第1話
シェンツァ 第一話
西暦2059年
今から100年前。進む自然破壊。壊れていく地球環境――崩壊し始めた地球の中で人類は深い絶望に沈んでいた。
しかし突如現れた「地球再生組織:ツィオーネ」により状況は一変する。半世紀近くを費やし環境を回復た。その後、環境改善に努めるのではなく環境維持をすることで世界環境は安定期を迎えた。
ツィオーネの活動は全世界で支持を得ることになりもはやツィオーネは世界規模の組織となっていた。
しかし、その裏には一人の少女の存在。決して表舞台に立たず、世界を支えた少女がいた。
少女の名はシェンツァ。
少女は己の人生と知識を世界のために捧げるだけに生きていた。
そこには普通の少女としての生活はなく、まるで実験動物のように自分の知識を使われるだけだった。
明日も、未来も何もないただの繰り返しの日々を過ごす。
ある時、彼女は日本へと移され、そこで彼女は一人の少年と出会う。
そして、その出会いこそ、彼女と彼にとっての――
始まりの物語――
ツィオーネ日本東海支部。司令室。
「――以上が貴官に命じられた任務の概要だ。詳細は資料に書かれている。任務に対して何かあれば後に合流する者が詳細を知っているのでその者に訊くように」
ある司令室に二人の男女がいた。
イスに腰掛け手元の書類を読み上げ、指示をだしている女の名前は厳島涼華。東海支部の司令官を務めていて、腰まである黒髪は縛ることなくおろされている。ツィオーネ指定の服装に身を包んだ彼女は厳島家という日本有数の財団の令嬢だ。
しかし家を出てツィオーネにてその才能を発揮している。
もう一人。涼華の正面に立っている男の名前は広野水樹。髪肩の高さで切り揃えられており、制服も乱れる事無く着込んでいて両手には白手袋が付けられている。
元は別支部に所属していたが今回の任務に合わせて配置換えが決定し、今日づけで東海支部へと異動してきた。
緊急の配置換え。そしてその司令室に挨拶にくると同時に水樹はある任務を任された。任務の内容はとある人物の護衛、そして監視。俺向きの任務だと内心思う。
「情報の秘匿性を増す為に口頭で対象の名は教えることが出来ないがかなりの人物であることは告げておく。貴官の腕を評価しての配属だ。頼むぞ、広野准尉」
「はっ……失礼します」
俺は敬礼してから部屋を出る。部屋を出たところで俺は「ふぅ」と大きく息を吐いた。
「重要人物の護衛……対象が誰か、とか気になるがやっぱあの空気は苦手だ」
俺はきっちりと着込んでいた制服を崩す。先ほどまでの態度をとるのは上官、それもかなり敬意を払う必要がある人物が相手の時だけだった。
真面目ではあるがいつも堅苦しいという意味で真面目というわけではなく、メリハリをつけることで常に任務に最善の状態で取り組んでいるところが真面目と周りには評価されているらしい。
「合流するまでは資料を見ることは許さない――か。とりあえずその相方って奴と合わないと」
そう言って俺は渡されたメモに書かれた部屋へと向かった。
「確か今日だったかしら。新しい人が来る日は」
とある一室。モニターに囲まれた部屋にいる一人の少女が呟く、
「まえ来た人は面白みがなかったし、腕もイマイチだったから……一応期待しておきましょうかね」
そう呟きながらもキーボードを叩く速度は変わらない。タイピングとスクロールが信じられない速さで行われている。
「シェンツァ、昼食の時間です」
部屋にスピーカー越しの音が響く。その音にシェンツァと呼ばれた少女は手を止めて立ち上がる。
「まあ、大した影響はないと思うけどね。結局、私の未来は変わらないだろうから」
ども、カイトです。初作品です。まる
このサイト、初投稿なので勝手が分りません。日々進歩します
後書きなんぞに時間かけるのもアレなんでざっと説明
オリジナル作品です。他作品と似ないことを信じてます
主人公、ヒロインともに詳しくは今後、あとがきで細かい紹介するかもです。
自分の自己紹介も今度以降、少しずつやっていきます。
とりあえず文字数などを調整しながら続けていきますのでよろしく
さて、それではまた次回。
応援待ってます。