NEET 一緒に入浴する
流石に俺にもエルダの想いが伝わった。
そして彼女の気持ちに気付いて沈黙する俺に、セリナはここに至るまでのエルダの気持ちを話してくれた。
そっか……エルダはそこまで俺のことを思ってくれていたのか。
俺はまずセリナの気持ちを確認した。
「旦那様が決めた事なら何も言うことはありません。でも出来ることなら……」
そう言って笑顔を見せた。
次にノワールに聞いた。
ノワールはサンドイッチを食べながら……ただ一言。
「トーヤに任せる」
……そうですか。
最終判断は俺に委ねられた訳だけど、その前に済ましておきたい事があった。
「ノワール……少しいいかな?」
その言葉にサンドイッチを食べる手を止めるとノワールが言った。
「どうしたの?トーヤ?」
そう言って俺を見つめるノワールに、俺はポケットからそれを取り出すと彼女の左手を掴んだ。
訳も分からずキョトンとするノワールの薬指に、俺は指輪を優しく差し込んだ。
ノワールはしばらく静かに指輪を眺めると聞いてきた。
「トーヤ……ありがとう。でも何で指輪をくれたの?」
「その指輪は結婚指輪って言うんだ。俺の故郷ではずっと一緒にいようって誓いを形にしたものなんだよ」
そう伝えると意味を知ったノワールは顔を真っ赤にして俺とセリナを交互に見た。
俺とセリナは左手の指輪をノワールに見せた。するとそれを見たノワールの頬に一筋の涙が流れた。
「ノワールさん。私達はずっと一緒です。 私も少し前に旦那様とそう誓いあいました。そしてこれからはノワールさんも……」
セリナは優しくノワールに語りかけた。
ノワールは口には出さなかったが、何度も頷くと笑顔を見せてくれた。
そんな俺達の様子をカウンターから覗くエルダ……に気がついた俺達が笑うと慌てて顔を隠した。
セリナはエルダが隠れてるカウンターに近付くとそっと話しかけた。
「エルダさん……私達はそろそろ帰りますね。ちなみにですが……明日は時間ありますか?」
その言葉にエルダは「ある」と小さく言うと、その答えを聞いたセリナは話を進めた。
「あるんですね?では明日、旦那様がエルダさんを迎えに行くので2人でゆっくり話してください」
セリナの話に驚いて立ち上がるとエルダは聞いた。
「いいの?」
セリナは笑顔で頷くと、振り返って俺を見つめた。
……分かったよ。
「エルダ……明日迎えに来るから待っててくれるか?」
そう聞くとエルダは小さく頷くと言った。
「うん…待ってる。」
エルダは照れながらそう答えてくれた。
話を終えると俺達は目からウロコ亭を出て部屋へと戻った。その道中で夕食を調達すると部屋に戻って仲良く食べた。
その後、風呂に向かうと宿の主……シルビアさんと遭遇した俺は、宿泊にノワールの追加を頼むと快諾してくれた上に……驚愕の提案をしてくれた。
「そうだ!あんた達たまには一緒に入ったら?」
……は?
何を言ってるんだ?
動揺する俺にシルビアが笑いながら言った。
「今日は女性客いないからあんた達で使うと良いわよ!」
その提案……素晴らしい!
しかし……セリナとノワールはどうだろうか?確認するため振り返ると……
「良いですね!一緒に入りましょう!」……と、セリナ。
「……トーヤが一緒に入りたいなら」……と、ノワール。
……そういう訳で一緒に入る事になった。
俺たちを笑顔で見送るシルビアさんを尻目に浴場の入り口へと到着した。
浴場に入ると俺達は脱衣スペースでそれぞれ服を脱ぎ始めた。
2人の服を脱ぐ音が聞こえて俺の胸が激しく高鳴ったけど、いち早く服を脱ぎ終わった俺は2人に先駆けて浴場に突撃した。
さっそくかけ湯を済ませると俺は湯船に浸かり始めた。適度な湯加減に先程までの緊張が次第に抜けていく……と、その時!
浴場のドアが開くと……2人が揃ってやってきた。
タオル一枚で前を隠しながら浴槽に近づく2人は俺を見つけると……。
セリナが「お待たせしました」と声を掛けてきたので裏返った声で「うん!」と返事をした。
そしてセリナとノワールはタオルを置いてかけ湯を済ますと、湯船に浸かる俺と向かい合うように座った。
さてどうする?
まずはセリナからだな!
相変わらず素晴らしい胸だ!それに適度な大きさの尻も忘れてはいけない。
召喚の日以来見納めとなっていた裸のセリナを存分に楽しませてもらった。
ノワールさんは……小ぶりだけど素晴らしく形のいい胸だ!それに、小さく引き締まったお尻は見事と言うしかない完成度を誇っていた。
そんな2人ををじっくり眺めて満足した俺は、先に上がると手早く着替えを済ませて部屋へと戻った。
晩酌用の酒とツマミの準備を済ませるとちょうど2人も戻ってきた。
俺達は酒を飲みながら親睦を深めると程よい眠気が襲ってきた。
さて、そろそろ寝るか。
俺達はベッドに入ると何か違和感を感じた。
……そうか。
今日はノワールがいるから少し狭いんだ。
そんな事を思いながらノワールを見ると落ち着かない様子でモゾモゾしている。
俺は彼女「も」抱き寄せると、少し照れながらも嬉しそうに目を閉じて静かに寝息をたて始めた。
そしてそのまま3人仲良く眠りについた。
 




