俺は絶対死亡フラグは立てない!!
いつもより少し長めです。
keitoさんがログインしました。
みんな遅くなってすまない。すぐ来たかったんだけど、なかなか幼なじみ達が帰らなくてね。
何?そんな前口上はいいからどうなってるか教えてだって?
とりあえず俺は学校で、ハーレム王、ファックリア充、不潔淫獣と言われてるよ。
え?羨ましい?
君はどうやら最近来た人みたいだね。とりあえず初めまして。
君以外の人には説明してるから、みんな俺の状況を羨ましいとは思ってないと思うよ。
ほら、下手なこと言うからみんなに袋叩きにされてる。
いやいや、謝らなくていいよ。殆どの人は最初そう思うしマンガやアニメだとかなりいいポジションだと思うしね。
だけど君もちゃんと現実を見た方がいい。
現実を見るときは……
thunderさん、先に言わないでよ。
まぁ、そういう訳ですよ。
マンガやアニメのハーレム状態は、かなり有り得ないんだよ。
基本みんないい子で、いがみ合ったりしても結局みんな仲がいいだろ?
でもね、実際はどうしたって『私だけの物にしたい』て気持ちが出るんだよ。
人間だからね、仕方ないよ。
だから、実際のハーレムの女の子はどうやって抜け駆けするか、どうやって上手く自分の物にするか、と水面下で争ってるんだよ。
そんなのは普通?
そう、これは実際の一般的な男や女の 考えだよ。
俺の幼なじみ達は一味違う。
徹底してるんだ。
自分の物にするために画策したり、お互いに協定を決めたりとね。
どんなことを画策してるのかって?
例えば………
★☆★☆★☆★☆★
昨日はいきなり、いろんなことが起きた。
入学そうそう、クラスメイトに奇異な目を向けられたり、リア充爆殺と呪詛をかけられと散々だった…
そんなことがあっても次の日は必ずやってくる。
結局、昨日は3人とも家で泊まっていった。
母さんが帰ってきたのが夜の9時過ぎで、俺達は母さんが帰ってくるまで寝ていたらしい。
そんな時間なのでそのまま泊まっていきなさいと母さんが言ったので3人とも大喜びで夕飯の手伝いをしていた。
これもいつもの事なので慣れたものだ。
父さんは今日帰ってこないらしいので5人で食事となった。
3人とも母さんに今日あったことを楽しそうに話し、母さんも興味深く聞いていた。
特にゲーセンで3人を抱きしめた時の話しをしたときは、俺の方を見て意味ありげにニヤニヤしていた。
…3人とも、そんなに赤裸々に話さないで…
夕飯を終え風呂に入った。もちろん3人ともついてくる。
母さんはそれを見て、またもやニヤニヤするだけで止めない。
昔から一緒に入ってるから、俺を信用してるのか…
いや、たぶんチキンだから手を出さないと思っているな…
まぁ、手は出さないけど。俺は。
家の風呂はこれまたデカい。6人入っても足が伸ばせるくらいには余裕がある。
でも、シャワーは一つなのでとりあえず身体を洗ったらシャワー待ちをする。
一応、レディファーストということで一番最後にシャワーを使ってるが、待ってる間に風呂のお湯をかけられたり、かけ返したりするので結局、泡は落ちちゃうんだよね。
あんなにキャーキャー騒いでいたのに風呂に浸かるとみんな静かになる。不思議だ。
そしてみんな俺に密着してくる。
風呂での密着は非常にマズい。
俺の左右にくっつく雪と美波はまだいい。
だが雷華は俺の膝の上に横座りして、首に腕を回している。
この体制を維持し続けたら俺のジョニーがみんなにおはようしてしまう。
なので、いつも風呂には長く浸からずあがる。
不満そうだが、みんな理解してくれ。遠慮はしなくても羞恥心はあるんだ。
☆★☆★☆★☆★☆
ジョニーもビックリ!!ドキドキ入浴タイムも終わり、当たり前のように俺の部屋で寝る準備をする3人。
パジャマがないのは仕方ないとは思うが下着姿で寝るのは困る。
3人に俺のシャツを渡して着させると、俺の匂いがすると言ってうっとりしながらシャツに鼻を当ててスーハーしている。
その姿を見ると、3人は軽くトリップしてるのではないかと思ってしまう。
そんなこんなで俺達は眠りについた。
★☆★☆★☆★☆★
えっ?やっぱり、リア充じゃねぇかって?
