アルは怖いんにゃ
アルは怖いんにゃ
この間は、おれの貴猫流離譚を語ったね!
奇猫じゃにゃいよ、貴猫だよ?
おれのにじみ出る品格は生来のものであって、家柄は関係にゃいけどね。
寝ても食べてもにゃあと鳴いてもにゃんかそこはかとにゃく尊い光がおれのうしろからさす…罪なこにゃんこでごめんにゃあ。
でもそこで、「それは気のせいだよ」って言ってくるのが、従兄弟のアルトマイヤーなんにゃ。
水をさすんにゃ。
猫なのに水をさすんにゃ。
おかしいよね?
猫は水が嫌いでしょっ。
でもそろそろ温泉が恋しい季節だね~~~。
温泉には美女と入りたいよねえ~。
おれはこにゃにゃんこだから許されるよねえ?
お話戻すねー。
アル(アルトマイヤー)はおれと一緒に、日本の西のほうに住んでる。
アルはおれより小柄だけど、おれより一歳年長さんの真っ黒猫。
おれと同じでグリーンアイ。
おれと同じですらりとスマート。
おれは昔からアルには頭が上がらにゃい。
アルはちっちゃいけど強いんにゃ。
アルはおれやエヴゲーニー叔父上と違って、夜行性。
変わってるよね!
たまに昼、おれが暇を持て余してちょっかい出すと、すごい怒られる。
アル、怒ると…、怖い…。
だからおれはアルには逆らわないことにしてるけど、アルのおやつのつまみ食いもあんまり欠かさない。
おれって勇敢なこにゃんこだと思わん?
アル「君は幸せそうでいいよね」
おれ「アル、おはよう!今日は起きるの早いね。うん!おれ幸せに生きてるよ!えへへ~」
アルが変な顔してる。
にゃんでえ?