表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
208/360

来なかった席

【本文】

 最初の授業に、名簿上の児童が一人来なかった。岩田の親族で、川の音を聞くと外へ出られないという。

 佳乃は欠席を登校拒否と記さず、現在地と連絡希望だけを確認した。教材を届けても、提出期限や復帰日を付けない。

  学校で見つかったことは、児童名を外して地域網、体育館、病院へ共有する。発見者を特別な能力者として登録せず、授業と休息の時間を変えない。

 教室では岩田の事故を詳しく語らず、「戻っていない人」と「亡くなったと確認した人」の違いを説明する。質問へ分からないと答えることも認めた。

 教室を調査区画だけにせず、予定していた読み書き、計算、遊びを続ける。壁の音が鳴っても、児童全員を観測当番へ集めない。

  世界の声が報酬や即時解放を表示しても、地上の図面、避難経路、本人同意を先に確認する。分からない部分は推測で埋めず、次の観測時刻を決めた。

 空いた席を誰かで埋めず、その子が戻るか戻らないかを自分で選べる場所として残した。

 佳乃は授業記録と設備記録を別冊にし、子どもの言葉を大人向けの管理用語へ勝手に書き換えなかった。

 欠席した子の友人が迎えに行きたいと言ったが、子どもだけでは行かせない。佳乃が家族へ連絡し、教材、遊び道具、返事の要らない短い手紙を届けた。教室では欠席理由を共有せず、席へ物を積まない。翌日の名簿にも出席予定を勝手に入れず、いつでも連絡できる窓口だけを残した。

 観測後は教室の換気、電位、児童の体調を確認し、異常がなくても記録した。発見した子だけへ褒美を与えず、参加しなかった子の遊びと学習時間も同じように守る。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