復讐の化け物の始まり
「優しかったお母さんも、強くて偉大だったお父さんも、仲の良かった友達も幼馴染も、可愛がってくれたおばさん、おじさんも、村の事を一番に考えてた村長も、魔物や動物の捌き方を教えてくれたお兄さんも、皆、皆、皆殺された」
目の前に広がるのは火の海、死ぬ直前といっていい程傷だらけの僕は今までの思い出が頭の中を駆け巡った。
300人程度が住む村の一人息子として生まれた僕は楽しく生きていた。
同年代の友達が4人いて。いつも一緒に遊んでた、平凡でありふれた、でも楽しい楽しいい日々だった。
そんな僕を地獄にたたき起こし、今の惨状が訪れたのは明日10歳の誕生日ということでワクワクしてた日だった。
人は皆10歳になると神からスキルを授かる。授かるスキルは1~10で完全ランダムだが中には相性のいいスキルを授かり大成した人がたくさんいる。僕もそれに憧れどんなスキルが預けられるかワクワクしていた、夜も眠れないぐらいにワクワクしていた。
そうして夜ワクワク感で中々眠れずにお母さんとお父さんと明日僕がどんなスキルを貰えるかなという話をしていた時だった。
盗賊が現れた。
突然の事だった。
盗賊どもは村の人達を殺し首輪をはめ金品を奪っていく、お父さんはその事態にすぐさま盗賊と戦いに家を出た。
そして、お母さんと二人きりで家の中で隠れていた。お母さんは絶対に大丈夫だと言って僕を抱きしめてくれた。だから僕はそれを信じた。それを信じて家の中で隠れた。
盗賊が家に入ってきた盗賊はお母さんを無理やり捕まえ、下品で気持ちの悪い笑みを浮かべながら首輪をはめた。
そう、僕の目の前で僕はその光景を目にし恐怖で足がすくみ立てなくなり、オシッコを漏らした、そんな僕を見て盗賊は笑いながら剣を突き立てようとする。
殺されるそう思った時。
「俺の息子と妻に何してくれとんじゃ、盗賊め」
お父さんが助けに来ててくれた、涙があふれる、これで助かるそう思った瞬間。
お父さんの生首が飛んだ。
「うわ、雑魚、こんな雑魚が何粋がって」
そう言ってお父さんの首を蹴る盗賊。
「貴方~~~~~~」
お母さんの叫び声が響く。その叫び声を聞いた盗賊は。
お母さんの髪を掴みながら下品に笑って言った。
「今の雑魚が夫ってことかそれは実に面白いな、どうせならもっといたぶって殺せばよかったかもな」
「お母さんが泣き叫ぶ、そんなお母さんの髪を無理やり引っ張ってどこかに連れて行こうとする盗賊。
エクストラスキル【復讐者】を獲得しました。
何かが壊れた恐怖なんて物は無い、僕は盗賊に襲いかかったが、蹴られた、殴られた、簡単にボロボロにされ意識がもうろうとしだす、そんな僕を見た盗賊は面白がって僕の身体に火をつけた、その火は家に広がり大きくなり、他の家も焼いていく、あ~、俺は死ぬのか、こんなところで・・・・・・
「死ねるか、こんなところで、いや、嫌だ僕は絶対に盗賊どもを皆殺しにしてやる、ミンチにしてやる、肉片にしてやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、僕はこんなところで死なね~~~」
叫んだ、叫んだ、盗賊には聞こえていない。でも、叫んだ、そして盗賊に対する殺意を胸に僕は意識を失った。
スキル【再生】を与えられました。
スキル【身体強化】を与えられました。
スキル【魔力強化】を与えられました。
スキル【料理】を与えられました。
スキル【悪食】を与えられました。
スキル【死霊魔法】を与えられました。
スキル【火耐性】を獲得しました。
スキル【痛み耐性】を獲得しました。
激痛が身体を襲った。
そして、盗賊に対する殺意悪意怨み憎しみ怒りぐちゃぐちゃにして殺したい。生まれたことを後悔させたい。殺したい。抉りたい。殴りたい。蹴りたい。焼きたい。様々な感情と殺意が身体中に駆け巡る。
「痛い」
「憎い」
「悔しい」
スキル【異常精神】を獲得しました。
「殺す」
「死ね」
「殺してやる」
スキル【痛み耐性】のレベルが上がりました。
「痛い」
「熱い」
「焼ける」
スキル【火耐性】のレベルが上がりました
「苦しい」
「痛い」
「治れ」
スキル【再生】のレベルが上がりました。
「死ね」
「死ね死ね死ね」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
スキル【異常精神】のレベルが大幅に上がりました。
「殺してやる殺してやる殺してやる、この手で殺してやる復讐してやる」
スキル【異常精神】がエクストラスキル【復讐精神】に進化しました。
エクストラスキル【復讐精神】の効果により状態異常【復讐鬼】が付与されました。
状態異常【復讐鬼】の効果により全スキルの効果が上昇と身体能力と再生能力とレベル上昇率が大幅に上がりました。
破損した肉体が再生されました、意識を覚醒させます。
「目が覚めた」
そこには、焼けた元村があった。
・・・・・・・・・・・・
「ああああああああああああああああああ」
叫んだ、泣いた、泣き喚いた、全てを失った、愛する家族も友達も幼馴染も村も家も全てを。
「殺してやる、必ず復讐してやる、この世界から盗賊を皆殺しにするそれが僕の復讐だ」
エクストラスキル【復讐精神】のレベルが大幅に上がりました。
エクストラスキル【復讐者】のレベルが大幅に上がりました。
復讐の目的を決めました、その目的を成そうとする時に限り全能力が大幅上昇します。
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この日一人の復讐者が生まれた。