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高倉くんのカワイイを応援したい!  作者: 志熊みゅう
最終章 やっと見つけた私の『好き』

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4. パパとママの馴れ初め

 その日は、学校の帰り道もソワソワした気持ちはどこか消えず、ずっと『好き』ってなんだろうって考えていた。さっき紬と楠くんに言われたことが、頭の中で何度もリフレインする。


 ――高倉くんのとなりにいたい。すぐ横で高倉くんのカワイイを応援したい。


 それは私の中で絶対だった。


 じゃあ、親友と恋人って何が違うのかな?例えば、紬は親友だ。でも紬のことで頭がいっぱいになることも、紬のことで胸が締め付けられるように苦しくなることもない。紬が吹奏楽部の誰と仲良くしていても、楽しそうでよかったと思うだけ。誰かに取られたくないなんて、焦ったことはない。


 でも楠くんは、早乙女さんが和田くんと付き合い始めて悔しかった、後悔したって言っていた。私の高倉くんに対する気持ちに少し似ていると思った。


 ――もしかして、これが『恋』ってことなのかな?


 今日は、ママが思ったより早く帰ってきた。最後の予約がキャンセルになったらしい。夕飯は以前大きな鍋で作って冷凍しておいたミートソースだ。キッチンから漂うトマトの香りに、思わずお腹が鳴った。


「あかね、粉チーズかけすぎ。冬の富士山みたいになっているわよ。」


「だって、たっぷりかけた方がおいしいんだもん。」


 ママに止められてもお構いなしに、いつも通り、粉チーズをたっぷり振りかけた。


「そういえば、パパとママってどこで出会ったの?ママはどうしてパパのことが好きになったの?」


「パパのこと?」


 ママは少し驚いたように私を見て、それから、懐かしそうに目を細めて言葉を選び始めた。


「パパのことは、テレビ局でヘアメイクの仕事をしてる友達から紹介されたの。当時のパパはまだ駆け出しのADアシスタントディレクターで、それこそ視聴率を取りたい、おもしろいバラエティー番組を作りたいって、目を輝かせていたのよ。」


「あのパパがね~。」


 今のパパは、仕事は仕事って割り切ってる感じがある。昔は、もっと夢中だったんだろうな。


「でね、ママの知らないことをたくさん知っていて、ママの知らない世界を見せてくれる人だと思ったの。ほらママ、高校を出てすぐ上京して、そのまま美容専門学校に入ったから。」


「美容師さんってすごい職業だよ!私は尊敬している。」


「あら、ありがとう!あかね。私ね、パパが作る『おもしろい』をもっと近くでみたい、これからも一緒に見ていきたいって思ったのよ。もしかすると、あなたに似ているかもね。」


「えっ、私に……似てるの?」


 いきなりそんなことを言われて、ドギマギした。でもその言葉が、とてもしっくり来た。そうだ、私も。高倉くんの"カワイイ"を、誰より近くでみたい。ずっと応援していきたい。


 ――これが、私の『好き』なんだ。


 もう、迷わない。今度のお笑いライブの日、高倉くんにこの前の告白のお返事をしよう。あのとびきりカワイイ高倉くんの笑顔を、一番近くで見られる特別な存在になりたい。

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