プロローグ
基本的にバトルはありません、日常を描いていきます、よろしくお願いします。
転生したら奴隷になりました、魔力を得て楽しく暮らしてます
プロローグ
俺の名前は伊勢仁、24歳。
短大を卒業して、働き始めた。
これで俺も立派な社会人だ。
……そう思っていた。
勤め始めた会社が、ブラック企業だと知るまでは。
20時間勤務は当たり前。
家に帰れない日の方が多い。
会社に泊まり、少しだけ眠って、また仕事。
先輩たちの中には、
「賃貸借りてても帰れないなら、家賃がもったいないだろ」
そう言って、部屋を解約してしまった人までいた。
それでも先輩たちは笑っていた。
「そのうち慣れるよ」
「最初はみんなキツいからな」
俺も笑って、
「そうなんですか」
と答えていた。
でも……慣れなかった。
日に日に、自分の身体がおかしくなっていくのが分かる。
それでも働かなければならない。
会社には迷惑を掛けられない。
先輩たちも悪い人じゃない。
むしろ、みんな良い人だった。
だから俺は、頑張った。
そして――久しぶりに家へ帰れる日が来た。
ちゃんとした布団で寝られる。
しかも三時間も眠れる。
「三時間も寝られる……」
そう思ったら、自然と足取りが軽くなった。
早く帰って、布団に入りたい。
ただ、それだけだった。
急いで歩いていると――
突然、地面が回った。
「……あれ?」
足元がふらつく。
目眩だ。
それでも歩いた。
もう少し。
家までは、あと少しだ。
ふらつきながら顔を上げる。
その瞬間――
眩しい光。
激しい騒音。
「……え?」
俺は道路の真ん中に立っていた。
歩道へ行かなければ。
そう思った。
でも――
足が動かない。
目眩も収まらない。
次の瞬間。
――ドンッ!!
強烈な衝撃。
身体が宙に浮いた。
「痛い……」
それが、最後の記憶だった。
――死んだ。
そう思った。
だが――
目を開けると、そこにはベッドがあった。
手足が上手く動かせない。
起き上がることも出来ない。
声を出すことも出来ない。
それでも、目だけは動かせた。
「……生きてる?」
それだけで良かった。
俺は生きている。
そう思った。
そして、視界に一人の女性が入った。
金色の髪。
30代くらいだろうか。
その女性は俺の顔を覗き込み、優しく微笑んだ。
そして――
「おはよう、私の可愛いジン」
その瞬間。
俺の二度目の人生が始まった。
今後もよろしくお願いします。




