食料が大量に備蓄済みだと悲劇なので、備蓄を始める前に味見して下さい。普段から食べているレトルトカレーなどは安心ですが、初めて購入するレトルト牛丼や各種缶詰は好き嫌いが分かれるので注意して下さい。
大量の食料を一度に購入して備蓄すると一斉に賞味期限を迎えて消費しきれずに捨ててしまうので、賞味期限と購入量に注意し入れ替え消費しつつ次を購入して下さい。
半年保存の食料は、カップ麺、ポテトチップ、ビスケット、チョコパイなど。
1年保存の食料は、電子レンジ対応レトルトカレー、レトルトミートソース、レトルトハヤシ、レトルト牛丼、レトルトシチュー、インスタントスープ、食用油、調味料など。
2年保存の食料は、アルミパウチレトルトカレー、各種水煮缶詰、パイナップル缶詰など。
3年保存の食料は、温め不要レトルトカレー(3~7年)、ミートソース缶詰、果物缶詰、大豆油漬け鮪缶詰、乾燥パスタ、乾燥蕎麦饂飩素麺など。
5年以上保存の非常食は、パウチようかん、パウチクッキー、アルファ化米など。
メーカーや商品によっては賞味期限が半年ほど前後するでしょう。
これらを使い分ける場合に、たとえば・・・
半年保存以下の食料は大袋や箱買いで未開封を2つ購入し、1つ目を使い切ったら3つ目を開封前購入しつつ2つ目を開封して日常生活で消費するローリングストック。
1~3年保存の食料は毎月数食分を定期購入し、まとめて11か月間備蓄して、12か月目に次の数食分を定期購入しつつ古い物を定期消費。
5年以上保存可能な非常食は、緊急避難リュックなど軽量化が求められる場合に備蓄し、コストが高いので普段は消費せず、5年毎に定期購入したら古い物を期限内消費。
などで使い分けると無駄に捨てる食料が無くなります。
1年保存食料と2年保存食料と3年保存食料を毎月定期購入し、それぞれ11か月間か23か月間か35か月間備蓄してから定期消費しようとすると面倒になって入れ替えを失敗するので、定期購入の管理サイクルは1種類に統一するのをお勧めします。
上記のたとえを変形するなら、
1年保存以下の食料は大袋や箱買いで未開封を2つ購入し、1つ目を使い切ったら3つ目を開封前購入しつつ2つ目を開封して日常生活で消費するローリングストック。
2~3年保存の食料は毎月数食分を定期購入し、まとめて23か月間備蓄して、24か月目に次の数食分を定期購入しつつ古い物を定期消費。
5年以上保存可能な非常食は、緊急避難リュックなど軽量化が求められる場合に備蓄し、コストが高いので普段は消費せず、5年毎に定期購入したら古い物を期限内消費。
などがシンプルで入れ替えを管理し易いでしょう。
※定期的に備蓄を購入して保存期間別に管理する時間や収納場所が無い場合は、非常用トイレ50回分と、水2L6本2箱と、レトルトカレー4食入りやレトルトミートソース6袋入りやシーチキン3缶パックや魚肉ソーセージ5本束やフリーズドライ豚汁4食入りなど自分が普段から消費する常備食と、主食になる白米やパスタやフルーツグラノーラやインスタント麺や蕎麦饂飩の乾麺と、調味料と麺つゆと、10年保存カセットコンロと7年保存カセットガス7本を、ローリングストックしていると約1週間分の備蓄になるでしょう。
☆停電の99%復旧まで約1週間の自宅避難に備えて、7日分の食料を短期備蓄する。
※短期備蓄の考え方。
短期備蓄は、自宅が地震で倒壊しなかった場合に、家財を守る為にも自宅避難する時に必要です。
停電が99%復旧し店舗が再開する目安が約1週間なので、調理不要の避難食か熱湯で調理する軽食などを21食以上と、⑪トイレ備蓄と、⑫水備蓄と、後述のカセットコンロ等の熱源が必要です。主要な道路が復旧するのもこの頃なので、1週間でインフラの復旧が不十分な場合は被災地外への疎開も視野に入るでしょう。
3日以上の非常食生活では塩分が必要で、温かい汁物や甘味も欲しくなるでしょう。
普段から食べている半年保存のカップ麺やお菓子を備蓄して入れ替えると、実質コスト0円で備蓄出来ます。
※①②緊急避難リュックの行動食3(9)食は全員が最初に準備すべき非常食ですが、命綱なので自宅避難中は最後まで温存して下さい。自宅避難用の短期備蓄を減らして入れ替え消費の負担を軽くする場合は、③避難生活バッグの非常食9食と⑬自宅避難用の軽食12食で短期備蓄を合計21食にして下さい。
⑬賞味期限6か月(以上)の食料を約7日分購入し数か月間で入れ替えて短期備蓄。
