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EPISODE6.5-4【キマイラ討伐】

新たな装いが風になびくその時——、クロノが厳かに告げる。

「次は伝説のキマイラ退治だ」その言葉に、クロノレイトは背筋を伸ばす。

「キマイラ……獅子、山羊、蛇——三つの頭を持つという、あの伝説の存在ですか」

「そう」クロノは頷き、行く先を明かす。

「向かうのは神話研究所」

「研究所……?」フェルが耳を立てる。

「神話の存在が、人の手によって管理されている場所なのか」

「うん」クロノの瞳は真剣だ。

「ストレンジ・プレデターや衆生解放戦線が関わる場所——神話の力が研究され、時には生み出されている。キマイラはその最たる例かもしれない」

クロノレイトはシャルウルを握り、新しいマントを強く引き締める。

「分かりました。向かいます。——ユキ、フェル、共に行こう」

「はい!」ユキが尻尾を振る。

「ああ」フェルも瞳に決意を宿して頷く。

「私も力になる。人の手で歪められたものなら、なおさら放っておけない」一行は北の地を後にし、神話研究所へと歩を進める——。こうして——新たな討伐任務! 神話研究所へ! 物語、人工的な脅威との戦いが始まる——!クロノの言葉が転換され——オリンポス、神々の坐すと伝えられる聖なる山へ、行く先が定まった。

「オリンポスに向かおう」澄んだ声が一行の心に響く。神話研究所の先、その根源に関わる場所——かつて神々が集いしという高嶺。

「オリンポス……」クロノレイトはマントを翻し、シャルウルをしっかりと手にする。

「神話の中心たる地——そこにキマイラの秘密が、すべて隠されているのか」

「聖なる山……」フェルは銀白の耳を立て、風の気配を探る。

「人の手が神話にまで踏み込んだというのなら、それだけの大きな歪みがあるはず」ユキも前足を踏み出し、瞳を輝かせる。

「ご主人様、ユキもついていく! どこまでも!」

「ああ、共に行こう」クロノレイトは仲間たちを見回し、頷く。

「真実を確かめ、歪みを正すため——オリンポスの頂を目指す!」遥か彼方、雲の上にそびえる神々の山へ——一歩一歩、登り始める。こうして——目的地はオリンポス! 神話の聖地へ! 物語、最も高き場所を目指す旅——!青空に聳え立つオリンポス——白い雲が纏う山肌には、神聖な光が柔らかく降り注ぎ、まさに神々の住まうにふさわしい厳かな雰囲気が辺り一面に満ちている。だがよく見ると——山の中腹、神々しい景観の一角に、人工的な構造物の輪郭が浮かび上がっている。鋼鉄の壁、発光する窓、周囲の自然とは明らかに異質な直線的な建造物——神話研究所が、聖なる山に佇んでいるのだ。

「あれが……」クロノレイトはシャルウルを強く握り、瞳を細める。

「神話の地に、人の手が作りし施設……」

「聖域に不釣り合いなものがある」フェルは耳を立て、警戒を強める。「神話の力を研究するとは聞いたが、これほど目立つ場所に建てるとは——隠す気がないのか、それとも……」

「大きな力が動いてる証拠だね」ユキも鼻を鳴らし、前足を踏み出す。「でも、ご主人様たちが行けば大丈夫!」

「ああ」クロノレイトは決意を込めて頷く。

「この聖なる地の歪み——正してみせる。行こう」神聖なる山と異質な研究所——二つの姿が同時に見えるその光景を胸に刻み、一行は歩を進める——。こうして——オリンポスの威容! 異質なる研究所! 物語、聖地の秘密へと迫る——!近づき、研究所の真正面を仰ぎ見た瞬間——一行の視線が釘付けになる。建物の壁面、厳かなオリンポスの景観にそぐわぬ一箇所に、くっきりとストレンジ・プレデターのマークが刻まれているのを発見した!

「っ……!」クロノレイトは歯を食いしばり、その紋章を見つめる。

「やはり……土蜘蛛もフェルも、全部ここが関わっていたのか!」フェルの瞳が険しくなる。

「神話研究所というのは名前だけ。実体はストレンジ・プレデターの施設——」

「全部、あいつらが仕組んでたんだね」ユキも唸るように低く鳴く。クロノレイトはシャルウルを強く握り締め、新たなマントを翻して前を向く。

「全ての黒幕が、この中にいる。絶対に暴き出す!」聖なる山に潜む闇——その扉が、今目の前にある。こうして——裏切られた正体! 紋章が示す真実! 物語、核心へと踏み込む時——!長い廊下を進み、扉をくぐったその先——、部屋の奥に佇む姿に一行は息をのむ。


それはまさにキマイラ!


ライオンの頭部が威圧的にこちらを睨み、背にはカラスの翼が広がり、胴体はヤギのもの。前肢はトラ、後肢はヒョウ——そして尻尾はサソリと蛇が二つに分かれ、鋭い牙と毒針を備えている。神話の記述をはるかに超えた、ありとあらゆる猛き獣の特徴を一身に集約させた、まさに人工的な奇跡——そして脅威!


