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忘れられた神様  作者: ニスコー
第三章
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贔屓

 正直言って偽ラドンと世界改変について延々とやりあったので、そのことを考えるだけでなんだかとても怠い気分になる。

 というか世界改変の話って結構みんな知ってるもんなんだな。ガルムもガイアも知っているみたいだ。てっきりラドンの18番のお話かと思ってたよ。


「その通り偽ラドンの18番じゃないかしら? 私はガルムやサトミの心を読んでその情報を整理しているだけなんだけど、ガルムはこの話まで到達するのに相当な労力を使ってるわよ? 」


 ガイアはあっさりと自分は何も知らないとネタバレした。

 まさかの自分の持ってる情報を整理されてしったかされていただけだったという……


「いろんな情報を得られてもそれを正しく活用できないなら宝の持ち腐れて言う事ね」


 その通りだけど、俺に対して毒を吐くとは珍しいな。俺と契約したいから遠慮してたんじゃないのか?


「そんなつもりはないわよ」


 ガイアが言うには、ガルムが持ってる世界改変の情報は俺みたいに簡単に教えてもらったものではないらしい。ニュールと一緒に各地の現住の神と力比べをして、そのついでに得た断片的な情報を整理して繋ぎ合わせてガルム自身が独自の解釈をしてたどり着いたものなのだという。


「サトミはとても恵まれているわよ。そんなにべらべらこの世界のことを教えてくれる存在と巡り合えて。いえ、サトミだからべらべら話したのかもしれないわ。もしかしたら……いえ、たぶん確実に見込まれていたのよ」


 見込まれていたというか……俺だから話しても無害と思われていたのかもしれないけどな。


「そんなことないわ。サトミはラドンを助けようとしてくれていたんでしょ? 自分の友達の命を無償で助けようとしてくれてるんだから、気に入らないわけないわ」


 そう言われると……それはあるかもな。ラドンはストーカー気質なところがあったけど、なんだかんだで偽ラドンは情が移ってたみたいだった。

 でも例え気に入られたとしても見込まれてはいないだろう。いい人なのと仕事ができる勉強ができるのは別だ。ラドンを助けようとしている俺に目をかけて親切にしてくれたのかもしれないが、世界改変の事実を託す相手として俺を認めていたわけではないだろう。


「んん、性格が気に入ったら贔屓するのは当然のことよ? むしろ普通よ。サトミはどれだけ世界が規則正しいものだと思っているの? 」


 変なところに食いついてくるガイア。

 確かに気に入った人を贔屓するのはあり得ることだとは思っているが、それは世界において少数派の事で、本当は実力道理に評価されているんじゃないの……


「ないない」


 ガイアは手をパタパタと振って言った。


「代わりはいるのよ、いくらでもね。代えの効かないものはほとんどないの。だから戦わなくちゃいけない。勝ち取らなくちゃいけない。自分が認められるためにね」


 その勝つために贔屓をしていたら逆にマイナスになるんじゃないのか? と思わなくもなかったが、ガイアの言おうとしていることとは趣旨が変わってくるために言わないことにした。


 たとえ話をしよう。

 A国B国がある。いがみ合っている。A国がB国に勝つには英雄の力がいる。

 英雄を贔屓で選んでB国に負けてしまう。B国には英雄を倒した英雄が生まれる。結局英雄は存在しているのだから世界規模の流れの中においては問題ない。でもA国単位で言えば贔屓で英雄を選んでしまったことは問題だった。


 俺はA国単位での話をしていてガイアは世界単位での話をしているのだ。たぶん。


「な? こんな感じだろ? 」


「どうかしらねぇ」

 。

 俺はドヤ顔で主張したが微妙な返事を返されてしまった。

 ああ……なんか違った臭い。


 ……


「私はあなた達の安全を思っ忠告しているというのに、そんなふうに疑わなくてもいいじゃないですか」


 自称神様は試されていると知って気分を害したようだ。だけど違うんだなぁ。嘘かどうか調べるだけならガイアに心を読ませればいい。ガルムは別の意図があるのだ。

 それはたぶん世界改変のルールを聞き出すこと。

 ガイアはガルムがいろんな存在から世界改変のことを聞き出して独自の解釈で理解していると言っていた。彼女はそれがどこまで通用するのか、より真実に近づけたいと思っているようだった。


 そんなことしなくても俺に聞けばすぐなんだけど。俺は、聞かれない限りは言わないことにする。

 世界改変を引き起こしてハルを取り戻せても、また世界改変されてチャラにされたらたまったものではない。それにガルムが世界改変のことを知りたがっている理由も察しが付く。もしニュールがクロノスを倒してクロノスになってしまったとき、それをなかったことにする切り札がほしいと思って言うのだろう。

 だったらニュールをクロノスにしなければ、俺が世界改変のことを教えなくても許されることになる。主に自分ルールで、俺は俺を許せる感じになる。


 ともあれ、自称神様が本気怒りかねないので。彼の言い分を信じて天使から逃れることに決めた。

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