EPISODE4-5【新たな加入者など】
デート旅行が終わり、それぞれの地で思い出と手応えを胸に、クロノギアのメンバー全員が事務所に戻ってきた。ドアを開けた瞬間、室内には見知らぬ二人の姿が——。レイトキが一歩前に出て問いかける。
「お前たちは…?」少年がまっすぐに応える。
「ボク達もクロノギアに入ることになる。ちなみに僕、ゼクスこと陸郎は、迦楼羅とブラックケルベロスを入れられた混因人だ」続いて少女・那奈——ズィーベンがはっきりと告げる。
「アーシは水竜とサラマンダーの因子を入れられた混因人だよ」一同は驚きつつも、二人の纏う力強い気配に頷く。
「迦楼羅にブラックケルベロス…。火と神話の獣、そして闇の番人か」レイトキは真剣な面持ちで受け止める。
「水竜とサラマンダーは水と火の力…。相反する二つを併せ持つとは、並大抵じゃないな」星玲奈は柔らかく笑みを浮かべ、二人を迎え入れる。
「はじめまして。私は星玲奈。せっかく来てくれたんだから、安心して。ここはみんなで助け合う場所だよ」マレトキも頷き、言葉を添える。
「混因人同士、力を合わせれば心強い。よろしくな」陸郎は少し緊張しながらも、瞳を輝かせる。
「ありがとうございます! ボク、全力で頑張ります! 迦楼羅の飛翔する力、ケルベロスの守りの力、どちらも皆のために使います!」那奈は凛とした態度で続ける。
「水と火、相反する力だけど、制御できるようになってきたの。二人の力で、少しでも役に立ちたい。よろしくお願いします」レイトキは大きく手を広げ、新たな仲間を歓迎する。
「よし! 二人の入隊を認める! これでクロノギアはますます強くなる! 共に世界を、未来を守るために戦ってくれ! よろしくな、陸郎、那奈!」
「「はい! よろしくお願いします!」」こうして——水と火、神話と獣の力を持つ新たな二人がクロノギアに加わった! 戦いは激化し、敵の手強さも増す中、それぞれの想いを背負った仲間が集い、物語は新たな幕開けを迎える——!ストレンジ本拠地・執務室。重苦しい空気の中、幹部の前にフィーア、ドライ、フュンフ、ツヴァイの4人が整列している。椅子から指揮官が冷ややかな視線を向け、低く鋭く問い詰める。
「んで、お前ら、何も成果も得ずノコノコ戻ってきたのか?」室内の空気が一気に張り詰める。4人は一斉に頭を下げ、報告を始める。最初にツヴァイが前に出る。
「申し訳ありません。ジョーカー=レイトキと交戦しました。だが——彼はクロノ神の力を真に覚醒させており、時空の束縛すら受け付けませんでした。新たな聖遺物も手に入れ、力が大幅に上昇しています。撤退する以外、選択肢はありませんでした」続いてフィーアが報告する。
「龍の因子を持つ個体——カグラはブルタニアにて守護の力をそして正規品エルフも同様、自らの力の本質を理解し始めました。私の干渉は彼らの結束を強める結果となり、奪うべきものは何も得られませんでした」
ドライは拳を握りしめ、悔しそうに告げる。
「日本では与太郎と斗愛が古の地の力を受け継ぎ、ヒュージノイドとしての能力を安定させていました。地脈の加護もあり、私の攻撃は届きませんでした」最後にフュンフが静かに報告する。
「聖書と方舟の歯車——アステリア合衆国のゼロとアルカは、星の記憶と聖なる文書に接触し、聖櫃の秘密の一端を解き明かしています。彼らの前には私の力は無効でした。全て、失敗です」指揮官は机を強く叩き、鋭い眼光で4人を射抜く。
「全員が失敗か!? 相手はただの新人たちではない、ということか。だが——クロノギアが各地で聖遺物と神話の力を回収しているのも事実。このまま放っておけば、我々の計画そのものが崩れる」ツヴァイは顔を上げ、決意を込めて言う。
