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『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~  作者: ひろの
第2章 カタリナ、ついでに内乱鎮めとく  ~ イケメン海賊団編 ~

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第47話 アジトを分け合うぞ!

「次、行くぞ」


ロウが地図を閉じた。


「やや小ぶりの海賊団だ。

 夜襲で潰す。力攻めで十分だろ」


カタリナがニヤリと笑う。


「いいね。

 そういう分かりやすいの好き」


そして振り向く。


「ジーナ」


「はいっス!」


「今度はちゃんと缶ビール持ってけよ」


「了解っス!!」


・ ・ ・


現地、廃工場を改造してアジトとしているらしい。

窓から漏れる、揺れる灯り。


「……明るいな」


ロウが目を細める。


「酒宴か?」


その瞬間。


ジーナの目がギラリと光った。


「……酒」


「おい、落ち着け」


「急ごう!戦利品が減る!!」


「そこ!?」


カタリナが叫ぶ。

ロウが苦笑いしながら部下に指示を出す。


「急ぐぞ!」


ロウが手を上げる。


「煙幕、投げるぞ」


数秒後。


――ボンッ!


白煙が一気に広がる。


「突撃!」


「おおお!!」


黒犬と赤毛猫が同時に飛び込んだ。


銃声。

怒号。

乱闘。


視界は最悪。


だが――


「……ん?」


ロウが眉をひそめる。

聞こえてくるのは。


「きゃあ!」

「右から来る!」


高い声。


「……女?

 やりにくいな……。


 無力化しろ!」


だが、最初、最初こそ混乱したものの、

すぐに敵は立て直して反撃に転じてくる。


レーザーブレードでロウの部下達とも互角に切り結ぶ。


「気を付けろ、女と油断するな。

 強いぞ」


ロウが部下に命じる。

その次の瞬間。


「ぐっ!?」


黒犬の団員が吹き飛んだ。


レーザーウィップ。


光の鞭がしなる。


バチンッ!!

受けた箇所のシールドが弾ける。


「うああっ!」


絡め取られ、

オーバーヒートしたシールドが破裂する。


その衝撃でそのまま失神する黒犬団員。


「強いな……手加減不要だ。本気で制圧しろ!」


「団長、そうは言ってもこいつら!?」


ロウが叫ぶ。


「情報と違う!

 落ち着け。勝てない相手ではない!」


カタリナは――

ニヤリと笑った。


「へぇ……」


ウィップが飛ぶ。


カタリナは身体をひねって回避。


一歩。

また一歩。


距離を詰める。


「そこ!」


さらに踏み込む。


そして……。


がしっ。

相手を抱きしめた。


「え?」


次の瞬間。

ぐりぐりぐり。


「ぎゃああああああ!?」


顔を胸に押し付けられた敵が悲鳴を上げる。


「なっ……なにこれ!?やめてぇ!?」


カタリナ、満面の笑み。


「モカぁ!!」


煙の中で叫ぶ。


「無事だった!?」


「……え?」


少しの間。


「おねーちゃん!?」


煙の中から声が返ってくる。


「ロウ!ストップ!」


カタリナが叫ぶ。


「味方!

 私の妹たち!」


一瞬の静寂。


「……は?」


ロウが固まる。


「戦闘中止だ!!」


慌てて指示を飛ばす。

黒犬が止まり、

相手側も動きを止める。


煙がゆっくり晴れていく。


そこにいたのは――

サクラモカ。


そして赤毛猫海賊団の面々だった。


「おねーちゃん!!」


モカが駆け寄る。


「すごく心配したんだからね!!」


その後ろで、

団員たちがひそひそ。


(あれ?)

(心配してたっけ?)

