小さくなったモモ
【本文】
モモは魚肉ソーセージへ顔を向けても、一口食べると眠った。
封鎖率九十六%という数字だけを見れば、災害は終わったように見える。だが避難所では、食事、水、薬、睡眠、葬送が一日も止まらない。
小春は体積、色、反応、摂取量を三時間ごとに記録する。M-00の音声をもう一度出させたいという中央の要求は断った。
記録には成功と失敗を分けず、時刻、担当者、中止条件、翌日へ残る負担を書く。作業できない者の配給を減らさず、代行者だけへ負荷を集めない。
湊が待機箱の前から離れないため、千鶴が面会を十分に制限する。心配することと、回復を監視し続けることは別だ。
世界の声は早い回復や所有権交換を勧めたが、町は即決しない。本人同意、地上の手順、再検査を先に置く。
モモは管理核の手掛かりである前に、能力を使い切った一匹の患者だった。
代表会議は結論だけでなく、分からない点と見直す時刻も掲示した。勝利の後だからこそ、疲労を勇気、沈黙を同意、空欄を余裕に読み替えない。
設備と人間のどちらかを使い潰して日数を延ばす方法は選ばなかった。
モモの摂取量は一日分を先に置かず、一回ごとに小春が量る。食べ残しを回復失敗とせず、次の時間まで片づける。待機箱の照明と物音も減らし、子どもたちから届いた手紙は箱の外へ貼った。返事や能力使用を求めない見舞いだけを残した。
変更後の担当者は、実行したことだけでなく、見送った作業と理由も次の交代へ伝えた。誰かが戻れば元どおりになる暫定措置ではなく、その人が不在でも続く手順として試す。
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