表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界見浪記  作者: 天空 浮世
最後の打ち上げ花火をアナタと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/110

105

「今日、ツキ様はいらっしゃらないのですか?」


 ヘローは僕の肩を見る。


「はい。今は上の方で休んでますね」

 

 僕は自然と速足にある足をなるべく抑えて、横並びになりながら話す。


 蜘蛛には待機する場所はない。というか、明らかに屋台の数が多すぎる。


「すごい、圧巻ですね」


 この光景は彼らにとっても珍しいもののようで、隣から息を吸う音が聞こえた。


「ツキはこの先の小屋に居ます」


 僕は開店準備中の屋台の間を抜けて、小屋まで向かう。小屋の中に入ると、とぐろを巻いたツキ、そのそばに寄り添うフウロに加え、一人の子供が座っていた。


 白いフードを深く被り、顔は見えないがその服装には見覚えがあった。


「やぁ、おかえりなさい」


「君は、アバロンの」


「久しぶりだね、プレゼントがしっかり役に立ったみたいで良かったよ」


 その子供は、僕の近くに歩みを進める。僕は色々な人に招待を送ったが、その子供には送っていなかった。


 流石、情報の国というべきだろうか。


「お祭り、楽しみにしてるね」


 フードの下から見える口元がふっと笑った。


「ツキは?」


「また眠っちゃった。ねぇ、さっきの子は?」


 「アバロンで出会った子だよ。多分結構えらい?」


「アバロン。あの国ですか」


「フォンさん、知ってるの?」


「えぇ、元天使ですから。地上の事は大体。私が見たときは、相当腐っていましたが、あの子を見る感じ、改善されたんですかね」


「そうなの?」


「えぇ。あのフードは王にのみ着用が許される、完全隠ぺいのものなので」


「え、そんなえらいの?」


 受付の人の反応から、多少はえらいと思っていたが、まさか王族だったなんて。


「僕、変な対応してなかったよね?」


「えぇ、大丈夫でしたよ」


「さて、ツキ様も今は挨拶出来なそうですし、私たちは時間までそこら辺を散策してきますね」


「あ、分かりました。案内とかは」


「いえ。タイヨウ様はツキ様と一緒に居てくだされ」


 ヘローはそう言って、フォンさんと共に小屋を後にした。


 祭りの開始まではあと数時間。完全に手が空いた僕は、フウロと共に、シンと静まり返った小屋の中で座っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