表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界見浪記  作者: 天空 浮世
最後の打ち上げ花火をアナタと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/110

104

「さて、夜までどうしようか」


「なんかあのメイドの人が呼んでたよ?」


「そっか、じゃあ一緒にセロのところ行く?」

 

 僕はサルビアが去ったのを確認して、フウロのほうを向く。


 「う~ん。私は小屋に居ようかな」


「そう? でも、ツキが寝てるだけだし暇じゃない?」


「ううん。起きてるよ?」


「えっ」


 僕はそれを聞いて、居てもたってもいられず、フウロの横を通り抜けて小屋の扉を思い切り開けた。


 「ツキ!」


 僕の勢いとは裏腹に、ツキはその首をけだるそうに持ち上げた。


「どうしたの、そんな見開いて」


「どうしたのって、だって、いいの? 僕、一人で歩いてるけど」


「もう安心した。って言ったらウソだけど、そうも言ってられないからね」


 ツキは眼を細めて言う。か細い透き通るような声だ。


「今夜、祭りだよ。それは一緒に行くよね」


「そうね。行きましょう。約束だもの」


 ツキはそう言って、笑うと、また首を自身の胴体にそっと乗せた。


「タイヨウ、私昼はここで待ってるね」


 フウロはそっとツキのそばに座る。僕もここに居たい。けれど、セロに呼ばれている。そうだ、セロからの用事を聞いたらすぐに戻ろう。うん。それがいい。


 そうと決めると僕は、すぐに小屋を後にした。


 幸いなことにセロはすぐに見つかった。


「お待たせ、要件は?」


 セロは、また忙しそうにしていた。

 

「すみません、屋台のほうに少し不備がありまして」


「え、大丈夫?」


「はい。そちらは何とかします。ただ――」


 セロが空を指さす。そこには、小型の飛行機がおり、蜘蛛の上を旋回していた。


 この蜘蛛の上は屋台で埋め尽くされていた。飛行機の止まる場所はない。


「分かった。下の方に案内してくるね」


 僕は、上の飛行機に手を振って、エレベータで下に向かう。


 永塔婆(エントゥーバ)ならスペースも十分だ。烏色もきっと許してくれるだろう。


「こっちこっち!」


 僕が手を振ると、こちらに向かって飛行機は降りてきて、危なげなく着陸した。


 「ご招待ありがとうございます」


 操縦席からヘローが出てくる。後方の席にはフォンがいた。夫婦で来たようで、ウィンの姿はない。


 「ウィンはまだ飛行機のほうに夢中で、今日は夫婦で楽しませていただきます」


 フォンに手を取ってもらって降りたヘロー。操縦席から杖を取り出し、僕らは三人横並びで歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