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ドアマットヒロインは腰痛で家を出る決心がつきました。おかげで素敵な御方にも巡り合えました。  作者: 星野 満


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15/15

15. フロルとコールマン伯爵、愛の告白  

※ 最終話です。

※ 2025/6/10 13:02 修正済み

◇ ◇ ◇ ◇


 

 ジョージとフロルは晴れて、ジャンヌたちから奪われた屋敷へと無事に戻ってきた。


 ジャンヌが強制解雇した執事含めた、家令たちも殆ど戻ってきてくれた。


 もちろん、そのまま従事してくれていた、農民や庭師、料理長のサム、そしてメイドたち。


 皆がジョージ子爵とフロルを暖かく出迎えてくれた。


 ジョージ子爵は自分が不在中に、ヤコブの暴挙からフロルを守ってくれた農民たち、またメイドや料理長のサムらに、礼をいって給料も大幅にアップさせた。


 

 そしてフロルは愛すべき、乳母のサマンサとようやく再会が果たせた。


「ああサマンサ、とってもとっても逢いたかったわ」


「お嬢様、旦那様もよくぞお戻りになりました。私は毎日、お二人のご無事を心より祈っておりました」



「ありがとう。サマンサがいってくれた春の嵐は過ぎ去ったわ。父上は船が転覆して海を彷徨(さまよ)った時、目を(いた)めてしまったのよ。けれども王都の名医にみせたら、お父様の眼は手術すれば治るそうよ」


「ああ、それはようございました。本当にようございました」


 サマンサも田舎に帰省していたのだが、ジャンヌの不祥事を全国新聞で知って、屋敷に戻ってきてくれたのだった。



 ◇ ◇


 

 桜が満開の午後、フロルはコールマン伯爵にこれまでのお礼も兼ねて伯爵邸を訪問した。


 

 居間に通されたフロルと、彼女を出迎えるコールマン伯爵。


「コールマン伯爵、この度は父の名代で私がお礼に参りました。本当に貴方様にはなんてお礼を言って良いのかわかりません」

 

フロルはモスグリーン色のドレスを着て、優雅にカーテシーをした。


 その姿は桜の花びらが舞う中、美しい春風の妖精さながらのようだった。



「ああ、見事なカーテシーだ。もう腰はすっかり治ったんだね」



「ええ、おかげさまで。全てはコールマン様のお力添えのおかげですわ」


 コールマン伯爵は困惑した顔でいった。



「フロル嬢、そんなに堅苦しいお礼はもういいよ。私はたまたま君が馬車で倒れた時、介助しただけに過ぎない」



「いいえ、貴方様が助けてくださらなければ、あの雨の日に、私はどうなっていたやら……貴方様とアメリアお嬢様の優しさと暖かさのおかげで、私はどん底から再び笑顔になれましたもの」


 フロルは心を込めて、コールマン伯爵をじっと見つめた。


 コールマン伯爵はフロルに見つめられて赤面したが、一つだけ提案をした。



「ならばフロル嬢、私のお願いを一つ、聞いてくれないだろうか」



「はい、私に出来る事でしたら何でも!」



「うむ、君はジョージ子爵の屋敷へ戻ったけれど、これからもアメリアの家庭教師を続けてくれないだろうか?──なにせあの子は君にとても懐いてる。本来、子爵令嬢に家庭教師など頼むのは、不謹慎かもしれないが、週に一度でもいいから外国語を教えてあげて欲しい」



「ええ、勿論ですわ。私で良ければお安い御用です──私もアメリアちゃんに教えてあげるのは、とっても楽しいです。あの可愛らしい()のおかげで、どんなに心が慰められたか計り知れません。一人っ子の私には可愛い妹みたいなものです……」



「いやよ!アメリアはフロルせんせいの、いもうとじゃないもん、フロルせんせいは、わたしのママだもん!」


と、またまたアメリアの声がした!


