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男女男る

ドキドキして眠れない。


わたしはパイセン。後輩くんの彼女という立場にいる。それなのに彼はわたしの姉だけでなく、妹と信じて疑わなかった彼の弟ともベロチューをしていた。


いや、正確に言えばされていた。


どちらも無理やりだったり、寝ている隙だったりしたので、そこに彼の意思は存在しない。まあ犬に噛まれたってヤツだ。だから彼を責めるつもりも怒る気もない。


ただし、やらかした二人には強い怒りを感じている。


そんな可哀想な彼と自分は今、ダブルベッドで一緒に寝ている。まあ、やらかした二人も一緒に寝ているけれど。


しかも彼。弟とさっさと眠ってしまった。なんだか自分ばかりドキドキして損をしている気がする。


「ねえ、貴方が本当に好きなのは誰なの」


聞けばきっと彼は偽ることなく答えてくれるだろう。そして、その時が自分の初恋の終わりになる予感がしていた。


「ベロチューをします」


なんだか悔しくなったので、寝ている彼にベロチューをかましてやった。


誰に似たのだろう。本当に恋愛に関して妹は不器用に育ってしまった。


まあ結婚をしてわずか二年で未亡人になった自分が妹のことを笑えはしない。


妹の後ろで寝たふりを決め込んでいたら、彼女の独り言が聞こえてきた。


そして妹は寝ているオタクくんにベロチューした。いや仮にも彼女なんだからそこは正々堂々、真正面から突破しろよと心の中で突っ込む。


やはり自分がオタクくんから身を引くしかない。そうすれば妹はオタクくんと付き合える。


そのためには最大の邪魔者を排除する必要があった。そう彼の弟のこよりちゃんだ。


彼がいるかぎり、どんな女もオタクくんには近づけない。そして彼が近くにいるかぎりオタクくんはどの女にもなびかない。


わたしが汚れ役になればいいだけか。


あ、決してこよりちゃんのマグナム44が味わいたいわけじゃないからね。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


深夜二時。草木も眠る丑三つ時。


すやすや、くーくーという三人の寝息が聞こえる。よし決行しよう。


頭の中で計画を反芻はんすうする。


結論から言えば、わたしがこよりちゃんのハジメテを奪う。ぶっちゃけるといただいてしまう。


男の子とはいえ、ほぼ女の子みたいな彼を組み伏せるのは野良猫を捕まえるよりも簡単だろう。


兄を裏切ってしまった罪悪感から彼は兄から離れる。いただいた結果、わたしが妊娠でもすればさらによし。


もちろん責任はとるよ。わたしがこよりちゃんと結婚する。年下だから毎日ハッスルされるだろう。まだ二十五歳のわたしならば、どんとこい超常現象だ。


あのマグナム44を味わえる幸せな女なんてそうはいない。


もちろん妹のことを思ってだから。自分の欲望を満たすためじゃないんだからね。ほんとだよ。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


まず状況を確認しよう。


こよりちゃんとわたしの間には妹とオタクくんがいる。


このままの状態で計画を実行すれば確実に二人が起きてしまう。


そこでトイレに行くふりをする。寝ぼけたふりをしてこよりちゃんの隣に寝てしまおう。


なんて完璧な計画だ。あとはゆっくりじっくりなぶるだけ。並び的には女男男女になるけれど細かいことはどうでもいいんだよ。


よし、やるぞ。


まずトイレに行く。ついでにお花を摘んでおこう。


ガチャ


トイレをでて、静かにこよりちゃんの隣にすべり込む。三人は起きる気配がない。


これは案外、簡単なのではないか。


四人ともホテルの白いガウンを着ている。ガウンは前開きで、どこからでも簡単に手を入れられる。わたしは右手でこよりちゃんの股間に手を伸ばす。


にぎっ


なんだニューナンブか。これではなんの役にも立たない。ドキドキハートをチャージさせてマグナム44に変身させる必要がある。


こするか。いや、もっと良い方法があるじゃないか。古来から男を元気にするのは女の応援。声援だ。声は口からでている。だから口を使う。


しかし相手はマグナム。顎が外れたらどうしよう。臆するな。その時はその時だ。


体を起こす。こよりちゃんのガウンの前を開く。かわいいニューナンブが現れた。あとは応援してマグナムにサイズチェンジさせよう。


「いただきまぁす」


口を開けて彼のニューナンブを迎え入れようとしたとき、世界が逆転した。


ぐるん。


気づくとわたしの体はベッドのうえで転がされていた。何が起きた。わけが分からず目をパチクリする。


「おいたはいけませんよ、店長」

「こよりちゃんがやったの」

「はい。ボク小学生から拳法やってるんで」

「聞いてないわよ」

「もともと兄を守るためにはじめました。でも護身用にも使えますよ。アッ


小さく気合をこめて彼の右の指拳しけんがわたしの急所に決まる。わたしは意識を失った。


「美少女で無毛でマグナム持ちで拳法使いなんて・・・」


「だから、それはもういいんですよ。おやすみなさい店長」

 

こよりは店長が規則正しい寝息を続けたことを確認する。


そして隣で熟睡している兄に長い長いベロチューをした。


はい異世界シニアです。


だんだんパイセンのお姉さんがポンコツになってきました。でも本当に好きな人には自分を見せるともいいます。


これが彼女の素なのかもしれません。


あとはどこで使おうかと悩んでいたこよりの拳法技。ここで発揮させました。


ちなみにお姉さんは無事です。


皇流すめらぎりゅう拳法は相手も傷つけない珍しい武術。関節技も使いますが骨を折ることもしません。


こよりが使うのに最適な武術と言えるでしょう。


さてお待たせしました。そろそろ修善寺編を終わらせましょう。


次回サイドジョブ。修善寺逃避行でカムヒア!!



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