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瞳の四季  作者: 儚槻 ゆかり
彩りのない世界
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色彩への追憶 1

 まず、とても前書きを書けるような程の者では御座いませんが、

思った事、気持ちをそのまま社会に一石を投じてみようか、と考えた次第です。


こちらでは初めて書かせて頂く為、少々不慣れな事も御座いますが、

何卒ご理解の程宜しくお願い致します。



 


「――私の世界はいつも灰色に満ちている。これからも、ずっと」


 

 小学六年生の頃、国が主催する学術文芸コンクールにて大賞を取った。



「いやー。瞳さん!! 素晴らしい。貴方は我がクラスの誇りです!」


 私をべた褒めする担任の先生。

「瞳すごいよ!!」と目を輝かせながら答える友人達。


 私はただ今までありのままに見えてきた

世界のつまらなさを文章としてまとめて綴っただけのつもりだった。


    

         *   *   * 

 

「彼女の作品は本校における学術文芸部初の快挙であり、

校長である私としてもここは一つ彼女を表彰したいと思います。

一同起立! では、園崎 瞳さんは檀上へ上がって下さい」


 吹奏楽部の演奏が始まり、檀上へ立った私は校長先生から直々に表彰状を受け取る。 


「よく頑張ったね。僕達に君の新しい世界を見せてくれてありがとう」


 私の耳元で校長先生は満面の笑みでそう囁く。


 私は手前のマイクも気にせず咄嗟に呟いた。


「校長先生、貴方にはこの物語の世界観が何色に映ったのでしょうか?」


 

 マイクが拾い上げた私の一声により、

 体育館を満たした歓迎の雰囲気は消し飛び、

 静寂と緊張が皆の心を襲う。


「……ええ、とても。瞳さんだけの色に見えましたよ」

 校長はそう言い終えると、卓上の花瓶に活けられた桜の花を私に手渡した。


 



 私には、すべてが灰色にしか見えない事を――校長は知っているはずなのに。



 作品を載せる場所を提供して下さる本HP様に厚く御礼申し上げます。


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