「次は…必ずやり遂げます。彼らの力が増す今、我々も真の力を解放する時が来たのかもしれません」指揮官は深くため息をつき、厳しく指示を出す。
「次は万全を期せ。今回の失敗を教訓に、それぞれの任務を再調整せよ。クロノギアが一つにまとまる前に、個々を確実に仕留める——。いいな、次はない!」
「「「「了解!」」」」こうして——ストレンジ精鋭4人全員が任務に失敗。クロノギアの成長と聖遺物の獲得が明らかになり、敵の警戒心は一気に最高潮に達する。次の戦いは、これまで以上に苛烈なものになる——執務室を出たツヴァイは、廊下の壁に拳を叩きつけんばかりに苛立ちをぶつけ、吐き捨てるように言う。
「現場にも赴かずただ指示出しのやつが偉そうに! どうせ、俺たちのことを大切に思ってないんだろう」フィーアがその肩に手を置き、沈んだ声で呼びかける。
「ツヴァイ…」ドライも深刻な面持ちで状況の壁を口にする。
「だけど、どうします? 抜けるにしても位置特定カードがあるしな」フュンフは静かに核心を突く選択肢を提示する。
「ジョーカー達のところに行くのか」ツヴァイは苛立ちを抑えきれず、歩き回りながらも思考を巡らせる。
「クロノ神とウロボロスの因子を与えられ、任務のためだけに育てられた俺たち…。だが、レイトキたちは同じような力を持ちながら、互いを信じ、守り合っていた。あれを見て、俺は…」フィーアは頷き、自分の想いを口にする。
「私も同じだ。カグラとデュークが、互いを補い、支え合う姿を見て、自分が何のために戦っているのか分からなくなった。上層部はただ『力を奪え』と言うだけ…。それだけなの?」 ドライも覚悟を決めたように言う。
「位置特定カード…。だが、クロノギアの技術なら、無効化する方法があるかもしれない。奴らはそういうことにも長けてる。俺は…ジョーカーたちに話を聞いてみたい。俺たちが本当は何者なのか、何のために存在するのか」フュンフは最後に、その選択の重さを告げる。
「クロノギアに身を寄せるということは、ストレンジを完全に敵に回すということ。それでもいいのか?」
ツヴァイは一度大きく息を吐き、瞳に決意の光を宿す。
「ああ。今のままでは、何も変わらない。俺たちの命も、力も、全部が誰かの道具のままだ。レイトキ…ジョーカーに会いに行く。そして、俺たちの進むべき道を、自分の目で確かめる!」
「「「了解。それで共に行く」」」こうして——ストレンジ精鋭4人が、組織に疑問を抱き、クロノギアへの合流を決意! 位置特定の脅威を抱えながらも、自らの真の在り処を求めて動き出す。新たな仲間、そして敵からの転身——物語はさらに大きく動き始める!クロノギア本部の扉が静かに開き、姿を現したのはフィーア、ドライ、ツヴァイ、フュンフ——ストレンジの精鋭“正規品”4体その人たちだ。
事務所の空気が一瞬で張り詰め、全員が一斉に身構える。レイトキは一歩前に出て、警戒を緩めずに告げる。
「アイツラ…、何か企んでる可能性があるな」ツヴァイは手を挙げ、武器を持っていないことを示し、低くはっきりと言う。
「攻撃するために来たんじゃない。話があって来た。俺たちは——ストレンジを抜ける。そして、ここに身を寄せたい」一同は驚き、互いに顔を見合わせる。星玲奈は冷静に状況を見極めながら問う。
「それは本気なの? それとも何かの罠…?」フィーアが真剣な面持ちで応える。
「罠じゃない。私たちは任務のためだけの道具じゃない。レイトキたちが各地で見せた、互いを信じ、守り合う姿を見て、自分たちが何のために戦っているのか分からなくなった。上層部は俺たちのことをただの因子の入れ物としか見ていない。それが分かった今、もう従う理由はない」ドライが補足する。
