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シェンツァ  作者: カイト
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第4話

  目的地に着いたのは予定時刻の18時を少し過ぎた頃だった。

 

 一旦厳島副司令と別れ案内役の研究員と合流する。研究員の案内で俺達はそこからしばらく行ったところで少し大きめの扉の前に着いた。

 扉の電子ロックを外すとそこには応接室のような部屋があった。その奥に別の扉がある。

「この先の部屋がサルヴァトーレの研究室です。サルヴァトーレに対しても軽率な行動は避けるようにしてください」

 ロックが外れ研究員が歩き出し、俺達も続く。

 その扉の先は短い廊下になっておりいくつかの扉がある。研究員は一番奥の扉をノックして扉を開く。


 そこには1人の少女がパソコンに向かっていた。

 研究員が声をかける。

 そこで少女は手を止めて振り向く。


 身長は150センチぐらいのずいぶんと小柄。髪の毛は後ろで束ねており束ねた髪は腰と肩の真ん中ぐらいまで伸びていて、薄めの茶色い髪をしている。

 その見た目の印象は『幼い』。100年以上も生きている者とは思えないほど幼い。

「今回、あなたの護衛を任されました。椎名伊織少尉です」

「自分は広野水樹。同じくあなたの護衛に就かせていただきます」

「私はシェンツァ……よろしくおねがいします」

 見た目に反してしっかりとした声。改めてサルヴァトーレだと俺は認識する。

「彼女はこの世界を救ったサルヴァトーレです。そのことを忘れず、相応の態度で臨んでください」

 その言葉を聞いたシェンツァの表情が一瞬だけ変わったように見えたが……

「はい」

 椎名少尉はすぐに返事をしたが俺はそれに対して無言で答えた。俺の意識は全てシェンツァに向いている。

「……彼女と我々だけで話をしても構いませんかね?警護にかんしては護衛対象者から詳しい要望を聞きたいので」

 俺は隣にいる研究員に訊いてみた。シェンツァが小さく頷いたのを見て研究員が「終わったら連絡を」と告げてから部屋を出て行く。扉が閉まったところで俺は態度を崩してから話を切り出す。


「……で、こっちはこういった話し方を希望でオッケーか?」

「なっ!准尉、その態度は失礼に――」

「ええ、敬語なんて使わないで結構ですよ。広野准尉に椎名少尉」

 そこで初めてシェンツァは笑顔を見せた。さっきまでの堅い雰囲気はなくなりそこにいるのはまるで見た目どおりの少女のようだった。その様子に椎名少尉は驚いている。

「フフ、いつ気付いたんですか?」

 シェンツァが楽しそうに俺に訊いてくる。

「俺達が挨拶したあとに研究員が話しただろ。あの時にお前が一瞬うつむいたからな。もしかして……と思ってな」

「よく見てるんですね。そんな態度で私に接する警備の人なんて初めてですよ」

「やっぱりな」

「……広野准尉。やはり、その話し方は不謹慎かと思うのですが」

 椎名少尉が会話に割ってはいる。軍人としての考えだけでなく、一般人としてもシェンツァという存在に対して俺のような軽い態度はまずいと感じたのだろう。しかし俺が何か言う前にシェンツェが話し出した。

「そうね、逆にこっちの方が苦手なら今までどおりで構わないわ。私としては苦しい会話はしたくないからこんな注文してるだけだしね。けど、一つだけお願いできるかしら?」

「なんでしょうか?」

「私のことはサルヴァトーレじゃなくてシェンツァって呼んで。サルヴァトーレって呼ばれるの嫌いなのよ」

 そういうとシェンツァは少しまずそうな顔で笑う。その笑顔が効いたのだろう椎名少尉は「わかりました」と小さく答える。

「広野准尉に椎名少尉……いつまでか分らないけどよろしく」

「ああ、改めてよろしく」

「こちらこそ」

 そこで俺と椎名少尉、そしてシェンツァは同時に礼をする。俺達はしっかりとした敬礼を。シェンツァは少し笑いながら敬礼をする。その姿に俺は

(……可愛いな)

と思ってしまった。

「もっとお話していたいけど……私もちょっと仕事があるから。それに研究員の人もうるさいし」

「では、これで失礼します」

「ええ、よろしく」

 そして俺達はドアの外にいる研究員に連絡をいれてドアを開けてもらう。去り際にシェンツァが手を振ったので俺はそれに返してから部屋を出た。


その後、研究員から何の話をしたのかなどを聴かれたあと、俺達は自分達の部屋に向かっていた。

「広野准尉。少し馴れ馴れすぎませんか」

 そこで椎名少尉がそう言ってきた。真面目な軍人としてあの態度は許せないのだろか。なんとなくその考えが分った俺は少し考えてから答える。

「きっと今まで同じようなことしても望んだ結果がこなかったと思う……せっかく気付いてやれたんだから、それに応えるのが相応の態度ってやつだと思うんです」

 俺は彼女が最初に見せた笑顔を思い出していた。可愛らしい見た目どおりのあの笑顔を。

「……広野准尉。彼女にそう話すのは結構ですが私にはしっかりと敬語を使ってください」

 椎名少尉はその意見には何も応えず注意だけすると先に歩いて自分の部屋へと向かった。

「……伝わったと信じるか」

 誰にいうでもなく俺は小さく呟いた。


寝ても覚めてもカイトです。


はい、長いです。すいません。

実はうまいこと話を分ける予定だったのですが話数省略という都合の関係で長くなりました。

なのでちとわかりにくいかも。予定では外伝のような感じで本編を補うつもりなので今回は初めて合った。ということだけでも覚えておいてください。


さて、本編が長くて後書きも長いのは失礼なので今回はここらへんで


ここまで読んでくださった方に感謝を

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