「「え?」」


 コールマン伯爵とフロルは驚く。


 アメリアは以前と同じように、サイドボード下段の扉からひょっこりと現れた。



「あ~アメリア、またお前はそんな所に入ってたのか」


「アメリアちゃんはあいかわらずね!」フロルは笑う。



「もう、パパったらもどかしくて見てられないよ!」

 

 アメリアはちょっとご機嫌斜めだった。


 それでもフロルの首にぎゅっと抱きついた。



「もうわかったでしょう、フロルせんせい、パパはいくじなしなのよ!」


「……アメリアちゃん」少し戸惑うフロル。


「やっぱり、わたしからいわないとだめね~。フロルせんせい、どうかわたしのママになって!」


「⋯⋯⋯⋯」


「やめなさい、アメリア!」


 慌てるコールマン伯爵。


「いいえパパ。わたしはおねえさんより、ママがほしいの!もっともっとフロルせんせいと、いっしょにいたい!──だからどうか、パパのおよめさんになって!」


「アメリアちゃん……」



「バカ、フロル嬢はまだ十七歳だぞ! さすがに七歳の娘の母親は酷だろう、それに私みたいな、寡のオジサンではつり合いがとれん」


「いいえ、そんなことはありませんわ、私も、すぐ今春で十八歳になりますわ!!」


 今度はフロルがコールマン伯爵に反論した。


「フロル嬢──」


コールマン伯爵はフロルの剣幕に驚く



「私、初めて伯爵様を見た時、なんて麗しい殿方だろうと思いました──オジサンなんて言葉、伯爵様には全然つりあわないですわ……ただ伯爵様はまだ奥様を忘れていないって以前、アメリアちゃんがいってたから……私の心の中で密かに貴方様を、お慕い申し上げてればよいと思ってましたの……」



「あ、そっかごめん……わたしフロルせんせいにパパがママのこと、わすれてないっていっちゃった……」


 アメリアは「あ〜失敗した~!」と思ったのか両手で口を押えた。



「いや、違うんだフロル嬢……確かに亡き妻は私の心の中にはいる。それは永遠に消えはしない──だが、私はよくばりかもしれないが、フロル嬢の生き生きと輝く姿ばかり最近、眼がいってしまうんだ、なぜか君を眼で追ってる自分がいる!」


「コールマン伯爵様……」


「ヒューヒュー、パパ、よくぞいった!」


 アメリアは大喜びでフロルから離れて、コールマンの側にトコトコと来た。


 コールマンはアメリアの頭を撫でながら、言葉を続けた。



「フロル嬢、今、言ったことは本心だ。最初は私も、君がとても気の毒な少女だと同情した──だが君が成人して淑女と分かった時から、その妖精のような笑顔を何度も見ているうちに⋯⋯ああ、なんだか、この気持は余り上手く私は言えんな⋯⋯」


「コールマン伯爵様……」


「あとフロル嬢、そんな他人行儀な呼び方は止めてくれないか。これからは私を、ただロジャーと呼んで欲しい」


「⋯⋯ロジャーですか? 呼び捨てなどはさすがに出来ませんわ」


 フロルは恥ずかしくなって俯いてしまう。


「フロル⋯⋯」


 コールマン伯爵はフロルを呼び捨てにして、そっとフロルの手を取った。


 

 いつしか居間には、フロルとコールマン伯爵しかいなかった。


 

 アメリアがそっと部屋の外に出たのも、気付かないくらい、二人はお互いしか見てなかった。



◇ ◇


 

 その後、ジョージ子爵の傷めた両眼は王都の名医に手術をしてもらい眼が見えるようになった。



 おかげでジョージ子爵はフロルのジェーンブライドの花嫁衣装を自分の眼で、見ることが出来て大喜びだった。


 フロルのお相手は勿論、コールマン伯爵。

 ブライズメイドは娘のアメリア。


 結婚式の集合写真を取っている時に、アメリアはフロルに訊ねた。


「フロル先生、これからはフロルママと呼んでもいい?」


「もちろんよ、アメリアちゃんには二人のママがいるのだから」


「うん、フロルママ!」

「アメリア、パパも忘れるなよ!」

「うん、パパも大好き!」


 集合写真の三人の笑顔は、とても良い表情で笑っていた。







 ── 完 ──





※最後までお読みくださり、大変ありがとうございました。

ざまあシリーズ第四弾も投稿致しますので、その時また一読して下さったらとても嬉しいです。<(_ _)>


※また一読してくださった方々に、恐れながら私からのお願いがあります。

 今回も目指せ!100ポイントです、一瞬でもいい、異世界完結ランキングの片隅に入りたい!

 もし最後まで読んでくださった方、少しでも面白かったら★1つ★2つでもいいので宜しくお願い致します。次回作の大いなる励みとなります。

※後書きまで読んでくれて誠にありがとうございました。 

★今作品は自分が先週腰痛で動けなくなってにっちもさっちもいかず、大変苦しみましたが、あ、そうだ!めそめそヒロインを腰痛で覚醒!?いいかも、と思って書きました。いやいやマイナスな事がおきても役にたちますね(笑)

また第四弾もドアマットヒロインにする予定です。

本当にありがとうございました。

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