「だが、問題がある。ストレンジには位置特定カードがある。俺たちがどこにいても追跡される可能性がある。だからこそ、君たちの力が必要なんだ。その技術で無効化できないだろうか?」フュンフは最後に、その覚悟を示す。
「リスクは承知の上だ。君たちが俺たちを信用できないのも当然。それでも、俺たちは自分自身の意志で、自分たちの未来を探したい。そのために、力を貸してほしい」レイトキは4人の瞳の奥にある真剣さを読み取り、拳を握りしめて告げる。
「企んでるだけなら、ここまで真剣な目はしてないな…。信用するのは、それからでもいい。だが、俺は受け入れる! 誰だって、自分の居場所を探す権利はある!」星玲奈も頷き、4人に向けて手を差し伸べる。
「レイがそう言うなら。ただし、最初は監視付き、条件付きよ。それでもいいなら、ここにいていいわ。位置特定カードの無効化は、私たちの技術班と相談して何とかする」マレトキも前に出て言う。
「俺も賛成だ。俺だって、元は敵側から来た身だ。誰だって、心から望むなら、生き方を変えていいはずだ」ツヴァイを筆頭に4人は、その言葉に思わず目を潤ませ、一斉に頭を下げる。
「「「「ありがとうございます! 必ず、この決断が間違いじゃなかったと証明します!」」」」こうして——ストレンジの精鋭4人が、クロノギアへと合流! 敵からの転身、そして新たな仲間たち。だが位置特定の脅威は消えず、ストレンジの追跡は必至——! 物語は、共闘の新たな幕開けを迎える!扉が開き、キキョウが現れると、事務所の空気が一層引き締まる。彼女は状況を一目で把握し、はっきりと告げる。
「それじゃ、この四人の位置特定カードはレイトキが因子の力でどうにかできるからよしとする。まずは手続きだな、空き物件がないしな」星玲奈が前に出て、穏やかだが確信を込めて提案する。
「私達の元々の家は手放そうと思います。このマタラ支部ことクロノギア本部を住処にするつもりです」レイトキは頷き、その意見を強く支持する。
「それが一番だ! ここなら広いし、施設も充実してる。いざという時も安心だ!」キキョウは腕を組み、状況を整理するように言う。
「なるほど。拠点兼住居というわけか。それなら手続き上も問題ない。施設の利用権は既に君たちのものだ。居住届けを出すだけで済む」
マレトキも続ける。
「施設内には寝室も複数あるし、増設も可能だ。みんなで手分けして部屋を整えれば、すぐに住めるようになる」フィーア、ドライ、ツヴァイ、フュンフの4人は、自分たちのためにここまで話し合ってくれる姿に、心からの安堵と感謝を覚える。ツヴァイは深く頭を下げる。
「ここまで受け入れてもらえるなんて…。本当にありがとうございます。俺たち、この場所を守るためなら、命を懸けても構いません」星玲奈は柔らかく微笑み、4人に告げる。
「命なんて懸けなくてもいい。ただ、ここを自分の居場所だと思って、過ごしてくれればそれでいいわ。さあ、みんなで新しい生活、始めましょう」
レイトキは大きく手を広げ、宣言する。
「よし! ここがクロノギアの新しい本拠地、そしてみんなの家だ! これからは、一緒に暮らし、一緒に戦い、一緒に未来を作っていく! よろしくな、みんな!」こうして——マタラ支部がクロノギアの新たな本拠地兼住居として正式に決定! 16人のメンバーが一つ屋根の下、共に暮らし共に戦う日々が始まる! これまで敵同士だった者たちも、今は同じ場所に集い、同じ未来を目指す——!引っ越し作業は手際よく進み、レイトキと星玲奈の家具が次々と新拠点・マタラ支部の各部屋へと運び込まれていく。