※短期備蓄の方法は主に3つあります。
〇短期備蓄を普通のローリングストックで管理する場合(大雑把だが管理は楽)。
調理不要で食べられるお菓子や熱湯のみで食べられるカップ麺を一定量確保する必要が有ります。また、2日続けて同じ物を食べると飽き易いので6種類以上の食料が必要になります。以上から、カップラーメン、カップうどん、ポテトチップ、クッキー、煎餅、チョコパイ、バランス栄養食など、7種類を各3食や10種類を各2食で備蓄し、約21食をローリングストックで入れ替えるのがシンプルです。③避難生活バッグの9食を併用するなら6種類から各2食を備蓄し、約12食をローリングストックで入れ替えて下さい。自動的に入替えされないと無駄が出るので、あまり食べない物10種類で購入するよりは、よく食べる物3種類などで購入して下さい。
×カップ焼きそばなど捨てる水が多い物は摂取水分が減るので備蓄に数えないで下さい。
※普通のローリングストックは後述の⑭や⑮で主菜の定期購入と同時に行っても入れ替えで混乱し難く相性が良いです。また、⑭1か月分の飲食物備蓄で1年保存のレトルト牛丼やインスタントスープを定期購入しない場合や、⑮3か月分の飲食物備蓄で2年保存のアルミパウチレトルトカレーや果物缶詰を定期購入しない場合は、レトルト食品や缶詰なども普通のローリングストックをすると良いでしょう。
△短期備蓄をほぼ毎月管理する場合(管理は手間だが確実)。
平常時に半年保存カップラーメン、半年保存カップうどん、半年保存ポテトチップ、半年保存クッキー、半年保存煎餅、半年保存チョコパイ、半年保存バランス栄養食などを合計で毎月7食以上消費する場合は、好きな物をなるべく種類がかぶらない様に7食購入し、レジ袋毎にメーカーや味付けが異なる物を4袋備蓄して、1袋目を1か月以内で消費したら5袋目を開封前購入しつつ古い順に消費して下さい。月に8食以上食べる場合でも購入頻度が自動的に上がるので常に軽食7+7+7食以上の備蓄が可能で、1袋目を食べ切らないと2袋目に進めないので消費し忘れての期限切れを防ぎ易いです。100均の色違いのマイバッグ4つを短期備蓄専用にすると見分け易いでしょう。③避難生活バッグの9食を併用するのなら、短期備蓄は6食を3袋にして常に6+6を備蓄でも良いでしょう。
おやつや夜食は不定期に消費し、その日思いついた物を購入してすぐに食べる事も多いので、消費期限と毎月の消費量の両方に余裕を持たせた計画が破綻し難いです。
※レジ袋で管理する方法は後述の⑭や⑮で主菜の定期購入と同時に行うと毎月管理する項目が増えるので相性が悪いです。⑭1か月分の飲食物備蓄で1年保存のレトルト牛丼やインスタントスープを定期購入しない場合や、⑮3か月分の飲食物備蓄で2年保存のアルミパウチレトルトカレーや果物缶詰を定期購入しない場合は、軽食と一緒にレトルトや缶詰も少なめに購入し、レジ袋のまま管理して、1袋目を使い切ったら次を開封前購入しつ古い順に開封すると管理がシンプルで、時々は短期備蓄以外の軽食やレトルトや缶詰を購入直後に食べても良いでしょう。
□短期備蓄の管理の頻度を可能な限り減らす場合(高コスト)。
日々のローリングストックや毎月の管理を行わない場合、短期備蓄を5年保存アルファ化米や5年保存レトルト食品などを備蓄する必要が有ります。割高な食品なので5年毎に6種類以上で21食分を購入し、5年間備蓄して、61か月目に新しい21食分を購入したら古い物は1年以内にレジャーなどで消費して下さい(この手のガチ非常食は工場出荷時の賞味期限が約5年半あり、賞味期限を多少超過しても消費期限は更に長いと思われるので、購入から61~72か月目も十分に消費可能でしょう)。主食と主菜両方を5年保存食で用意する場合、いっそのこと加熱剤もセットのレスキューフー・が割安な場合もあります。③避難生活バッグの9食を併用するのなら、短期備蓄は6種類で各2食の12食分でも良いでしょう。
感想などに対応しきれる自信が無く、受け付け出来なくて申し訳ありません。それでも良ければ評価していただけると幸いです。
食料を最小限である1週間分を備蓄する場合に、2週目から食料を貰える可能性はあっても、各家庭に仮設トイレを貰えるわけではなく、水は重くて運び難いので、トイレと水は1か月分の備蓄がお勧めです。
孤立集落などの状況によっては、食料も1か月分あると安心な気もします。