お父上がやってきた!
わーい!
聞いてよ、今日はね、お父上がやってきたんだよ!
ドバイから足を伸ばしてみたんだって。
長い足にゃんだね。
にゃんたって、おれのお父上だからね。
アルのお父上、フーテンのエヴゲーニー叔父上も一緒だよ。
お母上たちはお買いものしてるんだって。
「おなごの買いもんに付き合うのはてえへんだからよう」
これはエヴゲーニー叔父上が言ったことだよー。
おれ「わーい、お父上―、おみやげあるー?」
お父上「源九郎。お前はまた太ったんじゃないのか…?」
おれ「たくさん食べてたくさん寝てるよ!」
お父上「そうか。運動も、少しはしなさい」
おれ「春ににゃったらするー!」
お父上「…うむ」
難しそうなお顔もかっこいいね、お父上!
エヴ叔父上「ほれ、アル~。おみやだぞ~」
アル「ありがとうございます、パパ」
ぷぷぷ。
アルったら、いつもはお兄さんぶってるくせに、叔父上のことはパパって呼ぶんだ。
かわいいよね!
口に出しては言えにゃいけどね…。
今日はお父上に思いっきり甘えるんだ!
あ、でも「高い高い」は腰にくるって言われた…。
肩車してもらおうかにゃ?
お父上はすらっと背が高くてスマートにゃんだ。
肩車されたら、世界中だって見えちゃいそうだよ!
おれもいつかはあんにゃ風ににゃるんだねえ。
その日が待ち遠しいよ!
ところでおれたちモスクワ―ナ一族は、思春期になると服を着始めるんだ。
つまりおれやアルはあと五十年は服がいらにゃいの。
とっても、経済的だと思うよ。
アル「食費…」
え?アルがにゃんか言った?
気のせい気のせい北風の妖精にゃ。