第九十六話 ギルド、混乱に陥りました。
失踪したと思った?失踪したと思った?残念、失踪してませんでした!
……はい、すいません。まじめにやります。
えー、ここまで投稿が遅れたのはですね、テストで書いている暇がなかったというのとそのあとに小説を書けなくなってしまったからです。皆さんにもありません?「あ、なんかわからんけど絶対に書けないな」っていうとき。ない?あぁそうですか。
ともかくそのスランプは一応脱したので、これからは頑張って書いていきたいと思います。投稿ペースも上げていきたいなぁ。
冒険者たちが虐げられ下を向いて歩くことを強いられる帝国。その一方で冒険者たちが気にすることなく上を向いて歩くことのできる場所があった。その国の名はギレルト。大昔に原初の魔法使いが中心となり、現在も冒険者ギルドが中心となって治政を行っている国である。
この国が出来た理由はいくつかある。最も大きいのは冒険者たちが安心して滞在できる空間を作るというものだった。現在、冒険者には基本的に粗暴で無頼などこにも腰を落ち着かせない利己主義者という印象が強い。人の恩などを軽視し、目に見える報酬でのみ行動を起こすというイメージがついている彼らは一部を除いて白い目で見られることが多くなる。それを予想した原初の魔法使いは善良な冒険者たちが心を休めることのできる場所を作ることにした。その過程でできたのがギレルトという国である。
そんな国の首都、オルクスの大通りを歩く人間が一人。大砲を背負い、大衆の目を集めながら首都の道を進むその男の名はリュウセイ。かつてユウキとともに旅路を歩んだBランクの冒険者である。今では最高位のAランクの冒険者となり冒険者たちの憧れとも呼べる存在まで上り詰めていた。
そんな彼は今、首都の中心部である政治区域へと足を運んでいた。理由としては上層部の人間に呼び出しを受けたからである。実はユウキと行動を共にする前から何度か呼び出しを受けており、高ランクの冒険者としてギレルトの内政に関わらないかと打診されていたのだ。いくら彼が優秀な冒険者といってもまだキャリア四年半の二十一歳の若者である。いずれ国の内政に関わるといってもまだ若すぎる。そのために冒険者として、人としての実績を積むことに専念したいという理由で今まで召集を蹴ってきたが、何度も呼び出しを受けるうちにきりがないと判断し、直接先ほどのことを伝えるため、彼は重い腰を上げ、ギレルトへやってきたのだ。
政治区域と商業区域との境目に立つ冒険者の兵士に自分の冒険者カードを見せ、その先へ足を踏み入れると彼が来ることがわかっていたかのように一人の男が前に立つ。その人物の顔を見てリュウセイも足を止める。
「お久しぶりです、アミルダさん」
「久しぶりだねリュウセイ。やっと重い腰を上げてきたか。ついに私たちと一緒にデスクワークをしてくれるのかい?」
「今回はそのことでお話があってきたんです。続きは皆さんにも」
「わかった。ついてきな」
リュウセイにアミルダと呼ばれた勝ち気で男勝りな女性はリュウセイに背を向けると指で着いてくるように指示を出しそのまま速足で歩き始める。その後ろにリュウセイも続く。一、二分ほど歩いたところで二人は巨大な扉の前にたどり着く。重く閉ざされた扉の向こうにはU字型、階段状の席があり、そこにまばらに何人かの人間が座っている。
「皆様、Aランク冒険者のリュウセイを連れてきました」
室内の人間に聞こえるようにアミルダがそういうとざわざわと騒がしかった室内がシンと静まり返る。アミルダも彼らに混じり席に着く。
「久しいなリュウセイ君。申し訳ないことに議会の者たちは三分の一もおらんが、約束通り話を聞かせてもらうことにしよう。まずは君の主張を聞かせてもらおうか」
「お時間いただきありがとうございます」
こうしてリュウセイを中心として始まった会議は着々と議論が進められていく。リュウセイの主張は自分が経験不足の若者であり、政治に参加するには若すぎるということ。そのためにまだ実績を積まなければならないというものである。一方でギレルトの議会側の主張は彼らは年齢に関してはさほど重要視しておらず、若いながらもAランクという現時点最高の冒険者になるまでに至った判断力と行動力を買っているというもの。それに議会の人間たちもやることさえやっていれば比較的自由であるため、冒険者と議会の両立が可能であるというものであった。
だが、自由を根底に置く冒険者たちにとって個人の意思というものは重要視されるものであるため、リュウセイがやりたくないといえばそれ以上強制することはできない。議会は今回は諦め、またの機会に再び志願することにする。しかし、リュウセイ自身別にやりたくないといっているわけではなく、単に時期尚早だといっているだけ。頃合いを見て了承するつもりである。微妙にかみ合いを見せないお互いの主張は平行線のまま続く。
ここでなぜリュウセイを政治側に引き込みたいかの説明をしておく。判断力云々はもちろんであるが、一番の理由は彼の大砲にある。大砲から放たれる強力無比な一撃は上層部も注目している。ドラゴンすら一撃で屠りかねないその一撃。そんなものを放つ大砲を解析し量産、ギレルトの防壁に配備することができればギレルトの防衛力を格段に上げることができる。そのため、上層部はリュウセイを政治に関わらせることで、逃げにくい状況を作り上げたがっているのだ。
