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忘れられた神様  作者: ニスコー
第三章
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子供のころは助けてくれる

 唐突に現れた、どこかで会ったような気がする男は、このまま進むと天使に見つかるから逃げろと言ってきた。


「ハチ、近くに天使がいるのか? 」


「う~ん……わかんない」


「お前に分かるわけがあるまい。なにせ俺にも分からないからな! 」


 ニュールも偉そうに口を挟んでくる。

 どうやら2人の探索能力でもわからない範囲に天使はいるらしい。ガイアとガルムも分からないようだ。みんな分からないなら本当に近くに天使がいるのか、その情報の信憑性も分からないが……


「ガルム、あんた聞きたいことがあるんじゃないの? 」


 ガイアが何故かガルムに話をふった。力自体はガイアの方が強いのだからガルムに頼ることはないのではないだろうか……ガルムもそう思ったらしい、ちょっと意外そうな顔をする。

 けれど、すぐにガイアの意図を察したようだ。


「今逃げたら逃げ切れますか? 天使はすごく強いはずですよね? 」


 ガイアは心が読めるからガルムが今何を考えているのかわかる。だからそれを試せと促したらしい。


「私が案内すれば可能でしょう。私は天使がどう行動するか知っています」


「それはあなたが天使だからですか? 」


「私は天使ではありません。天使ではなくて……実は神様、なんですよ」


 そういってウィンクする自称神様。


「彼はまだ若い。だからその可能性を信じたいと思うのです。ここで滅ぼされるのは惜しい。だから助けてあげたい」


 自称神様はハチを指して言う。


「もし彼が歳を取り未来がどうなるかある程度予想できるようになってしまったらこんな風に助けはしません。彼には可能性があるから、何にでもなれる可能性があるから特別に助けたいと思うのです」


 なんか言外にお前らは若くないから助けてやんないと言われてるような気がしたのだが、どうやら気のせいではなかったようだ。自称神様はなおも続けた。


「子供は特別なのです。何にでもなれる可能性がある。だからそれに期待する。でも大人になってある程度未来が定まったら、その未来の価値によって存在の価値は決まる。若ければ登校拒否しても登校拒否している間に興味を持った文学で大成するかもしれない。だから神様は助けてくれる。でも大人になっても何もなさない生み出さない働かないようなニートになれば神様は助けてはくれないのです」


 ……こいつ。


 ニートとか言いだしてることからして現代人である可能性が高い。

 現代人がこの世界に来る方法は勇者として召喚されるか、もともと現住の神様で魂がこの世界に帰還するかの2通りが分かっている。

 こいつは自分を神様だと言っているから少なくとも勇者ではさそうだ。ということは俺と同じでもともとが現住の神ので魂が帰還したのか、もしくは現住の神の体に魂だけはいりこんでしまったかのどちらかという事になる。


「でもハチを助けたらこの世界は変わってしまうのではないのですか? 」


「……と、いいますと? 」


「天使達の行動は定められていて、最初から決まっています。それ以外の行動はとれません。当初の目的以外の行動をとるという事は世界の最初に戻ってそこから全て改竄させるということ。つまり、世界改変が起こるのではないかと聞いているのです」


 ガルムが懇切丁寧に説明する。


 そういえば、天使は当初の目的通りの決まった行動しかとれないんだったな。そんな話があったのを思い出す。


「私達が天使からハチを守れば世界の予定と食い違い世界改変が起きるのか、もしくはあなたの言うことを聞いて天使に会うのを回避すれば世界改変が起きるのか、どっちなのか聞いているのです」


「それは……私にはわかりません」


「なら、私達がここであなたを信じず天使に見つかれば、それが世界の定めたルートと違うので世界改変が起こる可能性もあるという事ですよね? 」


「そうなりますかね」


 なんだかとてもややこしい話になってきている。自称神様も話がよく理解できてないようだ。

 ガルムが聞いてるのは、俺達がこのまま進むか、自称神様に付いていくかの2択のうち選択を間違えると世界改変が起こるのかどうかということだ。結局自称神様は知らないみたいだが。


 それにしてもこの程度の行動でたやすく世界改変が起こるなら大問題じゃないか? 俺達ですら簡単に世界改変を起こしてしまうのだ、何千万何億人の人間が各自に絶えず考えて行動するこの世界で、本当に自分の思い通りの世界の流れを作りきれるものなのだろうか?


「大抵の選択肢はすぐに同じものに修正されるようになっているから」


 俺の疑問に聞きもしないのに教えてくれるガイア。また心を読まれたらしい。まぁ、それはいいのだが、それはそれで救われない話だ。勉強しようが勉強しまいが、結果は変わらないってことだろ?


「そこは役割チェンジで役割を果たす人間を入れ替えて補填されるから大丈夫よ。勉強しても救われない人間の未来と勉強していれば報われていた人間の役割が交換されるのよ。世界改変が起こるのはそれが修正しきれなくなった時。そう簡単には起こらないわよ」


 そして、そのそう簡単に起こらないことが今回の選択肢で起こる可能性があるらしい。

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