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とある異世界サバイバル  作者: 御厨みか
14/15

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 その鳥が言うことには魔物は普通の生物にとっては有害な物質、精気と呼ばれるものをエネルギーとする。魔物はそれを取り込むほど強くなる。魔物なら精気は皆持っており、基本的には魔物を食べることで

精気を取り込む、ということらしい。

「でもそれは結構効率が悪くてねー。ま、だから裏技も教えといてあげるよ」

わたしは森の中の少し開けた場所に案内された。


「うわぁ」

思わず感嘆の声を上げる。そこには、たくさんの鉱石があった。それは飲み込まれそうなほどの漆黒の色、所々に真紅の斑点がある、とても綺麗な鉱石だ。

「こんな場所があったなんて……」

「いい場所だろ。これは精気が結晶化したものなんだ。精晶石っていう名前だ」

いつの間にやら背中に乗っていた鳥が答える。

試しに精晶石を舐めてみる。これはすごい。身体に力が流れ込んでくるのがわかる。


と、急に気分が悪くなった。

「うう、なんか気持ち悪い」

「一気に精気を取り込んだから身体が追い付いてないんだ。言っただろ、裏技だって」

それを先に言ってほしい。鳥に恨みがましい視線を向ける。


鳥はそれをさらっと受け流すと、背後に視線をやる。私もつられてそちらに目を向ける。

「げ」

以前襲ってきた豹がこっちに向かってくるのが見えた。


ひとまずは退散だ。


はー、まったく寿命が縮んだ思いだ。全力で逃げたせいで乱れた息を整える。

背中に乗っていた鳥は悠々としている。

「あそこって長い間いても気分が悪くなるし、魔物はあんまり寄り付かないけど、物好きな魔物がたまに

来るんだよねー」

「そういう大事なことは先に言って欲しいんだけど。それよりも次の話。私の種族のこと教えてよ」

私の親ってかなり強そうだったし。私もいつかはあんな風になれるのかな、なんて期待しながら答えを待つ。

「ああ。君の種族はマーナガルムって言う。かなり上位の種族さ。でも、最初はとっても弱いんだよね」

そう言って私の尻尾に視線を向けてきた。

「君、一尾だろ。最終的には九尾にまでなるんだけど、そこまでが長いんだ。おかげで成体はここだと2体しかいなかったはずだ」

舞い上がった気分が一気に地に落ちた。あと8……。気が遠くなる。


「……もう寝る。今までありがとう。じゃあね」

未だに気分が悪い身体を引きずりつつ、私は鳥と別れた。








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