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「貴様との婚約は破棄させてもらう!!」

「………は?」


煌びやかな衣装をまとった金髪の男が怒鳴っている。

誰だ?こいつ。てか、ここどこだ?悪役令嬢に転生した的なやつか?え?俺死んだの?

いや、夢だろ夢。今日は、友達の家に泊まったからよく覚えてるもん。なーんだ夢か。なら好きにしていいな。


「私なにかしました?」

「とぼけるな!貴様がアイリスをいじめていたのはわかっている!」


アイリスって誰?なに?俺、その子のこといじめてたん?てか証拠もなしに人前でキレるとかうぜぇなこいつ。夢ならもっと都合よくあれよ。


「証拠はありますの?ていうか何故、アイリス様はこの場にいませんの?」

「アイリスは心を病んでいるんだ」

「その原因は貴様だろう!!!」


なんか眼鏡かけた奴と騎士みたいな奴が割り込んできた。なんなんだよこいつら乙女ゲーの攻略対象みたいな顔しやがって俺は金髪と話してんだよ。


「それで?証拠は?」

「目撃者がいる!」

「それは証拠にはなりませんわ。金でも握らせればいくらでも捏造できますもの」

「くっ!」


金髪がすんごい睨んでるんだけど………まさか目撃証言だけで断罪するつもりだったの?バカなの?


「他に証拠はないわけ?」


眼鏡くんが『死ね』とか『殺す』とか暴言が書いてある教科書を見せてきた。


「貴様が書いたものだろう?」

「は?バカなの?」

「ふざけるな!!」


騎士っぽい奴が怒鳴ってきた。こいつは怒鳴ることしかできないわけ?


「筆跡鑑定はしました?文字が似てるからってだけで私を犯人と断定したわけじゃありませんわよね?」

「くっ」


えぇ………マジでそれだけで決めつけてたの?こんな眼鏡かけて頭良さそうな雰囲気醸し出してるくせにバカじゃん。


「貴様ァ!!」


騎士っぽい奴が腕を掴んできた。結構痛い。夢なのに痛み感じるんだ。


「分が悪くなったら今度は暴力ですの?女性に暴力を振るうなんて男として恥ずかしくないんですか?」

「ぐうッ!!」


こいつらって自分の策が失敗したら「くっ!」とか言わなきゃいけない縛りでもあんの?ダメージボイス?


「アイリス様はこのパーティーにいらしてませんの?いたら出て来て下さいまし」

「わたしが………アイリス……です」


小動物みたいな雰囲気の同年代にしては身長が低めの女の子が出てきた。なにこの子すっごい可愛い。

お膝の上に乗せて膝小僧を撫で回したいような可愛さしてるわ。


「あらやだ可愛い」

「え?」

「失礼、つい本音が漏れてしまいましたわ」

「わたしが……可愛い………?」


アイリスが頬を赤らめて照れている。マジで可愛いなこの子。この子が主人公の乙女ゲーとかあったら絶対買うわ。


「当たり前でしょ。それで?貴方は私にいじめられてたの?」

「いえ……そちらの方がシルフィ様の仕業だって」


アイリスは金髪が連れてきた目撃者を指差した。

じゃあ犯人こいつじゃん!自分の罪を他人になすりつけるとか最低だなこいつ。


「アイリス様は、私に直接何かをされたりしていませんの?」

「直接的なものは………机に落書きされたり、私物を壊されたり、わたしがいないうちにされてたので………」


アイリスが泣き出した。こんな可愛い子泣かすとかいじめた奴最低だな。内容も陰湿だし。


「アイリスを泣かすな!貴様はどこまでも最低な女だな!」


金髪がキレてきやがった。今の会話聞いてなかったの?バカか?バカだな。うん、バカだわ。


「耳イカれてますの?証拠もなしに私のことを断罪しようとするわ、急に暴言吐いてくるわ、貴方みたいな人間と婚約していたなんて生涯の恥ですわ」

「貴様ァ!!」



パァン



金髪にビンタされた。頬がジンジンする。なぜか夢なのにすんごい痛い。マジでなめやがってこのクソ野郎が。


「ってぇなテメェ!!」



ガンッ



金髪の顔面ぶん殴ってやった。めちゃくちゃ驚いてる。他人のことビンタしといて自分がされたら唖然とするとかやっぱりバカだろこいつ。


「そんなに婚約破棄したけりゃしてやるよ!!!テメェとの結婚とかこっちから願い下げじゃボケェ!!!死ねぇ!!!」


中指立てながらそう叫んでやった。どうせ夢だし許されるよね!


「お騒がせして申し訳ないですわ。それでは皆さんごきげんよう」


そう言って俺はパーティー会場をあとにした。なんか馬車も待ってるし、さっさと家に帰ろう。


「お嬢様、どうかなさいましたか?」

「家まで行って」

「しかしまだパーティーが………」

「いいからさっさと家に行きなさい!!」

「………かしこまりました」


馬車が走り出した。かなり長い夢だったな。このまま寝たら目が覚めるだろうし寝るとしよう。

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