「こっちの部屋、日当たりがいいね!」星玲奈は窓辺を見て笑顔になる。
「うん、せーちゃんの部屋はここで、俺の部屋は隣だ。いつでも行き来できるな」レイトキは本棚を据えながら嬉しそうに応える。ベッド、机、椅子、収納棚——二人の大切な家具が、それぞれの部屋に収まっていく。思い出の品々が並ぶと、無機質だった空間が一気に温かみのある部屋に変わっていく。
「これで新しい生活の始まりだね」星玲奈はお気に入りの星のライトを飾り、瞳を輝かせる。
「ああ。ここが俺たちの新しい家だ。みんなで一緒に、この場所をもっと素敵にしていこう」レイトキは胸元の聖十字架を軽く押さえ、新たな決意を込める。この場所は単なる拠点ではなく、仲間と共に未来を築く、かけがえのない居場所なのだから。こうして——レイトキと星玲奈の家具が無事に運び込まれ、二人の部屋が完成! クロノギア全員の新しい暮らしが、いよいよ本格的にスタートする!リジェ、シャウト、マレトキ、久美子の四人が顔を見合わせ、はっきりと口々に言う。
「自分たちは引っ越し作業はしなくていいな、そして、四人の正規品組は家具を買ってもらえばいいし、星玲奈さんがもともと使ってた家を使えばいいし」その言葉に一同は納得し、作業の段取りが一気に整理される。リジェは手を打って言う。
「そうだよね! 私たちは元からこの辺りに住んでたし、荷物だけ運べば済むから、引っ越し作業は最小限で大丈夫!」シャウトも頷く。
「新しく来た四人の部屋を先に整えるのが先だな!」マレトキは続けて提案する。
「星玲奈さんが手放す元の家の家具、まだ使えるものがたくさんある。それを四人の部屋に活用すれば、新しく全部買い揃える必要もないし、手間も費用も抑えられる」久美子も補足する。
「不足した分だけ、みんなで選んで買いに行けばいいよね。自分たちの気に入ったものを置けば、それだけで自分の部屋って感じになるし」フィーア、ドライ、ツヴァイ、フュンフの四人は、自分たちのためにここまで考えてもらえるとは思っていなかったのか、驚きと共に胸がいっぱいになる。ツヴァイは深く頭を下げる。
「…ありがとうございます。こんなに気を遣ってもらえるなんて。俺たちのためにそこまで…」星玲奈は柔らかく微笑んで言う。
「当たり前のことだよ。これからはみんな仲間なんだから。私の元家に置いてきてる家具、まだまだ使えるものばかりだから、遠慮なく使ってね。気に入らないものがあったら、新しいのを買えばいいんだし」レイトキも大きく手を広げて宣言する。
「よし! じゃあ段取りはこれで決まり! まずは星玲奈の家の家具を運び込んで、四人の部屋の基礎を作る! 不足分はみんなで買い出しに行こう! みんなで作る新しい家、最高の場所にしような!」
「「「「はい!」」」」こうして——引っ越し計画がスムーズに決定! 元の家の家具を活用し、必要なものを買い足しながら、新たな仲間たちの部屋も整えていく。クロノギア全員で作り上げる、温かな共同生活の始まりだ。ストレンジ本拠地・指令室。モニターの並ぶ画面から、四つの追跡信号が突然消えたことにリュウゼツランは眉を吊り上げ、テーブルを叩くように告げる。
「正規品四体の追跡反応が消えた、アイツラまで」室内の空気が一気に凍りつく。スクリーンには、先ほどまで鮮明に表示されていたフィーア、ドライ、ツヴァイ、フュンフの位置マーカーが、一斉にグレーアウトし、ただの無表示エリアに変わっている。
「なんだと…!?」側近の幹部が声を上げる。
