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第6話 冒険者からの依頼の話

出会った冒険者から仕事の依頼を出してほしいと頼まれた山波

果たして冒険者ギルドに依頼してほしいと頼まれた仕事とは。

山波はその依頼を冒険者ギルドに出すのだろうか。


 依頼を受けてみようかと言ったものの、時間も午後2時を回っているので、今から依頼を受けても達成は出来ないだろう。

 かといって観光するような場所も村の中には特にないのでこれからどうするか考えながら歩いていた。

 村の外に出て、スレイプバッファローに再び会えればまたもふもふさせてもらえるだろうか?

 この村独特の温泉施設のようなものでもあれば、温泉に入ってのんびりできるのだが。


 などと考えながら村をぶらぶらしていると後ろから声を掛けられた。


「ゴロウさん、ちょっといいですか?」


 先ほどの冒険者二人のうち女性の方が声をかけてきた。


「ああ、先ほどの冒険者さん、えっと、スミレンさんとジョルジュさん。私に何か?」

「ゴロウさんは王都まで行かれるのですか?」

「そうですね、今すぐというわけではありませんが、そのうち王都まで行くことになるかとは思いますが。旅の日程は完全に未定の、気ままな道中だと思いますよ」

「あ、やっぱり」


 女性は男性の方を振り向き、


「ねえ、お願いしようよ」

「しかし、日程も未定じゃないか、しかも特Sだぞ、俺たちCランクの護衛なんか不要だと言われるぞ」

「でも、こんな機会にしか王都にいけないでしょ」

「しかしなぁ」


 2人が何やら話をしている。


「あのう、話しているところ申し訳ないですが、どうしたのです?」

「あ、っと、ええっと」


 女性が何やら言い出しにくいようにしていると


「ああ、申し訳ない。こいつがなゴロウさんが王都に行くなら、護衛として雇ってもらったらどうかって話をしてな」


 ジョルジュが女性の代わりに話してきた。


「それで、王都までの日程を? でも本当に気ままな旅だしなぁ」


 ガクルックスの世界の事をもう少し知るには冒険者は丁度よい話し相手になってくれるだろう。だが、移動は車である、そのため山波にとって護衛はほぼ不要だ。それに2週に1度は地球へ戻る。


「それに護衛の依頼をお願いしたとして、私は依頼料の相場とか知らないし、往復の依頼にはならないから、そちらは帰りが困るとおもうが」


「それについては、帰りは途中の街までの依頼を受けるので問題はない、ただゴロウさんが特Sなので、我々の護衛は不要じゃないかと」


 確かに山波自身、護衛が必要か? と聞かれると必要だろうし、不要か? と聞かれると不要でもある。

 道中は車での移動なので、野営しなくても次の村や街には到着する。


「まあ、こんなところで立ち話も何なのでどこか座れる場所で話しませんか? 冒険者ギルドでも構いませんよ」


「それじゃ、冒険者ギルドで話しましょ!!」


 女性がこれ幸いとでもいうように、山波の腕をつかんで引っ張って歩き出した。

 ジョルジュがそれを見て、やれやれというように肩をすくめてその後を追った。



 冒険者ギルドのカフェ部分の空いているテーブルに私たちは座り、お勧めという村名物のハーブティを注文した。

 注文したものがテーブルに並んでから、先ほどの続きの話が始まった。


 山波が知らない事が多いので、説明も兼ねての話し合いになるのだが要約すると以下のようになる。


~~~~


 ・ポルックス村から王都まで馬車で20日ほど。徒歩で2か月その護衛


 ・王都まで大きな街が2つ、村や町は12~13。地図を見ると大きな街は2つで、村、町と思われる場所は4つが記載されているが、記載されていない町や村も多いということである。


 ・護衛依頼料は1日銀貨50枚、護衛対象人数や荷物が増えると+α 条件によっては-α

 ただし、依頼をPTで受けても銀貨50枚は変わらない。今回は2人で受けるので1人25枚の報酬

 20日だと金貨10枚(銀貨1000枚)での依頼となる。そこにはギルドへの依頼手数料も含まれる。


~~~~


 と、要約するとこんなところで、2人には明日まで回答を待ってもらった。


 その理由は、今私が持っているお金は金貨15枚+αしかないということ、当然移動には車を使う、もちろん宿には最低限しか宿泊せず、基本はキャンピングカーの生活になるので、払えない額ではないが、彼らをキャンピングカーに乗せてよいものなのかが問題なのだ。ただ、彼らが同行してくれると車の移動中に話し相手ができるので退屈しのぎにはなる。カーラジオも電波は入らないので、ラジオを聞きながら1人突っ込みを入れることもできない。


 既にこの村では宿に宿泊してしまったので、今日はキャンピングカーに泊まることになる。

 2人と別れて村をぶらぶらして、晩御飯の食材になりそうな物を見繕って購入し、キャンピングカーに戻った。

 


 夕食は村で購入した肉と冷蔵庫に入っている野菜を炒めた肉野菜炒めを作った。肉の説明は受けたが、何の肉かは気にしない事にする。一応2週間分の食料は向こうから持ってきてはいるが、宿で食べた肉も美味しかったし、こちらで売っている肉を調理して食べてみたかった。

 男の料理なんてこんなものだが、肉野菜炒めに、ご飯と具に茄子と大根の味噌汁、漬物にした。

 肉はブロックで購入したので冷蔵庫に入れておけば2~3日は1人分として十分である。



 向こうから持ってきている食料は1人なら1ヶ月は持つ量がある。ただそれらは冷凍物や乾燥物、パックごはん、レトルト、袋麺、カップ麺などどちらかというと災害時に食べるようなものでという条件になるだろう。普通の食事用なら新鮮なものは2週間もてば、向こうに一時帰宅できるから十分と思っている。一応こちらの食材を購入して調理できるなら、向こうからの食材購入の手間も減るだろう。


 シャワーを浴びて、スウェット上下を寝間着にして、データの整理やこれからの予定などを考えた後、ソファーをベッドに展開して暫く本を読んだ後に就寝した。



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