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聖女の紋章、オフライン

「エリア、君のような『ニセモノ聖女』はもう不要だ! 我が国の宝であるベアトリスこそが、真の聖女に相応しい!」


 大聖堂に響き渡る、王太子アルフレッドの傲慢ごうまんな宣告。


 私の左手から『聖女の紋章』が消え、会場を埋め尽くす貴族たちが一斉に嘲笑ちょうしょうの声を上げた。


 彼らがあがめるのは、ベアトリス。


 王太子に寄り添い、宝石を散りばめたような眩い光を放つ、今をときめく『ホンモノ聖女』様だ。


「あらあら、エリア。恨めしそうな顔をしないでくださいな。身の程を知らない『ニセモノ聖女』には、辺境の泥遊びがお似合いですわよ?」


 ベアトリスのほほに、冷徹な微笑が貼り付いた。


 私は、感情を排して口を開く。


「……承知いたしました。では、これより王宮を離れます」


 ……いいわ。存分に、その『光』を振りまいておきなさい。


 彼らは知らない。


 ベアトリスが放つ光の裏で、王国の大地が悲鳴を上げていることに。


 そして、どれほどいびつな「搾取さくしゅ」の上に成り立っているのかを。


 王太子の足元に、婚約破棄・・・・の書類を放り投げた。


「楽しみにしていますわ。貴方たちが『ホンモノ』を捨て、『偽りの繁栄』を迎え入れた結末が、どうなるのかを……」


 冷ややかな瞳で彼らを見下ろし、大聖堂を後にした。

 お読みいただきありがとうございます。


 本作は、『【婚約破棄短編】ニセモノ聖女に追放されましたが、精霊たちが崇拝するので辺境で贅沢に暮らします』をリメイクして、描いています。


 全七話を本日中に公開いたします。

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