「位置特定カードは特殊な暗号で追跡しているはずだ。それが突然消えるなんて——まさか、クロノギアの手で無効化されたのか?」リュウゼツランは苛立ちを抑えきれず、モニターを睨みつける。
「そうとしか考えられない。任務に失敗した挙句、自ら信号を遮断した——つまり、アイツラは組織を離脱し、クロノギア側に寝返ったということだ」
「五大大幹部の下でも精鋭とされた正規品四体が、一斉に…」別の幹部が青ざめる。
「これは戦力の大幅な損失です。クロノギアは聖遺物も手に入れ、さらに我々の精鋭までをも味方につけた。このままでは計画そのものが…」リュウゼツランは鋭く言い放ち、沈黙を破る。
「黙れ! 慌てるな。だが——これは看過できない事態だ。クロノギアが我々の技術を解析し、無効化する手段を持ったという証拠でもある。今後は、どんな追跡も通用しないと考えろ」彼は指を鳴らし、指令を下す。
「捜索部隊を出せ。だが——くれぐれも、相手の力量を見誤るな。レイトキ、そして裏切った四体…いずれも手強い。迂闊に手を出せば、こちらの損害は計り知れない。様子を見ろ、機を待て」
「「「了解…」」」こうして——ストレンジに衝撃が走る! 精鋭4人の離反と追跡技術の無効化、クロノギアの急成長——状況は敵にとって最悪の方向へと傾き始めた。一方、クロノギアは新たな仲間を迎え、技術力も結束も一段と強固になり、いよいよ反撃の態勢を整えるのだった!指令室の重い空気の中、ユーカリが一歩前に出て、はっきりと告げる。
「今回の失敗は指揮官に問題ありだよ。現場にも出ないでただあれしろこれしろと命令だけを下す、そんなことしたら不信感抱くのも無理ない」
その言葉は、室内の沈黙を切り裂くように響く。周囲の幹部たちも、思わず顔を上げ、彼女の言葉に耳を傾ける。ユーカリは続け、核心をさらに突く。
「任務が失敗したのは、彼らの力が足りなかったからじゃない。現場の状況も見ず、状況の変化にも対応せず、ただ結果だけを求め続けたからだ。それでは、誰だって心は離れる。不信感が募り、やがては裏切る者まで出てくる——今回の正規品四体の離反は、その当然の結果だと私は思う」
リュウゼツランは眉をひそめ、反論しようとするが、ユーカリはそれを遮るように言葉を重ねる。
「現場の者たちは、自分たちが何のために戦っているのか、誰のために力を尽くしているのか、それを感じられなくなった時、初めて他の道を探すんだ。クロノギアが彼らを受け入れたのは、彼らに『居場所』と『仲間』を与えたから。それがどれほど大事なことか、上に立つ者が理解していなかったら、この組織はいずれ瓦解するわ」アザミや他の幹部たちも、ユーカリの言葉に頷き始める。誰もが心の中で感じていたが、口に出せなかった真実——それが今、明らかになった瞬間だ。
「だからこそ、このままではダメなんだ」ユーカリは厳しい瞳で一同を見据える。
「指揮系統そのものを見直さなければ、次々と人は去り、最後には何も残らない。今回の失敗を、ただの裏切りとして片付けるのではなく、自分たちの在り方を問い直す時なのよ」こうして——ストレンジ内部で、指揮体制そのものへの批判が噴出! ユーカリの直言は、組織の根本的な歪みを浮き彫りにし、内部分裂の兆候を鮮明にする。クロノギアの成長と結束とは対照的に、ストレンジは自らの在り方を揺るがす大きな岐路に立たされている——!ユーカリは言葉を続け、本心を仄めかすようにはっきりと告げる。
「確かにワタシもリュウゼツランのやり方すべてについていけない。だからといって今組織が壊れるのは痛いんだよね、まだ利用したいから」その言葉に、室内の空気はさらに複雑な色に染まる。批判しつつも組織の崩壊は望まない——彼女の真の狙いが透けて見える瞬間だ。リュウゼツランは険しい表情のまま、ユーカリを睨む。
