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獅子の瞳に夜桜は映らない

作者:黒瀬クロエ
最新エピソード掲載日:2026/11/08
 元警察官の鳳玲雄は、ある少女の失踪事件をきっかけに、奇妙な遊郭へ足を踏み入れる。

 その名は――常世楼。

 古びた寺町の奥にひっそりと存在するその場所には、外の世界とはどこか違う空気が漂っていた。

 そこで玲雄が出会ったのは、夜桜と名乗る美しい遊女。

 彼女は玲雄に不思議な酒を飲ませる。

 その酒によって玲雄の魂には夜桜の魂が混ざり、玲雄は常世楼から出られなくなってしまう。

 帰る方法はただ一つ。

 夜桜の小間使いとして、この場所で働くこと。

 こうして元警察官は、なぜか遊郭の雑用係として働く羽目になった。

 しかし、一ヶ月経っても玲雄は常世楼の全貌を把握できない。

 入口へ戻ろうとしても辿り着けない。
 許可されていない場所には、どれだけ歩いても行き着けない。

 そして、この遊郭には「六花」と呼ばれる特別な六人の遊女がいる。

 彼女たちは客に身体だけではなく――夢を売る。

 香を嗅いだ者は夢を見る。

 吉夢。
 予知夢。
 白昼夢。
 そして、悪夢。

 夢の内容すら操ることができるという。

 元警察官として常世楼の謎を追う玲雄だったが、そこで出会う怪異と不可解な住人たちは、彼の常識を少しずつ壊していく。

 なぜ夜桜は玲雄を常世楼に留めたのか。

 六花とは何者なのか。

 そして――玲雄が探している失踪少女は、どこに消えたのか。

 夢か、現か。

 この遊郭では、その境界すら定かではない。

 元警察官と、夢を魅せる遊女。

 二人が辿り着く先に待っているのは、怪異か、それとも人間の悪意か。

 これは、異界の遊郭「常世楼」を舞台にした、奇妙な怪異譚である。
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