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セリナ 想いは世界を超えて

何もない真っ白な空間。


気がつくと私はそこにいた。

あたりを見回すけど何もない…ただひたすら広い空間。


私が戸惑っていると不意に声が聞こえた。

振り返るとそこには光る玉があって見ていると少しずつ変化した。


最終的に人の形になると私に声を掛けてきた。


「やぁ、待たせたね!ボクは神様だよ!」

驚いた…本当にいるんだ…私は頭を下げると神様は話を始める。


「君は死んだ。それは分かるかな?」

私は頷く。


「そう。それで死ぬ前にボクに願った。それでボクは君をここに招いた。なぜ君を招いたかというと、ボクは理不尽が許せないから。君は随分と理不尽な目にあったみたいだね?」

その言葉に私は唇を噛みしめる。


「でね?そんな君にビッグチャンス!ひとつだけ願いを叶えてあげよう!」


「本当ですか!」

神様は頷くと話を続ける。


「本当だよ。ただし誰かを生き返らせたりは出来ないし君が最期に願ったのもダメ。考える時間は沢山あるからゆっくり考えると良いよ!」

その言葉を聞いた私は考えた。

そして長い時間をかけて1つの願いを思いつく。


「神様。私とティオをもう一度めぐり合わせて下さい」

神様はすぐに答える。


「良いよ。君と彼をもう一度めぐり合わせてあげる。ただ、君と彼にはやって貰いたい事があるから違う世界に渡ってもらう事になる」

私はすぐに頷く。

ティオとまた会えるならどんな世界だろうと構わない。


「じゃあ決まりだ。やって貰いたい事は「その世界で彼と生き続ける」事だけど出来るかな?」

意味がよく分からなかったけど…私は頷く。


「意味が分からないだろうけどそれがボクにとっては凄く大事な事なんだ。だから君にはご褒美をあげる!」


「ご褒美ですか?」


「うん!今の時点で死んでる君には転生してもらう事になるから…そのご褒美!」

神様はそう言うと空間に光る箱を出した。


「あ…使い方が分からないよね?ボクが質問しながら操作するから答えてね!」

頷くと神様は光る箱と板をさわり始めた。


「君は転生者だからこっちだね!よし…じゃあ質問していくよ!」


「君は美しさと可愛らしさ…どっちを求める?」

ティオはどっちが好きだろう?やっぱり綺麗な方かな?

私は美しさと答えると神様はカチカチする。


「次は性格だね。お淑やかさと活発さならどっち?」

美人ならお淑やかさかな。そう答える。


「次は…愛したい?愛されたい?」

迷わず愛したいと答える。


「剣と魔法ならどっちがいい?」

剣にはあまりいい思い出がない。

魔法は…何か分からないけど剣を選びたくなかったので魔法と答える。


「守りたい?守られたい?」

迷わず守られたいと答える。


「あとは…うん!これで完了かな!」

最後にカチっと一回音がなると神様はまた何かを始めた。


近づいて光る箱を見るとそこには…

「花嫁召喚キットex/pkg〜運命」と書かれていた。

文字が読めない私は神様に尋ねた。


「なんと書いてあるのですか?」


「え?あぁ君は文字が読めないんだね?これは君が彼と出会えるようにまじないをかけてるんだ。これを見た彼が興味を持つ言葉を書いて一度見たら戻れないように設定してある」

説明を聞いてもピンとこない。


そんな私に神様は話を続ける。


「これは賭けでもある。彼がこれを見て選ばなかったら君は彼と出会えなくなる。でも転移させるだけでも彼の運命を大きく捻じ曲げる事になるから…」


「だから君の運命に彼をねじ込む事にした。表向きには彼が転移先で君を転生(召喚)させる。けど実際には君が転生(召喚)する場所に彼を転移させるって事になる」

やっぱりよく分からない。


「まぁ君は深く考えないでいいよ。あ、そういえば君は転生者だから記憶を持っていけるけど…どうする?」


「いえ、必要ないです。彼との思い出は残しておきたいけど…また彼と巡り合えるなら新しく始めたいです」


「分かった!なら、転生前に記憶は消そう。でも君達が生きた証はボクがしっかり覚えてるからね!」


「ありがとうございます!」


「うん。あ!準備が終わったよ。あとは彼が転生する未来まで時を超えるだけなんだけど…君にはこの箱に入って眠ってもらう。目を覚ますと彼が目の前にいるけど記憶を消す事にした君は彼の事を覚えていない」


「だけど安心して?きっと君達は幸せになれる!だから一生懸命に生きるんだよ!」

私は神様に深く頭を下げるとその箱に入る。


するとすぐ眠りに落ちる私に神様が「また会おう」というと箱は閉じられた。


私が目を開けるとそこはどこかの室内だった。

そこには見覚えのある…懐かしさを感じる男性がベッドに腰掛けながら私を見ている。


何故かは分からないけど私はこの人と「また」出逢う為にこの場に存在している事を確信した。


目をパチクリとさせながら私を見る彼に言った。


「はじめまして。あなたが私の旦那様でしか?」


そして私はまた…彼と恋におちる。


ここまで読んで下さりありがとうございます!


感想2件目の方…ありがとうございます!



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