「…利用、だと? 随分と都合のいい言い分だな。だが——俺も今、組織が崩れるのは困る。クロノギアがここまで勢力を拡大した今、内部で揉めている場合じゃない」ユーカリは肩を竦め、平然と告げる。
「当たり前でしょ。この組織にはまだ資源も技術も人材も、使えるものがたくさんある。それを自ら壊すなんて愚かなことはしない。ただ——やり方を変えなければ、次は本当に何も残らなくなる。それだけは言っておく」周囲の幹部たちは、ユーカリの言葉の裏にある打算と危機意識を感じ取り、互いに視線を交わす。批判はしても離反はせず、組織を「利用する」——それが彼女の立場だ。リュウゼツランは苛立ちを抑え、渋々ながら状況を認める。
「…分かった。今すぐどうこうするわけじゃない。だが、今回の件は教訓とする。現場の声も聞く。それでいいだろ? それよりも、クロノギアの動きを封じることが先決だ」ユーカリは薄く笑みを浮かべ、最後に一言。
「それで十分よ。さあ、彼らが次に何をするのか——見極めましょう」こうして——ストレンジ内部の亀裂は表面的に抑えられたものの、根本的な溝は深まるばかり。 互いに利用し合い、牽制し合う関係の中、組織は依然として脆い均衡の上に立っている。一方、クロノギアは新たな仲間と共に、着実に未来への道を歩み始めている——!レイトキが手にした石板の記述が更新され、その文字を読み上げるように告げる。
「そして、新たな歯車が出現したな、因果の歯車か。今は時空の歯車と一緒にいる模様だな。歯車は全部で19だ。望星と変異は一つの器に宿ってるため、それで1カウントと数える」一同は数字を確認し、改めてその全貌の複雑さに驚く。
「19…! これまで聞いていた数よりもずっと多い」星玲奈は手帳に記しながら頷く。
「望星と変異が融合して1つ——それが本来の在り方なのね。そして新たに因果の歯車が加わり、時空の歯車と共に在るということは…」レイトキは胸元の聖十字架を押さえ、核心を捉える。
「時空があり、そこに因果が絡む——つまり、この二つが揃うことで、過去・現在・未来の流れそのものが動き出すってことか。歯車たちは単独で存在するんじゃなく、互いに影響し合い、連鎖してるんだな」マレトキも真剣な面持ちで言う。
「20の歯車がそれぞれ役割を持ち、組み合わさって世界の仕組みを成している…。その全貌が見え始めた今、我々は一つひとつの意味を確かめ、確実に保護していかなければならない」フィーアも静かに補足する。
「因果の歯車…。何が原因で何が結果か——それを定める存在。それが時空の歯車と共にあるということは、この二つが全ての歯車の中心軸になる可能性が高い。敵も当然、その存在を狙ってくるはずだ」レイトキは決意を込めて拳を握る。
「ならば尚更だ。俺たちは全ての歯車を、そしてそれを持つ者たちを守る。因果がどうであれ、俺たちの未来は俺たち自身の手で選ぶ!」こうして——歯車の総数は20、そして新たに因果の歯車が時空の歯車と共に出現! 歯車同士の関連性と全体像が明らかになり、物語は世界の根幹を握る歯車たちを巡る戦いへとさらに深まっていく——!どこか落ち着いた雰囲気の場所で、アルビテトとジークが向かい合っている。アルビテトは珍しいとばかりに首を傾げ、穏やかに声をかける。
「珍しいね、アンタが呼び出すなんて」ジークは深くため息をつき、率直な想いを口にする。
「俺さぁ〜、よく考えたけどさ、正直言って歯車とかそんな役割どうだっていいんだよ。誰かに譲れるなら譲りたいんだよな、処罰の歯車の役割を」アルビテトはその言葉に驚き、思わず身を乗り出す。
