EPISODE5-10【棄てられた研究所】
クロノレイトは仲間たち全員を見渡し、揺るぎない決意を込めて告げる。
「まずは関係施設の調査から始めよう。ノアザミの動き、ストレンジの計画、衆生解放戦線の儀式——それら全ての糸口が、関連施設の記録や痕跡に隠されているはずだ。手がかりを掴まなければ、闇の全貌を知ることも、対策を立てることもできない」リジェは即座に応じ、瞳に鋭い光を宿す。
「そうね。行き当たりばったりじゃ、いくら時間があっても足りない。まずは紫影の研究棟、それにストレンジ関連の拠点——アンタたちが以前行った場所から、順に確認していくのが一番確実だわ」シャウトも力強く頷く。
「俺は施設の構造や警備の配置なら、ある程度予測できる。先陣を切って安全を確認する。みんなが安心して調査できるようにする」ノバラは静かに情報を整理しながら言葉を添える。
「アザミ様… 以前の記憶や、ストレンジでの連絡網から、いくつかの拠点の位置は把握しています。向かうべき場所のリストは用意できます。ただ——」彼女は言葉を濁し、不安そうに視線を落とす。
「たぶん、そのほとんどが… もぬけの殻になっていると思われます。計画が進行するにつれて、証拠となるものはすべて処分され、移動させられている可能性が高いのです」アネモネはその言葉を受け、頷きながら補足する。
「そうね。リュウゼツランもマズミも、証拠を残すような真似はしない。だけど完全に痕跡を消し去ることもできない。何か小さな手がかり、記録の断片、符号、データの欠片——そういうものがきっとどこかに残っているはず。根気よく探せば、必ず何かが見つかるわ」アザミは漆黒の衣を風になびかせ、低く呟く。
「俺がいた頃から、計画が進むごとに施設は移転を繰り返していた。特に最近は動きが早い。俺たちが向かった時には、もう跡形もなく消えている可能性が高い… だが、行ってみなければ何も分からない。向かうぞ」クロノレイトは全員の決意を受け止め、力強く頷く。
「そうだ。たとえ痕跡が消えていたとしても、そこにあった事実、何が行われていたのか——空間そのものが記憶していることもある。俺の時の力、星玲奈の絆の力、みんなの力を合わせれば、消された真実を読み取ることもできるはずだ」星玲奈は蒼銀の瞳を輝かせ、仲間たちに力強く呼びかける。
「行こう。一つ一つ確かめながら。たとえ研究所が消えていても、私たちの絆と探求の心が消えることはない。必ず真実を見つけ出して、闇の計画を阻止する手がかりを掴もう」こうして——調査隊は最初の標的、紫影の研究棟へと向かう! 果たして施設は無事なのか、それとも既に消え去っているのか!? 残されたわずかな手がかりから、彼らは何を読み取るのか!? 物語は謎と真実を求めて新たな一歩を踏み出す——!」その瞬間——クロノレイトの全身を柔らかな黄金の光が包み込み、ゆっくりと姿が変化していく。輪郭はそのままに、すらりとしたヒューマノイドの体つきは保たれたまま——両耳のあたりに、濃く美しい獣の耳がふわりと現れた。漆黒に近い濃茶の毛並みが風にそよぎ、先端へ向かってすっと鋭く尖り、内側は柔らかな淡い色に輝いている。耳は小刻みに動き、周囲の音を拾うように、そして彼の心の動きに応じてそっと傾いたり立ったりする。
「これは…」クロノレイトは自分の耳にそっと手を触れ、その感触に思わず目を見開く。温かく、そして生き生きとした命の鼓動が指先に伝わってくる。
「ジョースターの力が完全に目覚めた証拠なのか… 俺のルーツ、血脈に刻まれた姿が、今現れたんだな」星玲奈は瞳を輝かせ、その姿を愛おしそうに見つめる。
「素敵… とてもお似合いだよ、クロノレイト。あなたの中に眠っていた本来の姿が、今輝き出したんだね。その耳は、あなたの優しさと強さを表しているみたい…」アザミも思わず見とれるように呟く。
「力が姿にまで現れたか… それだけ二つの力が溶け合っている証拠だ。その姿なら、きっと今まで以上に多くのものを感じ取れるはずだ」リジェ、シャウト、ノバラ、アネモネもそれぞれに、新たな姿のクロノレイトを見つめ、力強く頷く。
「カッコいいじゃない!」
「その姿で先陣を切る姿、見守ってるぞ」
「クロノレイト様らしいです」
「絶対的な力と優しさ、両方宿ってるね」クロノレイトは皆の言葉に応えるように、そっと耳を立てて微笑む。
「ありがとう。これが俺の新しい姿… この耳で、仲間の声、世界の声、そして闇の声さえも聴き分け、真実を掴む。行こう、みんな。俺の新しい力で、必ず道を切り開く」こうして——獣耳を纏い、真の姿へと変貌を遂げたクロノレイト! ジョースターの血が示す本来の姿が、今ここに現れた! 新たな力と姿を携え、彼らはいよいよ消えた研究所の謎へと踏み込む——!木々が生い茂り、かつての施設の痕跡が緑に覆われた場所——一行は廃研究所へとたどり着いた。外壁はひび割れ、窓ガラスは砕け落ち、入口の扉は半分開いたまま錆びついている。まるで長い間誰も近づかなかったかのように静まり返り、風が壁の隙間をすり抜ける音だけが響いている。クロノレイトは新たに現れた獣耳をそっと立て、周囲の気配を鋭く察知する。
