その12
だんだん短くなっていってます………
すいません(汗)
大国の王が、こんなにもわかりやすく不機嫌だとわかってもいいことなのだろうか。
今日の夕食にはクーとルーも同席している。
私とヤウチさんがひとつ席を下座にずれて空いたそこに双子が座る形になった。
ちなみにクーが便宜上、兄となっている。
なんでも一番最初に目を開けたからとかなんとか………
でもこんな細部までそっくりな双子、どっちが誰、なんてわかるんかと思ったけれど、常にクーは右手にルーは左手の手首にリボンをつけていたそうな。
知恵がつき始めてからは取り換えっこをしてたらしい。
そら、やるよな。
面白そうだもの。
「「サク姉、どうしたの?」」
おっと、いつの間にか思考が逸れていたわ。
「ちょっとね、色々と考え事」
「「例えば?」」
食事中に不機嫌な顔されるとご飯が不味くなるよなぁ、とかは言えず。
「私はこんなに美味しいご飯食べてるけど、友達はどうしてるのかなぁとか、自分にそっくりな姉妹がいたら何しようかなぁなんて」
「ヒノさんの友達だったら、なんとかやっていそうだけど」
「ええまあ奴等ならなんとかやっていると思いますよ。冷静でシビアな人間がいますから」
「「彼氏とかぁー?」」
ゴフッ
双子の思いがけない発言にアランとヴィルがむせる。
食べ物が詰まるのも同時って、本当に双子とか思えてくる。
精神的に双子なのかな。
かなり珍しいけど。
「「サク姉〜?」」
「ああ、ごめんごめん。えっと冷静でシビアな奴ね」
聞きたくもない、というか聞かれたくない言葉で意識が明後日に行っちゃったよ。
「女友達だよ。一応、婚約中になるのかな。学校卒業したら結婚するかもーとか言ってたし」
「するかもーって………あまり乗り気じゃないんだ?」
「んー………その子自身は幼なじみの延長線上だから、恋人としての愛情はあるんだかないんだかとか言ってまして………」
「「政略結婚?」」
「ううん。ただ、彼氏の方が友達を大好きー、愛してるーって感じなのよね。それに友達も悪い気はしないし、結婚したら楽かなーとか言ってたから、両方円満合意の結婚よ」
「「…………サク姉?」」
「いいんじゃない。向こうが好きだ好きだ言ってるんだから。幸せになると思うよ。友人の一人として、とても嬉しいな。――――で、なに?」
「言葉の割には、哀しそうだね」
クラウに言われて気づいた。
しまった、顔に出しちゃったか。
嘆いても仕方ないことで、ううぅ、突っ込まれるかな。
「ところでアランドラ王、一応明日は教会のトップの方にお会いできるんですよね。何か会う際のお作法とかありますか?」
こうなりゃ話題変更だ。
それに聞きたいことでもあったしね!
「んんっ、あぁ、そうだな………儀式でない限り決まったことはない。サクラやユーヤの思う礼を尽くせば良い」
普通に目上の人に対する対応でやればいいのか。
「緊張するか?」
「え?」
今、初めてアランドラ王の年相応の姿を見た。(いや、まだ三回目なんだけど)
「緊張は、あまり」
「そうか」
ちょっと、なんか子供っぽい人なのかなぁとか思っていて、でもそうだよ。
腐っても(失礼)大国のトップなんだもん、子供っぽいままなんていられないはず。
それに見てきたじゃない。
村や町の人たちの、王に対する称賛を。
個々の月収ごとに税金が違い、小さな村まで行き届いた道路の調整を。
国民のことを思って、してほしかったことをしてくれた、って。
彼は歴代の中でも最も賢王だと言える、と。
もう少し認識を改めないとね。
「明日は余も同席する」
「お手数おかけします」
ヤウチさんのお礼と一緒に頭を下げる。
呼んだ張本人がいないとね、相手に失礼だものね。
しかし、うーん。
やっぱり大事になってるよなぁ。静かに過ごしたかったのにー。
これからファンタジーっぽくなんないかなぁー。