「譲りたい…? 処罰の歯車は、秩序と裁きを司る重要な役割だ。それをどうして?」ジークは自嘲するように笑い、続ける。
「だからさ、俺には重すぎるんだよ。誰かを裁くなんて、正しいとか悪いとか決めつけるなんて、俺にはできない。それに、そんなことしてたら、いつか自分自身も苦しむ気がするんだ。誰かを罰する力なんて、俺は持ちたくないんだ」
アルビテトは彼の本心を受け止め、静かに頷く。
「そうか…。アンタはそう思ってたんだな。力や役割に縛られることなく、自分らしく生きたいってことだね。だけど、それを受け入れてくれる人がいるか、そして歯車の意志がどう判断するか——簡単じゃないと思うよ」
「それでもいい」ジークは真っ直ぐな瞳で答える。「自分の心に嘘をついて、嫌々役割を背負うよりはずっといい。誰かに譲るにしても、それができないにしても、まずは自分の気持ちを伝えたかったんだ。アルビテト、話を聞いてくれてありがとう」アルビテトは柔らかく微笑み、手を差し伸べる。
「アンタの気持ち、ちゃんと受け取った。一人で悩まないで、みんなにも相談してみなよ。きっと力になってくれるはずだから」こうして——処罰の歯車・ジークが、役割を手放したいという本心を明かす! 歯車の宿命と個人の想いが対立する中、彼の選択はどうなるのか? 新たな試練が始まる——!ジークは真剣な眼差しのまま、はっきりと告げる。
「相談したとしてもさぁー、歯車ってのは宿る器を選ぶ! 多分だがもう時期俺からは離れるよ、恐らくだが次に宿るはお前だ!」アルビテトは予想外の言葉に驚き、目を見開いて声を上げる。
「えっ!? 私?」ジークは頷き、その理由を紡ぐ。
「ああ。俺はずっと感じてたんだ。処罰の歯車が俺の中で、次第にお前の方へと引かれてるのを。歯車は『正しい裁き』を求めている。それは力や権力じゃない。誰かを想い、誰かのために涙する心——それをお前が持ってるから、歯車はお前を選ぶんだ」アルビテトは自分の胸元に手を当て、動揺を抑えきれない。
「そんな…。私が…。私にはそんな重い役割、務まるのかな…? 誰かを裁くなんて、私には…」
「違うんだ」ジークは静かに首を振る。
「処罰の歯車は『罰する』ためだけのものじゃない。間違いを正し、人々を守り、正しい道へと導くための力でもある。お前なら、それをできる。俺はそう信じてる」アルビテトはジークの真っ直ぐな瞳を見つめ、次第に覚悟が湧き上がる。
「…分かった。今すぐはまだ怖いけど、でも、その時が来たら——私が受け継ぐ。そして、その力を誰かを傷つけるためじゃなく、誰かを守るために使う。約束する」ジークは安堵の笑みを浮かべ、肩の荷が下りたように息を吐く。
「ありがとう。これでやっと、心から笑える日が来る。俺は俺の道を行く。歯車のこと、頼んだぞ」こうして——処罰の歯車が、ジークからアルビテトへと受け継がれることが決定! 歯車は自ら宿る者を選び、そして新たな持ち主のもとで、その真の力を発揮する時を待つ——!ジークの胸元から淡く輝いていた処罰の歯車が、ゆっくりと光の粒となって浮かび上がり、アルビテトの前へとゆっくりと移動していく。
「いくよ…」ジークが最後にそう囁くと、その光はアルビテトの胸元へと吸い込まれるように収まり、静かに輝きを落ち着かせた。アルビテトはその瞬間、全身に清らかでありながら厳かな力が流れ込んでくるのを感じ、思わず胸に手を当てる。
「…これが、処罰の歯車…。私の中に、ちゃんと在る…」ジークは肩の力が抜けたように、穏やかな笑顔を浮かべる。