ゴメン、ゴメン。前置きが長すぎた。
学校に行った後からが大事なんだ。
そう、それは俺達が学校に行って昼休みになった時だった………
☆★☆★☆★☆★☆
「いただきます。」
昼休みになって俺は朝、みんなが作ってくれた弁当を開けると俺の好物ばかり入っていて、嬉しさの余り心の中でモネールダンスを踊っていた。
即がっつこうとしたが声をかけられた。
「才雅、ちょっと話しがあるからついて来てくれるか?」
話しかけてきたのは呪詛三人衆の1人、斎藤だった。
雪達は斎藤に対して怒りの視線を送っている。
斎藤のやつ、かなりビビってるな。
俺もかなりビビってるけどね!!
「いいよ。みんな、先に食べてていいから。」
斎藤にOKを出し、ついて行った。
斎藤に連れられて来た場所は校舎裏だった。
そこには呪詛三人衆の残り2人もいる。
「悪いな、呼び出させて。」
「ホントだよ!あの3人マジで怖ぇーよ!!殺されるかと思ったわ!!!」
斎藤は半泣きしながら俺に叫ぶ。
なぜ俺がここに呼び出されたかというと、さっきトイレに行ったとき、丁度この3人と会ったので校舎裏に呼び出すように言ってあったのだ。
「で、なんで俺達を呼んだんだ?」
と、三山は疑問を投げかけてくる。
「ちょっと話しがしたかったのと頼み事をね。」
「「「頼み事?」」」
3人の声が綺麗にハモる。この3人、絶対仲良いな。
「頼み事は置いといて。とりあえず、俺の話しを聞いてほしい。」
3人は困惑しながらも聞いてくれるようだ。
「君たちは俺の事をリア充って言うけど、本当にそう思う?」
「そりゃあリア充だろ。女の子にあんなに言い寄られてるんだし。」
「まだ入学2日目だが、クラスメイト全員お前ら4人は絶対に出来てると思ってるぞ。そんなお前はリア充で爆発するべきだ。」
「ファッキンリア充。」
斎藤、三山、伊東の順に答えてくれる。
「なるほど。じゃあ、今度は俺の事を少し話すよ。それを聞いてリア充かどうかもう一回判断してみてほしい。」
不思議そうな顔をする3人。
「まず一つ。俺は今まで一度も友達が出来たことがない。」
「何言ってるんだ?伏見や水鳥、唯前は友達じゃないのか?」
「あの子達とは心の距離が近すぎるから友達とは言えないと思うんだよ。て、言うか友達なんて言ったらたぶん殴られる。」
「あの3人、君のこと殴るの?」
伊東は少し驚いている。
「いや、一度も殴られたことないよ。ただそんな雰囲気になるんだよ。」
「確かにあの3人は何もしなくても相手を威圧することできそうだしな。だけど友達が今まで一度も出来たことがないってのは信じられん。お前の性格に問題があったんじゃないのか?」
斎藤はさっきの事を思い出してか身震いをする。
「本当の事だよ。なんでか分かる?」
「うーん。…昔からハーレム状態でクラス全員に嫌われてたから?」
「小学、中学のクラスメートは俺に対して普通に接してたし、嫌われてはいなかった筈だよ。」
「じゃあ何で友達出来ないんだ?」
三山は質問に質問を重ねてくる。
「雪達が作らせなかったからだよ。」
「作らせなかった?どういうことだ?」
「雪達はね、俺には私がいるから他の人は必要ないって思ってるんだよ。」
「「「はぁあ!?」」」
また綺麗にハモる。
「まだ2日目だけど見てて気づかない?俺に話しかけようとしてる人とか近づこうとしてる人を威圧して近づけさせないようにしてるの。」
「…確かに、お前に話しかけようとしてすぐに離れていった女子がいた…」
