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声の為にあるなら 【短編集】  作者: 八坂 わう
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太陽の裏側

太陽に憧れた少年。彼は地球に座って物思いに耽っていた。

前の願いは『地球に座ること』だったかが、それも叶えてしまった。少年は次の夢を探している。

今は、そう!もっぱら自分の目の前で煌々と燃えている太陽に夢中になっているのだ。

『太陽の裏側へ行きたい』それが次の願いだった。

さて、どうしよう。少年はじっと目の前の太陽を眺めた。やがて立ち上がって手をかざすと、太陽に近づけてみる。

熱いだろうか?そんな思いがふと胸を掠めるが、熱くはなかった。

まっすぐ伸ばした腕をそのまま炎の中に沈める。腕が半分程飲み込まれた。大丈夫そうだ。

少年はそのまま太陽の中に入った。すり抜けるように体が入って呆気なく通れる。

少年は拍子抜けしてその先の光景を見た。吐く息が白く冷たかった。そこは月だった。

なんと!太陽の裏側は月になっているのか。少年は驚いて辺りを見渡した。

すると一匹の兎がこちらを見上げている。「やあ兎」少年は話しかけた。兎は首を傾げて答えた。

「お前は何故ここにいる?」少年は答えた。「興味本位で」その時少年は新たな夢を思いついた。

「なぁ、兎よ!僕を兎に変えてくれないか?」兎は驚いたように耳を震わせた。

「まあ。いいだろう…」兎は首を振って少年を兎に変えた。

「ありがとう」兎になった少年はいつまでも二匹の兎として月で暮らした。月に見える兎は、もしかしたら彼らかもしれない。

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