「…だが、朽ちているだけじゃない。何かが急いで撤収したような痕跡がある。最近まで人の気配があったのが分かる」星玲奈は蒼銀の瞳を細め、建物の状態を確かめるように囁く。
「そうだね、クロノレイト。機材の跡や配線の切断痕が新しい。完全に捨てられたわけじゃなく、証拠を隠すように持ち去られたみたい…」アザミは前に進み、かつて自分がいた場所を確かめるように視線を巡らせる。
「ここは… 俺が関わっていた施設の一つだ。だが俺がいた頃とは様子が違う。必要なデータも設備も、根こそぎ持ち出されている」リジェは即座に方針を示す。
「とにかく中に入ろう。何も残っていないように見えても、手がかりは必ずどこかに隠れているはずだ」シャウトは先頭に立ち、扉を支えながら安全を確保する。
「俺が先に入る。警戒しながら進もう」ノバラは記憶を手繰りながらつぶやく。
「地下にデータ保管室があったはずです。もし何かが残っているとしたら…」アネモネは静かに周囲の気配を探りながら応じる。
「急ごう。誰かが戻ってくる可能性もあるわ」一行は互いに頷き合い、崩れかけた扉の奥へと足を踏み入れる。薄暗い通路には機械の残骸や書類の破片が散らばり、撤収の慌ただしさがそのまま残されている。果たして、この廃墟に真実へ続く手がかりは残っているのか——?こうして——証拠が持ち去られた廃研究所に潜入! 慌ただしい撤収の痕跡が示すものとは!? 残されたわずかな手がかりから、彼らは何を掴むのか!? 物語は真実へと一歩近づく——!薄暗い階段を地下へと下りていく——すると、奥の部屋にだけ、他の場所とは違って書棚や端末がそのまま残されているのが見えてきた。
「あれは…!」
クロノレイトは獣耳をピンと立て、一歩踏み出す。その棚に並んでいたのは、他の書類とは明らかに異なる表紙——ヒュージノイドに関する研究データのファイル群だった。
アザミは駆け寄り、一番上の冊子を手に取る。表紙をめくると、そこには詳細な実験記録、因子の組み合わせ、変異の経過、そして「ゾンビ化」に関する記述までが克明に書かれている。
「これは… 俺がいた時にはなかったデータだ。ヒュージノイドをさらに変質させ、自我を奪い従わせる方法まで研究していたなんて…」
リジェは記述を目で追い、顔を曇らせる。
「つまり、ヒュージノイドをただの兵士にするだけじゃなく、死体さえも蘇らせて戦力にする計画が進行していたってことね。しかも、その技術はすでに実行段階に入っている…」星玲奈は蒼銀の瞳を震わせ、データの一節を指さす。
「見て… 『ア・バオア・クーとの連携により量産体制を確立』って書いてある。ノアザミが既に動き出しているのは、このデータが完成したからなのね…」ノバラは静かに別のファイルを開き、声を落とす。
「元となる素体は、クリプトンやクラリトンの生体因子を移植された者たちから選ばれているようです。…無関係の人々が、次々と実験の対象にされていたなんて…」アネモネはデータの末尾に記された日付を確認し、厳しい表情になる。
「最新の更新はつい最近… 施設を撤収する直前まで作業が続けられていた。そして、一部のデータはすでにノアザミのもとに渡っている可能性が高いわ」シャウトは拳を握りしめ、決意を込めて言う。
「今すぐ止めなければ、この技術で多くの命が奪われ、操られる。一刻も早くノアザミのもとへ向かう必要がある」クロノレイトはデータを胸に抱きしめ、獣耳を強く立てて告げる。
「これが真実だ。ヒュージノイド・ゾンビ計画——俺たちが止めなければ、世界中が闇に飲まれる。行こう。このデータを持って、みんなでノアザミを止めに行く!」こうして——ヒュージノイドをゾンビ化させる計画の全貌が明らかに! ア・バオア・クーとの連携、量産体制、そして既に進行中の脅威——一行は最前線へと急ぐ! 果たして間に合うのか!? 物語は緊迫の最終局面へ突入する——!廃研究所の天井裏、影に潜むように佇むア・バオア・クー——彼はクロノレイトたちの一挙手一投足を冷ややかな瞳で見守り、低く呟いた。
「アヤツ、クロノの系譜に連なったか… だがただ連なるわけじゃない。アヤツは将来、主神域に到達する——」その声は空気に溶けるように響き、誰にも届くことはない。彼はクロノレイトの獣耳、その全身に宿り始めた力の輝きをじっと捉え続ける。
「ジョースターの血とクロノの時の力、二つが融合したその先にあるもの… それは単なる力の増幅ではない。次元を超え、神々の領域へと至る道なのだ。今はまだ萌芽に過ぎないが、成長すればこの世界の法則そのものに干渉しかねない——」ア・バオア・クーは唇を歪め、笑みとも侮りともつかぬ表情を浮かべる。
「だからこそ、早めに手を打つ必要がある。ノアザミの暴走も、ヒュージノイド・ゾンビの量産も、すべてはこの男が完全に覚醒する前に世界の均衡を崩すための布石に過ぎない…」
彼は静かに姿を消しながら、最後に低く囁く。
「さあ、どう動くか。私の計画の邪魔をするなら——その力、利用するにはちょうどいい」こうして——ア・バオア・クーがクロノレイトの真の可能性を知り、独自の思惑を巡らせる! 「主神域」とは何なのか!? 彼は敵なのか、それとも別の目的があるのか!? 物語にさらなる謎と陰りが——!




