第3話
しばらく時間が経ったところで椎名少尉が俺に話しかけた。
「准尉は戦闘分野でかなりの成績を残してると聞いています……どうですか、時間もあるので軽く手合わせでも」
そう言って近くの鞄から刃の部分がゴムで作られているナイフを二本取り出す。俺は「構いませんよ」と言って立ち上がりナイフを受け取る。
スペースを作るために机をどかす。やや狭いがどうにか動けるだけのスペースは確保できた。
『――――』
しばらく互いに無言で構え合い、俺が先にしかけた。
踏み込むと同時に首を狙い、真っ直ぐにナイフを突き出す。
椎名少尉は大きく右前に踏み出しナイフを避けつつ俺の右側を狙って低い蹴りを仕掛ける。
俺は前傾姿勢のまま、右に走り蹴りの範囲から抜けつつ距離をとる。
最初とは互いの位置が逆になったところで一旦、息をつく。
「少し甘かったようですね。右に行くまでは読んだんですけどね」
距離が離れたところで椎名少尉が息を吐きながら言う。
「足の動きを読まれるとは思いませんでした。そこらへんは騙す自信があったんですけどね」
俺の最初から右に走る予定だった。しかしフェイクとして左足に重心をかけていたにも関わらず椎名少尉は俺の動きを読んでいたようだ。
「先の先を読むってヤツです」
息を整えてから椎名少尉は再度構え直す。それに合わせて俺も構える。向こうも様子見ではなく実戦の感覚へと高めていっているはずだ。
今度は椎名少尉が先に出た。ナイフではなく低い位置での蹴りを俺はステップで避けて左の裏拳で反撃する。
左手で防いだ椎名少尉はそのまま懐に潜り込み右の掌を繰り出す。
すぐに後ろに身を引いて避ける。俺は僅かに出来たスペースに踏み込みナイフで突く。
だが椎名少尉は引かずに左手で持ったナイフでこちらの軌道をそらして踏み込み、先ほどと同じように右の掌底を出す。
避けれると思って足を動かす。だがすぐ後ろの机にぶつかり一瞬、動きが止まる。
(嘘だろ!)
ほんの一瞬のミスだがそれが負けに直結した。椎名少尉はその隙を逃さなかった。
「グッ……」
俺が一撃をもらい、怯んでいる隙に椎名少尉は左手に持っていたナイフを喉元へ向けてくる。
「運が悪かったですね。准尉」
そう言って椎名少尉は俺からナイフを回収して荷物の中にしまった。
「もう少し広ければ……」
「狭いところで戦うのも実戦ではあることです。まあ、さすがにこんな急造なスペースでは厳しいですけど」
「戦場じゃそんなこと言えませんよ……実戦じゃなくて良かったです」
それからは体捌きなどの話をしていた。しばらくしたところでドアがノックされる。
内側から電子ロックを外すとそこには先ほど俺が話をしていた厳島司令が立っていた。
「時間よ。第二ヘリポートに迎えが来ているから今から向かうわよ」
『はっ』
立ち上がり敬礼をする。荷物を持ったのを見てから司令は背を向けて歩き出す。俺達もそれに続く。
第二ヘリポートには大型の軍用ヘリが離陸の準備をしていた。俺と椎名少尉、それと司令の三人が乗り込む。
「司令も行くのですか?」
「ええ、今回は任務の方で向こうの副司令を任されたのよ。こっちで指揮をしてもいいけど現場の方が何かと便利だしね」
ヘリには俺達の荷物と思われる箱が積まれており俺達は空いているスペースに座ることになった。
「目的地までは約一時間。それまで二人ともゆっくり休んでおきなさいよ」
「はい」
「司令こそ、こういう時に休んで――もう寝てる!?」
俺と椎名少尉が返事をする前に既に厳島司令は寝ていた。ご丁寧にアイマスクまで装着している。
「気付かなかった……」
「ええ……」
司令の異様な行動にさすがの椎名少尉も動揺している。もちろん俺もそうであり司令のその態度に二人は困惑するだけでこの一時間を過ごしてしまった。
とある一室にて、
「まあ、別に出番が無いからって文句は言わないけど……」
「? どうかしましたか」
「いえ、なんでもないわ」
一人の少女が愚痴っているのだった。
前書き書いたほうがいいのかな?カイトです。
というわけで3話目です。ワープロ枚数的には5枚ぐらい。労力的には波動拳20発ぐらいです。ええ、よく分かりませんけどリュウ的には楽勝だと思います。リュウ的にはこれと昇竜拳10発ぐらいだと思います。きっと3ラウンド分です。
流れ的には前置きが終わったかなーってところです。ゲームだったらここでOPが流れるはずです。歌は霜月さんにお願いしたいところです。ま、ありえないですけどね。
そういえば1話、2話で誤字脱字がありスカイプの方で報告があったので修正しておきました。一応、見直してから投稿してるのですが内容をしってるせいで流しているせいです。きっと初版で発行されたら重版と見比べられること間違いなしです。ま、発行されませんけどね。
なにかあったらskypeの方にでも(ID:kaito721)。ほぼ毎晩ログインしてるはずです。名前はカイトになってます。できれば一言下さい。
ようやく入った戦闘シーンにも今後は力をいれていきます。
それでは、また次回。読んでくださった方々に感謝を。