(話題にすら出てなかったような……)

(忘れてるのかと思ってた……)


カタリナはドヤ顔で腕を組む。


「心配?私が危険な目に遭う訳ないでしょ!」


ロウが恐る恐る聞く。


「……妹?仲間か?」


モカが頷く。


「そう。

 私たちがこの拠点を制圧しようとしたら、

 急に煙幕が出てきて」


モカが分かりやすいようにため息を吐く。


「新手かと思ったわ」


ロウが頭をかく。


「すまんな。

 俺たちもここを狙ってた」


軽く手を上げる。


「ロウ・ハーランドだ。


 俺達は黒犬海賊団。

 そして俺が団長だ。」


ちらっとサクラモカはカタリナの方を向く。


(おねーちゃんの悪党センサーが反応してないってことか。

 まぁ、信用していいのかな、一応)


モカが軽く会釈して答える。


「赤毛猫海賊団です。

 私はその副団長、サクラモカ」


カタリナが親指で自分を指す。


「カタリナ」


「赤毛猫海賊団、団長」


その時、後ろで。


「ぷはぁぁぁ……」


ジーナが酒を飲んでいた。


「……合流できたし、休憩っスね」


「早っ!ってか、こいつ初めから戦ってないな」


カタリナが呆れ気味に呟く。


「いや、そりゃそうっスよ。

 すぐに私は気付いたっスっよ」


「嘘つけ、飲みたかっただけだろうが!」


ロウが苦笑いしながら割り込む。


「相変わらずだな……。

 ちょっとだけ話がある。これを見てくれ」


ロウが海賊団の居場所を指で指し示す。

残る海賊団は、すでにモカたちが制圧していた。


これで――

ニャルガレーモから、海賊は一掃された。


・ ・ ・


カタリナ、サクラモカ、ロウの三人が

惑星の地図を広げて向かい合っていた。


ロウが口を開く。


「俺たちはここをアジトにするつもりで、

 小悪党どもを片付けていた」


カタリナが即答する。


「奇遇ね。

 私たちもここをアジト惑星にするって決めてたの。

 諦めな」


「おいおい」


ロウが肩をすくめる。


「俺たちの方が多く片付けただろうが。

 それで全部持ってくってのは変だろ」


カタリナはニンマリ笑った。


”なに言ってんだ?”


と言わんばかりの顔だった。


少し考えて、ロウが言う。


「……分かった。

 じゃあこうしよう」


指で地図をなぞる。


「二分して分ける」


「んー……」


カタリナは一瞬考えたあと、


「仕方ないか。それでいいよ」


あっさり頷いた。


そしてペンを手に取る。


ニャルガレーモは海洋惑星。


陸地は狭く、ほとんどが海だ。


きゅきゅきゅー。


迷いなく線を引く。


豪快に。


結果――


陸地は、おおよそ七対三に分けられた。


そして。


七の側に、可愛い猫の絵。


三の側に、雑な犬の絵。


「じゃ、これで」


カタリナが満足げに言う。


ロウが叫んだ。


「おい!!

 図々しいだろ!普通逆だろ!」


「面倒くさい男だな、お前」


カタリナは心底うんざりした顔をする。


「いやいや、お前たちの方が変だろうが!」


ロウは一度頭をかいた。


そして――


「……まぁ、いい。


 その分け方でいい」


カタリナがニヤリと笑う。


「前言撤回。

 お前、物分かりいいから好きだわ」


「はいはい」


ロウは軽く手を振る。


「どうせ俺たちは仮のアジトだ」


少しだけ視線を落とす。


「ルキウスと決戦するまでのな」


その名前が出た瞬間。


カタリナの表情が変わった。


「……何だ」


ロウが気づく。


カタリナは真面目な顔で言った。


「ほんと奇遇だな」


少しだけ間をあける。


そしてニヤリと笑った。


「私も、あいつ倒す予定なんだ」

あとがき

挿絵(By みてみん)

はぁ……ようやく合流できたわ。副団長のサクラモカよ。

煙幕の中でいきなり抱きつかれた時は、再会の喜びより先に窒息するかと思ったわ。

おねーちゃん、戦場で妹を絞め殺しかけるのはやめてほしいものね。


新しく出てきた「黒犬海賊団」のロウ、あいつ相当なお人好しね。

おねーちゃんが勝手に書いた「猫7:犬3」なんてふざけた領土分けを飲むなんて、普通じゃ考えられないわよ。まぁ、おかげで私たちの取り分が増えたからいいけど。


でも、ルキウスを叩き潰すって目的が一致したのは大きな収穫。

ただの「引っ越しの下見」のつもりが、なんだか大事になってきたわね。


ルキウスって私的には普通のイケメンなんだけど、おねーちゃんセンサーだと

悪党なんだよね。

叩き潰すしかないかぁ。

みんな、次も振り落とされないようについてきなさいよね!

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