色とりどりに彩る魔法。
『午後の部、自由部門。最後の一人となりました。午前の部では見られなかった笑顔、果たして見せてくれるのでしょうか。エントリーナンバー四番! 藍澤紅葉』
司会のおざなりな前説と、苦笑する観客。
誰も私に期待していないことが、むしろ好都合だった。
気負わず、力まず、緊張せず、それどころか清々しい気分でさえある。
興味を持たれていないとわかっているから、はなから不評を買うことに身構える必要もない。それどころか、グランプリを取りたいという気持ちもなかった。
グランプリは、亮介くんに想いを伝えたいがためのきっかけであって、建前であって、本音とは全く関係がない。直接言葉にするのが怖くて、釣り合えたらなんて理由を作って、目を逸らして、逃げていた。
私には勇気がない。私は臆病者だ。
そんなレッテルを勝手に貼り付け、告白を先延ばしにしていた。レッテル自体に嘘はないけれど、それをさも正当な理由であるかのように振りかざして、逃げていたのだ。
そう、私はずっと逃げていた。
でも、もう、終わりにしよう。
麦わら帽子のリボンがはためき、藍色のブレスレットがきらめく。
ワンピースのすそをなびかせ、ミュールの踵を鳴らして歩く。
たとえどんな結果で終わろうとも、私は亮介くんに告白する。
私は、亮介くんが好きだから。
恋に恋するだけじゃ到底足りないまでに、私は、亮介くんを愛しているから。
孤独だった私の世界を広げ、彩りを与えてくれた二人への感謝が、どうか届きますように。
精一杯の笑顔とともに、そう祈った。
こんにちは、白木 一です。
まずはじめに、最終回ではないですからね? 切りがいいように見えますからね? 完、じゃありませんからね?
はい、これでマーメイドコンテスト編はおしまいです。
次章一話目から少しと言いますかかなり鬱っぽい感じになっておりますので、そちらはご注意ください。
といいながら、しばらく投稿ペースが乱れます。生活リズムがぐちゃぐちゃになっているという超個人的な都合ですが、申し訳ありません。
別作品が一話投稿されると思うので、そちらに目をむけていただければ……。
八月のようにたくさん投稿したい……とおもっておりましたが、逆に休んでばかり……十月は就職になるのでかなりリズムもととのうとおもうのですが、変なことは言いません。
これからも休みがちな作者ですが、白木 一をよろしくお願いいたします。




