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破邪の大剣

 「これが……ステラの新しい姿……。」

「その通り!これこそが魔導人形とメイガス・ギアが合体した究極最強形態!名付けてスーパーステラじゃ!」


 「スーパー……ステラ……。わたしの……新しい力!」

ステラは自らの力を確かめるかのように、己の拳を握り締める。

ステラの装甲表面を圧縮された魔力が稲妻のように駆け巡り、その全身が白金のように光り輝く。

傍目にもとてつもない力を秘めているのが感じとれる、美しくも神々しい姿だ。


 「この力を使って、ロボ丸を助ける!それと、おまえもやっつける!」

ステラは高らかに宣言すると、ブラスターの切っ先をスライム巨人に突きつけ、目下の敵を睨み据えた。


 「ボクを……このボクを倒すだって?!ヒヒヒ……ほざけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!! この人形風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 」

スライム巨人は絶叫し、頭上のステラに向けて両腕を高く掲げた。


 奴の両手の指がそれぞれ黒い触手に変形し、頭上のステラ目掛けて襲い掛かった!

のたうつ触手はステラの四肢や胴体に絡みつき、そのまま彼女を握り潰そうとする!

あぶない!ステラ!


 「ヒヒヒィィィィィィ!!!!! 獲ったぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!! 」

勝ち誇ったスライム巨人は歓喜し、勝鬨の声を上げた。

しかしその時だ!

ステラの身体に巻きついた触手がぼろぼろと崩れ、まるで蒸発するかのように消え去っていくではないか!


 「な……なんだと?! 」

困惑の声を上げ、たじろぐスライム巨人!

「次はこっち番だ!いくぞ!」

ステラは大きく翼を広げ、ブラスターを上段に構える。

次の瞬間、ステラの姿が陽炎のように揺らいで消えた。


 ブゥン!

蜂の羽音を思わせる小さな音が遺跡内に反響する。

次の瞬間、スライム巨人の両肩に眩い光の筋が走った。

「クソッ!どこにいる⁈ 姿を見せろ‼︎ 」

激昂し、地団駄を踏むスライム巨人!


 「ここだ!」

スライム巨人の背後から凛とした声が響く。

奴が振り返ると、そこには腕組みをしたステラの姿があった。

「そこかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

再び激昂するスライム巨人!

両腕を鞭のようにしならせ、背後のステラ目掛け叩きつけようとする!

しかし!


 ピシッ!

巨人の両肩に走った光の筋に沿って、奴の両腕がズルリと滑り落ちた。

いつのまにか斬り落とされていた両腕はドサリと音を立て、土煙を巻き上げて地面に転がり落ちた。


 「アイツの腕が……!いったいいつの間に⁈ 」

「何というスピードじゃ!魔族のワシでさえ、目で追うのがやっとだったぞ⁈ 」

まさかあの一瞬で腕を斬り落としたっていうの?

使役するわたしでさえ視認することができないなんて、なんてスピードだろう!


 「き、きききき貴様ァ!よくもボクの腕を!」

恐慌し、絶叫するスライム巨人。

しかし大きく深呼吸すると、再び平静を取り戻した。


 「ヒ、ヒヒヒ!忘れたのか?ボクの再生能力を!腕を斬り落としたぐらいでいい気になるな!こんなもの、すぐに再生して……?!!」

しかし奴はすぐに言葉を詰まらせた。


 両肩の切断面からはシュウシュウと煙が上がるばかりで、一向に腕が生えてこないのだ。

「腕が再生しないだとぉ?!!なぜだぁ?!!」

巨人は予想外の事態に顔を引きつらせ、恐怖の叫びをあげる。


 「これで終わりだ!スライムお化け!」

ステラは天高く舞い上がると、より一層翼を大きく広げた。

ステラの翼から眩いスペクトル光が放たれ、優しく暖かな虹色の光が遺跡内を満たしてゆく。

その様はまるで、宗教画に描かれた天使のような神々しさだ。


 「綺麗……。まるで天使様みたい。」

わたしの背中越しに生贄の少女がぽつりとそう呟いた。


 「ヒ、ヒィィィィィィィィィ?!! い、いったいなんだその光は?!」

スライム巨人は恐怖に慄き、その巨体をぶるぶると震わせながら後ずさった。

全身にさざ波のような波紋が立ち、奴の身体が端からボロボロと崩れていく。

どうやらあの光には不浄なるものを浄化する力があるらしい。


 ステラはブラスターを天高く掲げ、瞑想するように静かに目を閉じた。

スラスターからウイングパーツが分離し、ブラスターへと集まり合体していく。

完成したその姿は、ステラの身の丈の倍以上もある巨大なバスターソードだ。

バスターソードはステラの魔力を受け、その刀身が金色に光輝く!


 「これで!決める!」

ステラは大きく剣を振りかぶり、スライム巨人目掛けて突進!

虹色の残光をいくつも残しながら、目の前の仇敵目掛け真っすぐ飛ぶ!

すごい速さだ!


 「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!! 」

巨人は激昂し、顎が外れそうなほど大きく口を開いた。

四角く開かれた口腔からドス黒い舌が何本も飛び出し、すぐ目の前まで迫るステラ目掛け殺到する!

しかしもう遅い!


 SLAAAAAAAAAASH!!!!!!!!!!!

金色のオーラを纏った破邪の大剣がスライム巨人を真横一文字に切り裂いた!

巨人の胴体が腰から二つに切断され、切断面にそってズルリと滑り落ちていく!

ステラは砂煙を上げながら地面を滑るように着地!


 「ば、バカな……!バカなバカなバカなぁぁぁぁぁ!!!!!!こんなはずではぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!!!!!!! 」

絶叫し、崩壊していくスライム巨人!


 ステラは剣を振るい、ぬかりなく残心を決める!

KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!!!!

直後、ステラの背後でスライム巨人は爆発四散!

成敗完了!


 ステラは剣を納め、鋭い瞳で頭上を睨んだ。

上空には爆風で吹き上げられた二つの影がある。

一つはミイラのように痩せ細った長身痩躯の男。

もう一つは紅いツインテールの小さな魔導人形。


 「ロボ丸!」

ステラは大きく翼を広げ、スラスターを全開にして飛びあがった。

驚くような速さで追い縋ると、そのままロボ丸を空中でキャッチする!

髑髏男は瓦礫の山に落ち、呻き声を上げて気絶した。


 ステラはロボ丸をお姫様抱っこすると、わたしたちの眼前に静かに降り立った。

「ステラ!ロボ丸!」

駆け寄ったわたしたちを、ステラは慈母のような優しい笑みで迎えた。

「マスター、みんな!わたし勝ったよ!」






_第二章エピローグに続く


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