「これが……キマイラ……」


クロノレイトはシャルウルを構え、一歩も退かずに見つめる。

「ストレンジ・プレデターが、神話を素材に創り上げた存在……」フェルは身構え、低く唸る。

「多くの獣の力を一つに無理矢理まとめられた……心が混ざり合い、定まらぬまま暴れているのか」ユキも牙をむき、側面へ回り込む。

「ご主人様、この子、苦しそう……!」キマイラは雄叫びを上げ、翼を羽ばたかせ——各部の獣の本能がばらばらに動き出すように、今にも襲いかかろうとしている。

「心が分裂しているのなら——俺はそれを一つにする!」クロノレイトは前へ踏み出し、声を張り上げる。

「キマイラ! お前は一人じゃない! 俺が受け止める!」こうして——全ての猛き獣を併せ持つ! キマイラ、出現! 物語、心を繋ぐ戦いが始まる——!キマイラが一気に襲いかかる! 獅子の牙が唸り、蛇の尻尾が薙ぎ払われ、サソリの毒針が鋭く迫る! 各部の獣がそれぞれに暴れ、まとまりのない猛攻が渾然一体となって押し寄せる!クロノレイトはシャルウルで防ぎ、躱し、応戦しながら——胸の奥で痛むような思いを噛み締める。

「くっ……!」攻撃の隙間から、キマイラの瞳に映る深い苦しみが見える。幾つもの心が一つの肉体に押し込められ、互いにぶつかり合い、もがき続けている——。

「苦しみから解放するには……コイツを、この肉体から魂を解放するしかない」そう悟った瞬間、胸が締め付けられる。倒すのではなく、救うために——その姿を消さなければならない。

「分かった……! 必ず、安らかにしてやる!」クロノレイトは浄化の光をシャルウルに宿し、真っ直ぐにキマイラを見つめる。

「すぐに楽にしてやる……! もう、争わなくていいんだ!」フェルとユキもその決意を受け止め、静かに頷く——。こうして——苦しむ魂を救うため! 選ばれた決断! 物語、優しき決着の時——!キマイラの猛攻が渦巻く中——フェルが一歩前に出て、大きく息を吸い込む!

「任せて!」清らかな氷ブレスが噴き出し、白く冷たい霧がキマイラの全身を包み込む。翼の羽ばたきが凍り、四肢の動きが鈍り、蛇の尻尾もサソリの針も——一斉に動きが緩やかになっていく!

「グァァ……!」暴れようとしても、関節が凍てつき、体が思うように動かない——。

「今だ、レイト! 動きを封じた!」

フェルが叫ぶと、クロノレイトはシャルウルを高く掲げ、決意を込めて頷く。

「ありがとう、フェル——! 安らかに眠らせてやる!」こうして——氷の息で動きを封じ! 決意の一撃へ繋ぐ! 物語、救済の瞬間が迫る——!凍てついて動きの鈍ったキマイラ——クロノレイトはシャルウルを力強く振りかざし、ライオンの頭部と首の付け根めがけて渾身の一撃を叩き込む!

「っ——!」硬く無理矢理繋がれたその箇所こそ、この肉体の最も脆く、最も痛みの集中する場所——!一撃が的確に届くと、キマイラの体が大きく震え、各部の暴れが一斉に静まり始める。獅子の唸りも、蛇の威嚇も、サソリの針も——全てが力を失い、ゆっくりと沈黙へと向かう。

「もう……苦しまなくていい」クロノレイトは声を震わせながら、その身を労わるように見守る。

「安らかに……眠れ」絡み合っていた幾つもの心が、ようやく一つに解き放たれるように——。こうして——核心を打ち抜く一撃! 魂の解放! 物語、哀しき存在に安息を——!キマイラの姿が光に溶け、安らかに消えゆくその時——、クロノが穏やかに現れる

「キマイラ討伐完了」その言葉に、クロノレイトは胸を撫で下ろし、力強く頷く。

「それにより神性人に昇格」——神性人。神人の位をさらに超え、神の力と性を併せ持つ存在へと、クロノレイトは昇格したのだ。身に覚える力の高まり——三つのメモリー、歯車の調和、そして幾多の命と心に応え続けた歩みが、一つの境地に達した証。

「神性人……」クロノレイトは手を胸に置き、その重みを噛み締める。

「まだ実感は湧かない。だが、この力を——誰かのために、正しく使うと誓う」フェルとユキが隣から誇らしげに見つめる。

「おめでとう!」ユキが尻尾をいっぱいに振る。

「君の歩みそのものが、その称号に値する」フェルが静かに告げる。クロノは頷き、続ける。

「これから歩む道は、さらに高く、そして重くなる。だが君なら大丈夫——共に進もう」新たなる位を胸に、次なる一歩が踏み出される——。こうして——キマイラ討伐完了! 神性人への昇格! 物語、新たなる高みへ——!クロノレイトは真っ直ぐ問いかける——。


「英雄が倒した生き物が、ストレンジプレデターによって再現された個体だと知っていたのですか?」


クロノは動じず、はっきりと応える。


「知ってるよ」


その言葉に、一瞬緊張が走る。だが続けられる言葉は、さらに核心を突いていた。


「だが、利用させてもらってるんだよ。あちらは実験だろうけど、こちらとて君の成長のための試練の一部にしてる」


「っ……!」


クロノレイトは拳を握りしめる。

「それは——敵の計画を、知りながら……?」


「そうだ」クロノは瞳を真剣に輝かせる。「ストレンジ・プレデターは君を試し、力を引き出そうとしている。ならばこちらはその流れを受け止め、君を真に神に至る道へと導いている。同じ出来事が、二つの目的のために動いているんだ」

「……敵の手を借りて、俺を育てていると?」

「そうとも言える。だが忘れないで——選び、進んでいるのは紛れもなく君自身だ。試練を乗り越え、心を尽くし、仲間と共に歩んできた——その事実は何者にも奪えない」クロノレイトは胸に手を置き、フェルとユキの温もりを感じる。土蜘蛛もフンババもフェルもキマイラも——全てが自分の歩みであり、その一つ一つが無駄ではなかった。

「分かりました」決意を込めて頷く。

「相手が何を企んでいようと、俺は俺の道を行く。誰のものでもない、俺自身の心のままに——!」こうして——明かされた二重の思惑! 流れに抗い自らの道を行く! 物語、真の目的へと歩を進める——。

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