「何でわざわざそんなことするんだ?」
三山が恐る恐る聞いてくる。
「それがあの子達のやり方なんだよ。俺という城を落とす為のね。」
そう、あの子達は今、城攻めをしているんだ。
「あの子達は俺という城を落とすために色んな手を打ってる。今してる事の一つは、俺の城の外堀を埋めまくっていること。それはもう分かるよね?自己紹介の時、あからさまにやってたし。」
あんな意味あり気な目線送ってから秘密なんて言ったら、みんなそうなんだと思うだろう。
斎藤達も頷いている。
「2つ目に俺の下に友軍が来たり、他の人が城を落としに来ないようにバリケードを敷いていること。そこの利害が一致してるから、お互いライバルでも協力して事に当たってる。これをしているから、俺は誰一人友達が作れなかった。」
「ちょっと待て。男友達なら関係ないんじゃないか?」
「さっき言った通り、私以外が必要ないから男も女も関係無いんだよ。しかも徹底してて、男子でもボーイズラブな奴を警戒している節がある。」
「そこまでやるのか…」
信じられないように呟く伊東。俺は続けて言う。
「3つ目は兵糧責めと誘い伏せ。」
「兵糧?飯抜きにされるってことか?」
まぁ普通に考えたらそうなるがこれは 比喩表現だ。
「君たちはエロ本やAVは持っているかい?」
「健全な男の子なら誰でも持ってるさ!」
「俺達の心のオアシスだしな!」
「巨乳最高!!」
みんな素晴らしくいい返事だ。
「俺は見たことがない。」
「「「な、なんだってー!!」」」
今までで一番の驚きを見せる3人。
「俺が他の女の子をいかがわしい目で見るのが許せないらしくて、テレビで水着のアイドルが出たのを見ただけでも怒るんだよ。」
「じゃあ、もしかしていつも…」
「あぁ、寝ているときに暴発してるよ。」
暴発現場を見られたときは本当に自殺したくなったよ…
「しかも、その日の夜に雪達から大量の悩殺写メが送られてきたよ。流石にナメてんのかと思ったよ。」
斎藤も三山も伊東も、もの凄い羨ましそうに俺を見る。
「羨ましいぞ、才雅!!」
「…前提を間違えてるぞ。そもそもAVとかがあれば、こんなことにならなかった訳だし。」
「その写メはどうしたんだ?」
「後でスタッフが美味しく頂きました。」
その後の賢者タイムは罪悪感にかなり苛まれたが、使わん訳にもいられないしな。
「そう言いことで、兵糧責めをして飢えている所にご馳走を用意して食いついたところ一網打尽にするつもりなんだと思う。」
「…恐ろしく計画的奴らだな…」
3人とも難しい顔をしつつ、俺には憐れみの視線を送る。
少しは理解してくれたかな?
すると斎藤が閃いた、とばかりに言い放った。
「なら、お前が何とか他の好きな人を作って付き合い始めればいいんじゃないのか?」
「おぉー!!その手があったな。」
「名案がでたな。」
三山、伊東も賛成のようだが、甘い。
「それは下策どころか最悪の一手だよ。」
「何でだよ。」
「そんなことをしたら最悪の事態が起こる可能性がある。」
「一緒にいられなくなるとかなら仕方ないと思うぞ。」
「違う。」
「めちゃくちゃに怒られるとか?」
「それならまだかわいい方だ。」
「学校での立場が無くなるとか?」
「些末なことだよ、それは。」
じゃあいったい何なんだと3人は訝しむ。
じゃあ答え合わせといこう。
「…nice boat、と言えば分かるだろうか?…」
「「「…おけぇ…」」」
俺は今、すごく遠い目をしていることだろうな…