7月20日 (水) 1学期終業式……
京子さんの家にお泊まりして次の日、またいろいろと情報が漏れた。
前日に京子さんの家に僕が泊まっていたことが……
前日に僕がプロポーズまがいのことを言ったことが……
吉村さん達と京子さんが話している時にぽろっと漏らしたらしい。それを吉村さん達だけでなく周りにいたクラスメイトにも聞かれた。
まぁ、特別他人に言えないようなことをした訳でもないので別にいいんだけど、当然教室内が祭りと化した。
京子さんより遅れて登校した僕は盛り上がりに盛り上がる教室に入っていくことになった。
近くの席になっている大戸に状況を確認した
「どうしたのこれ?」
「ああ、服部か。お前が岡田さんの家に泊まってプロポーズして、両親にも認められたから婿に来るとかって話で盛り上がってる」
「なんでそんな話になってんの?」
「さっき岡田さんが吉村さん達と話している時にぽろっと漏らしたらしいぞ。ほんとなのか?」
「……京子さん……京子さんの家に泊まりはしたけど別の部屋だったんだけど。
プロポーズの話は……京子さんのお父さんが『間違いを起こしたら責任取れな』ってふざけて言ってきたから、からかうつもりも込みで『はい』って答えた話。
で、その後『本気なの?』って聞かれて『そうだよ』って答えた」
「おい、マジかよ。プロポーズ云々は置いといても、岡田さんの両親に婿に来いって言われてるのは確かだろ」
そういう話で盛り上がってるのか。そりゃ盛り上がるな。
おおむねプロポーズしたようなことは確かなんだけど、本番はちゃんとするよって言ってあるんだけど。
しばらくそのまま京子さんに任せて放置しておこう。
結局授業中も祭りは収まらず、教師が注意してもざわついていた。
みんな好きね、こういう話。
放課後、皆につかまらない内に帰ろうとしたところ目ざとい吉村さん達につかまり、京子さんの家で根掘り葉掘り聞かれた。
服部Side
次の日、1学期の終業式の日、一緒に登校している宮崎はさらなるイジりをしてくる。
いつも通り太情報なのだろう、うちのクラスの話題を聞いているようだ。
「なぁ、彼女にプロポーズして婿入りするんだって?しかも、彼女を傷物にして父親に責任取れって言われてるとか?」
「どう端折ればそんな話になんだよ。そんなことする訳あるか」
「ははは、そうは思ったけどさ、太の話は情報源確かだからな」
「そりゃそうだけど、あいつはたまに面白ければ変な風に情報をつなげて広めてるじゃねぇか」
今回も宮崎以外にどれだけ広めてるんだろうな。確認しておかないと。
でも、もう夏休みだから今日中に確認しておかないと。
終業式が終わり、教室で教師の話を聞いて終了となった。
何とか太を捕まえて、どのように振れ回っているのかを白状させた。
当然だけど、僕に関係ある信用できる奴以外には宮崎と同じ内容で話していない。宮崎と同じ内容で話した奴は皆「嘘だろ?」って嘘なのは分かってくれたということだ。
そうじゃないと京子さんに不名誉な噂が流れてしまう。それは気を付けてるということだった。
でも止めてくれよ、そんな話をするの。
やっと用事を済ませて京子さんのとところに寄ってから、山田達のところに行って夏休みに入る前に遊んでおく。
京子さんには今夜に電話することを伝えてあるし、しっかり遊ぼう、勝てるかは分からんけど。
いつも通りのルートで本屋やスーパーに寄って物資の調達。今回は明日から夏休みの祝いにお菓子を追加。
ポテチとか油を使ってるスナックはユニットのコマに油が染みるので厳禁。個包装のクッキーとかをセレクト。脳みその栄養に……
今日のゲームは「ダンバイン」。オーラバトラーによる空中戦のゲーム。
空中戦なので高度の違いも戦闘に影響するので宇宙戦よりはちょっと大変。
今日はギブン家:山田 (ダンバイン)、西川 (ビルバイン)、アの国:服部 (ズワァース)、武田 (ガラバ)で別れて始める。
「高度は10からな」
「「「OK」」」
しばらくは接近のためにゲーム盤の中央の方へ移動させていく。
次の行動計画を立て始めたが……いつもの僕に対する精神攻撃が始まった。
「なぁ、服部」
「なに?山田。また精神攻撃?」
「もう岡田さんと婚約したってホント?」
「はぁ?婚約してないよ。昨日からのあれ?」
「そうそう」
「岡田さんのお父さんが悪ふざけしたとこに俺がのっかって、京子さんをからかったのがそんな風に聞こえてるだけだよ」
「そうなん?」
いきなりそんなこと聞くか?昨日何も言わなかったのは、ここで精神攻撃するためか……
皆、行動計画を立て終わったので移動開始。FL2F1U1で高度を1つ上げつつダンバインの射撃範囲から外れるように移動する。
一番高速なガラバがもうダンバインの背後に食らいついていた。僕のズワァースと挟撃できそうだ。
共にダンバインを確認判定をして確認できた。
さて射撃だ。