平行線をたどる議論。今日の議論だけではどうにもならないと判断し、リュウセイは許可を得たうえで退室する。そんな彼と入れ替わるようにして制服姿の女性が入室していく。それを横目で見ながらリュウセイは商業区域へ向かって歩く。
その途中、休憩ついでに飲み物を出す店に入ったリュウセイは冒険者たちの噂を小耳にはさむ。ドワーフの国に現れたドラゴンを冒険者の討伐チームが討伐したという話。思い出すのはアルスで別れた同郷の友人。彼もまたドワーフの国に向かっており、その話で彼のことを思い出したリュウセイは頑張っているだろうかと思いながら、飲み物を口に含む。
三十分ほど滞在し飲み物を飲み干したリュウセイは店員にコップを渡すと店を後にしようと歩き出す。店のスイングドアに手をかけあと一歩で店の外に出るとなったとき。彼の眼前を政治区域にいるはずのアミルダたちが通り過ぎて行った。その表情はどことなく焦っており、何か大変な事態が起こったことを知らせていた。その様子を見て何か嫌な予感を覚えたリュウセイは走り出すと彼女らの隣に並ぶと声をかける。
「アミルダさん、何かあったんですか?」
リュウセイが隣についたことを理解したアミルダは話していいものかと一瞬迷った様子を見せ閉口するが、彼を政治側に引き込もうとしている以上、情報を隠すというもの一考すべき事態である。それに黙っていたとしても人の口に戸は建てられない。時機知ることになる。故に今話したところで問題ないと判断する。
「ああ、私たちも詳しいことは理解に苦しんだんだが、帝国の使者の人間曰く帝国のお姫様がここに幽閉されているってことらしい」
「はぁ?そんなことしてたんですか」
「アホか。そんなことをすれば国同士の問題になるわ。向こうの詳しい話によると何やら冒険者が姫を誘拐してその冒険者ともどもここで匿っているって話らしい。他の奴が詳しい話を聞いてるが、正直なんのこっちゃさっぱりなんだ」
「そんな話一度も聞いたことありませんけど。向こうの勘違いなんじゃ。いや、だとしても疑いがかけられてる時点で冒険者が何かしたのは確実なのか」
「そこなのさね。帝国の姫様に手を出したって時点で問題だってのに、もし攫ったなんてことになれば大問題さね。下手をすれば……」
「やめましょ縁起でもない」
「ああ、そうならないことを切に祈るよ」
二人の会話は次第に勢いを増していき、それと反比例するように声色はどんどん暗くなっていく。
この後、帝国の使者による事情の説明が行われ彼らによってギレルト首都の隅々まで捜索が行われたが、姫や彼女を攫った冒険者の痕跡が出ることはなかった。それもそのはず。そもそもそんな事実は存在していない。見つからなくて当然である。
夜を徹して行われた捜索であったが、それでもなお認めようとしない帝国の使者は政治区域のさらに奥、ギレルトの機密事項が収められている場所にまで足を踏み入れようとする。しかし、そこは上層部であっても入場を制限される場所。ギレルトの規則で一市民程度まで権力の落ちている彼らでは入ることすら適わないのだ。しかし、彼らはそれでもその中を捜索させろと言って聞こうとせず、両者の間で押し問答が発生する。
結局、その場で決着はつかず、帝国の使者は怒り心頭といった様子で彼らに背を向けその場を去ってしまう。さらにあろうことかそのままの勢いで首都から姿を消してしまった。加えて悪いことに彼らは事情を告げる際に「ギレルト内部で見つからなかった場合には兵士を派遣しての捜索を行い、もし彼女の身に何かがあればしかるべき処置をとらせてもらうと宣言している。彼、彼女らにとってはまったくもって関係のない、非常に迷惑な話であるが、話は勝手に進んでいってしまう。
また、この後、姫とは全く違う、それもギレルト領内の女性の死体によりギレルト内部で姫が殺されたという報告がなされることとなり、ギレルト上層部に激震が走る。上層部や冒険者たちが王女の顔をよく把握していなかったのも災いし、それを否定することもできなくなってしまった。
これによって口実ができた帝国はギレルトへ報復という形で軍を率い攻め込むこととなり、ギレルトは容疑が晴らせるよう動きながら、それを向かい打っていくこととなる。二国による戦争が始まることとなった。
ごめんなさい。今回は非常にクオリティが低いです。頭の中で何回考えてもまとまりきらなかったんです。この後は割かしまとまっているので大丈夫だと思います。
今回の話、少し言っていることがわちゃわちゃしているので短くまとめておきます。といっても別に難しいことは言っていません。
・帝国がギレルトに攻め込む口実を作るために姫様が誘拐され首都に連れ込まれたというデマを報告する。
・ギレルトの国内で姫様が死んだという嘘を報告し(姫様の死体をギレルト領内の女性を使って偽装)、その報復として軍を率いて攻め込む。
・ついでにリュウセイはギレルトの政治に関わらないかと勧誘されている。
こんな感じです。ここからは戦争中の今までに出てきた冒険者にスポットを当てたりしていきたいと思います。
次の投稿は九月前には一本はあげたいと思います。




