おれ、源九郎

春はまだかにゃ～

　おれ、春が大好きにゃあ！

　ぽかぽかして、とろとろして、ねむねむが最高の季節だよね。

　お日様がにこにこ。

　おれも、にこにこ。

　まだ、来ないかにゃ？

　おれは、ただでさえ長い首を、もっと長～くして待ってる。

　アルがにゃんか言いたそうにゃ目をしてるう。

　アルはよく、目でものを言うんだよ！

　そう言う時はとにかく、褒められてると思うことにしてるんだ。

　だからおれは、よく褒められる、美猫なんにゃあ～。

　照れるんにゃあ～。

　美猫のおれは、お池をのぞいて、「ああ、おれは今日もよく美猫だにゃあ」と思ったり、春が近づく気配がないかと探したりしてるんだ。

　そして、お池に落ちることもある！

　そして、アルに助けられる！

　アル、ありがとおおおおお。

　アルはいいやつにゃ。

　いつもおれを褒めてくれるし、ピンチの時には助けてくれる。

　春はまだかにゃあ。

　おれ、春になって、桜が咲いたら、アルとかたわらしと一緒に、お花見に行くんにゃ！

　おごちそうをたらふく食べるよ！

　おごちそうはアルとかたわらしに頑張って作ってもらえばいいよね～。

　おれは、心をこめて、見守るんにゃあ…。

　応援するんにゃ…。

　あ、アルがまたにゃんか言いたそうにゃ目だよ！

「アル、そんにゃに、おれにみとれないで～」

「………」

　あ～春さん春さん、早く来てちょーだい。