「お盆におばあさんの家に岡田さんと行くんだって?」
「次は西川か……行くよ?うちの母親が連れて来いって言い始めて、岡田さんの両親に許可をもらったから、行くよ。」
「両方の家族に認められているんだ……おばあさん達に将来の嫁さんを紹介するため?」
「ぶーーー」
「きたねぇな、服部」
それでもダンバインをこちらの2機が確認した。
「転勤しててこっちにいないうちの母親がゆっくり京子さんと話をしたいからって呼んだんだよ。
別に将来の嫁さんとして紹介する訳じゃないよ。
距離が6で高度の差が2で8になるから命中率が6、相対速度が5で……」
「でも服部のお母さんはそのつもりなんじゃないの?」
「普通、二人とも高校生なのに将来結婚するよってばあちゃんに紹介せんだろが。
サイコロ振って、外れた」
「いやぁ、普通彼女を連れて行かんだろ、同性の友達ならともかく」
「むーーー」
今回は精神攻撃というより、もともと射撃が当たりにくく設定されてるから仕方がない、そうだよね?山田。
ダンバインは空中戦とはいえ格闘がメインだそうで、ゲームでも格闘戦が有利。
とにかく敵機まで2ヘックスになるように近づかないと……
そのまま、山田のダンバインをこちらの2機で集中攻撃して何とか墜とすが、ビルバインとズワァースではこちらに分がない。
しかし、ズワァースを囮にしてガラバで墜とし、こちらが勝った。
帰りに久々に山田のおばあさんに会ったが突然……
「服部くん、結婚したんだって?」
山田、どういう説明してんだ。
訂正するのに時間がしばらくかかり、何とか正しく分かってもらえてからうちに帰った。
岡田さんSide
夏休み前にということで、吉村さん達とショッピングモールに行っていろいろお店を回ってから、普段入らないちょっとお高そうなケーキショップに入って話がはずんだ、また服部くんのプロポーズ話で……
「また、服部くんのプロポーズの話するの?」
「それもあるけど、服部、明日からバイトだよね?京子のところで」
「京ちゃん、一日中一緒だね」
「宿題も一緒にするんでしょ?彼氏と一緒になんていいですよね」
「宿題するだけで別にイチャイチャする訳じゃないんだから。みんなも宿題終わらなかったって言ったって知らないからね?」
「「「いやいや、それは見せてくれるんでしょ?」」」
服部くんが毎日のように宿題とバイトをしに来るから、普段より一緒にいる時間が長くなる。もう家族みたいな状態かも。
宿題はやっとかないと親に怒られそうだし、学校でも怒られそうだしで、一緒にできるのなら多分大丈夫。スケジュール通りこなせると思う。
早く終われば何の心配もなく遊べるし。その時にこの子らがどうなのか分からないけど。
「服部のおばあちゃんの家に行くって、もう家族認定?」
「そういうわけじゃないけど、服部くんのお母さんが私とゆっくり話したいって。
それでタイミング的に合うお盆におばあさんの家でって話になったの」
「服部くんの家で会えばいいのでは?」
「今転勤していて家にいないんだって。それでもおばあさんのところには行くからそこでってことみたい」
「でもそれって、おばあさんたちにも会わせて嫁として確保しようってことじゃないの?京ちゃん」
「ぶーーー」
もしかしてうちの両親も示し合わせてるのかな?
まだまだ2か月ぐらいしか付き合ってないし、高2なんだけど……
「京子、また真っ赤になってるぞ?
そういえば、昨日からネックレス付けてるよね?目立たないように隠してるけど、時々見えてるぞ。今までしてなかったよな?」
「え?何々そんなの付けてんの?服部にもらったんかな?」
「見せて見せて」
やばい、やばい。見せたら絶対に言われる。からかわれる。イジられる。
見せないで済ませたい。
「えーー、見せられないものなのかなぁ?」
「そんなことはないけど……」
「ならいいじゃん。見せてよ。ねぇねぇ」
……仕方がないか……
「はい」
「「…………えーーーー。婚約指輪?」」
「この間欲しそうに見てたやつじゃん」
「そう見えるよね?やっぱり」
そう、服部くんがプレゼントにくれたアクセサリーは、ペンダントトップが指輪になっているものだったのよ。
プロポーズの話が出てるから、婚約指輪をチェーンに通して下げてると思われるだろうなぁと思ってたよ。
実際に吉村さん達にそう思われたし……
ぷしゅーー
もう限界に達したよ。バタン。
*後書き
作中の「ボードのSLG」はツクダホビーから販売されていたボードゲームです。
昭和の時代にガンダムなどンサンライズ作品やマクロスなどのロボット物のSLGが販売されていました。
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」
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