「おめでとう。これで俺も自由になれる。でも、その力を悪用しちゃダメだよ。誰かを裁くんじゃなく、誰もが正しく在れるように、そっと導いてやるんだ」
「うん、分かった」アルビテトは真剣な瞳で頷き、胸元の輝きを確かめるように手を添える。
「私が守る。この力を、誰かを傷つけるためじゃなく、みんなの未来のために使う。それが、ジークが繋いでくれた想いだから」こうして——処罰の歯車は正式にジークからアルビテトへと受け継がれた! 歯車は新たな器のもとで、その本来の意味と力を取り戻し、物語の未来を静かに紡ぎ始める——。レイトキは胸元の聖十字架と記録石板が同時に反応するのを感じ取り、はっきりと告げる。
「歯車の器に変動がある、処罰と審判がアルに宿ってる」その言葉に、一同は一斉に驚き、情報を確認し合う。
「処罰だけじゃなく、審判も…?」星玲奈は手帳を開き、記述を追いながら確かめる。
「二つの歯車が同時にアルビテトのもとへ集まったということね。これはただの受け継ぎじゃないわ。歯車同士が自ら、同じ器を選んだのよ」マレトキは頷き、その意味を噛み締める。
「処罰と審判——裁きと判断、表裏一体の役割だ。その二つが揃うということは、アルビテトがこれから、物事の善悪を見極め、正しい道を示す存在になるということか」レイトキは力強く決意を込める。
「アルなら大丈夫だ。誰よりも優しく、誰よりも真剣に人のことを想うアルだからこそ、二つの歯車が選んだんだ。俺はそう信じてる。だからこそ、その重さに押しつぶされないよう、俺たちも全力で支えていかなきゃならない」フィーアも静かに同意を示す。
「裁きの力は冷たく、独りで抱えるには重すぎる。だが、彼女には仲間がいる。それが何より心強い」こうして——処罰と審判、二つの歯車がアルビテトに宿ることが確定! 歯車たちは自らの意思で新たな道を選び、物語はさらに大きな節目へと進んでいく——!レイトキは石板の文字を指でなぞり、一つひとつ確認するようにはっきりと読み上げる。
「包括は俺、心臓はクーちゃん、再生はリジェ、聖書はゼロ、箱舟はアルカ、変異と望星はせーちゃん、契約はミトラス、革命はレゾル、夢幻はホワン、創世はエイト、崩壊はカタストロフ、混沌はケイオ、審判と処罰はアル、時空はシオン、因果はコザリテ、秩序はジャンヌ、虚空はヴォイド、修復はリペア、記録はシエラか」一同はその名前を一覧で確認し、歯車全19個の所在と持ち主がついに完全に明らかになったことに、息を呑む。星玲奈は手帳に記しながら頷く。
「これで全部ね。変異と望星、処罰と審判が一つになっているから、数えるとちょうど19で歯車の器は18——全ての歯車の居場所が判明したわ。それぞれがそれぞれの役割を持ち、今は各地に散っているけれど…」マレトキはその並びの意味を噛み締める。
「包括、創世、時空、因果… 世界の根源を成すものから、秩序、審判、心臓といった社会や人の心に関わるものまで、全てが揃った。これらが一つに集まる時、何が起きるのか…」
レイトキは拳を強く握り、決意を込めて告げる。
「一つ一つは重い役割だ。だが、誰一人欠けてもいけない。俺たちは全員で、この歯車たちを守り、そして正しく回していく。誰か一人に負担をかけるんじゃない、みんなで分け合い、支え合って——」
「そうだね」星玲奈が隣で力強く頷く。
「だからこそ、今は離れている者たちとも、いつか必ず一つにならなきゃ。全員が集まった時、本当の物語が動き出すんだと思う」こうして——全19の歯車とその持ち主が完全に確定! それぞれの想いと宿命を背負った者たちは、今はまだ散り散り。だが、いずれ一つに集い、この世界の未来を決める時が来る——!




