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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第二章 オブリビア建国編
33/70

ロイの法整備

俺がお金を住民達に配布している頃、ロイは次なる事業に取り組んでいた。

法整備である。

秩序とルールが無ければ、何がよく、何が悪いという基準が無く、荒廃していくのは目に見えている。

だから、この国に適した法を作るためにロイは動き出していた。

「これが、六法全書。大きいな」

俺はロイに自宅にあった六法全書を渡していた。

日本国全ての法律が載った六法全書で、法というものが何かということを掴んでもらうためだ。

「憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法に刑事訴訟法。この大まかな割り当てで法律がいっぱいあるんだね」

ページをペラペラとめくり、ロイはスラスラと確認していく。

「なるほどね。この法は、秩序を保つためにあるんだね。この法律で制限して、人が清く正しく生きるための、バイブルのようなものなっているというわけだ」

紅茶をすすり、ページをめくる。

「おっす、法が何か分かったか?」

俺はお金の分配を終えると、ロイのうちの中へ入り込んだ。

「うん。なんとなくね。確かにこれが無いと、世の中がぐちゃぐちゃになってしまいそうだね」

「そうだろ。絶対に法は必要だ」

「で、オブリビアでの法律のことだけど……」

「おう」

「基本的には、この六法を参考にさせてもらうよ。必要そうなのをピックアップして、この国の法として知らせる」

「ああ、確かにいいと思う。日本が平和になるために作った憲法だ。生かさないわけにはいかないだろう」

「でも、一つ足りない気がする」

「うん?」

夕焼けに映るロイの顔は、はっきりと悩みの色を見せていた。




……数日後。

俺はロイの家に呼び出された。

「おーい! 来たぞ」

「待っていたよ、ガクト」

ロイは落ち着いた様子で俺を出迎えた。

リビングに導かれ、椅子に座る。

「で、話ってのは?」

ロイは真剣な面持ちで、話し始めた。

「ガクト、前に僕が何か一つ足りないと言っていただろう」

「ああ、そんなこと言ってたな」

「その答えが見つかってね」

「…ほう。で、何だ?」

「それは、……魔法だよ」

そう言われた時、俺は納得した。

そして、ロイに仕事を任せて本当に良かったとも思った。

「魔法の存在しない、ガクトのいた国は、魔法ってものを測る定規がない。だから、六法全書の中の法律だけでは絶対に足りない。魔法を裁くことができない」

「そうだな。それは全く正しい。よく気づいたな」

ロイは自慢げに一言いった。

「まあ、ガクトよりは魔法のことを知ってるつもりだからね」

俺はロイに一つ問いかける。

「それで、その魔法の法律は考えているのか?」

「うん。でも、まだ少しだけどね」

「少し見せてくれないか?」

「いいよ」

ロイはまとめた資料を俺に手渡し、パッと目を通す。

「魔法 第一項 魔法による他者に損害、傷害を負わせた場合、刑法と同様に裁判で有罪、無罪を問う。第二項 魔法による傷害の刑の度合いは、魔法そのものの規模、威力を参考とし、被告人の残忍性などとともに判断するものとする。第三項 魔法の発動による体力衰退による、損害、傷害は全て自己責任である。………」

俺は資料を見て目を見張った。

簡易的で分かりやすいのに、深くまでちゃんと捉えている。十分法と成り立つものだと思ったからだ。

「すごいじゃないか。これなら使えそうだぞ」

「本当に。それはよかった」

ロイは笑みを浮かべていた。




……また数日後。

俺とロイは二人で協力して、魔法のための法を作りあげた。

その名も『魔法』。

シャレかもしれないが、一番分かりやすくていい。

それを皆に公布し、七法全書として記した。

それに合わせ、裁判所と刑務所を設け、実際に法として成り立つようにした。

しかし、取り締まる人がまだ存在していないような気が……。


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