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王家の皆様ありがとうございます!

神様、アリア、少年5人組、サマーセット公爵家は可愛い(リフレシア)が正義。

でもリフレシアは美味しいが正義です。



王宮に向かう馬車に揺られながら王族について頭の中でおさらいします。


今日は人数が多いので、此方から近付かない限り、会話するような事にはならないと思いますが、万が一の時に筆頭公爵令嬢の私は失敗するわけにはいきません。

4年も公爵令嬢として過ごしてきましたので、貴族のあれこれもなんとなくわかってきました。


表面上爵位を慮り従順な態度をとっていても、隙あらば足元を掬おうと目を光らせているのが貴族です。常に立ち居振舞い、言葉の隅々にまで気を配っていなければ、あっという間に策略や陰謀に巻き込まれてしまいます。逆を言えばその隙を見せずいなせて当たり前で、高位貴族は息を吐く様に出来ないといけません。まだ子供だからと、甘えさせてはくれないのです。


今回主催者である正妃様はマールローゼ公爵家出身で、側妃様はウェンストン伯爵家出身。

正妃様の息子であるクロード様が第一王子様です。

先に産まれたのは側妃様の息子のアルフレッド様ですが、国の定めにより、正妃様の産んだ男子が優先されるからです。

それにマールローゼ公爵家は、我がサマーセット公爵家に次ぐ力を持っていて、後ろ楯としても強大です。伯爵家の中では優位のウェンストン家でも太刀打ち出来ません。

お妃様の後ろ楯はお世継ぎ争いに大きく関係してくるので、我が家は出来ればどちらにも肩入れしない様に言われているそうです。

うん、色々と規格外なサマーセット公爵家ですから。


……?

年に2度行われる園遊会や高位貴族が開くお茶会でも、第一王子様に会った事ないかも?


「お兄様、第一王子様と面識がありますか?私は会った事がないと思うのですが」

「僕はあるよ、王家主催の狩りで何度か。でも園遊会やお茶会には出席されてないはずだから、リフレシアは面識がないと思う」

「……アルフレッド様とは、何度かお会いしてますよ?」

「そう言えばそうだね。今まで考えた事がなかったけれど、何か理由があるのかもしれない」

「どんな理由なんでしょう?」

「う〜ん、理由は公表されていなかったはずだ。深い事情があるのかもしれないから、口にしてはいけないよ」

お兄様の言葉に、こくりと頷きます。


もちろんです、お兄様。

今日は誰とも話さないつもりですから。

王家の皆様から一番遠くの人気の無いテーブルで、大人しくする予定なので大丈夫です。

会った事の無い王子様に少し興味はありますが、面倒事に巻き込まれるのはご遠慮します。


そんなこんなが含まれたお茶会ですが、今回は一つ楽しみがあるのです。


それはお茶菓子です!


サマーセット公爵家の料理人が作るスイーツも最高に美味しいのですが、王宮のお菓子は格別なのです。

旬のものからそうでないものまで、あらゆる果物が使われたキラキラと宝石の様なケーキから厳選した高価な材料を惜しみ無く投入したバターの香り豊かな焼き菓子まで、お持ち帰りしたいほどのものばかりなのです!


しかもっ!今回は参加人数が多いためなのか、ビュッフェスタイルになると招待状に書いてありました。


そう、そうなんです!

た・べ・ほ・う・だ・い!!!


いつもはテーブルに置かれたものを、侍女の皆様に取り分けてもらうので、思い切り食べる事が出来ませんでした(これでも一応公爵令嬢なので……)。


ですが、今回はビュッフェスタイル!

人数も多い今日なら、隠れておかわりし放題です!!

王家の皆様、ありがとうございます!!!


側近、婚約者選びや貴族の社交やお世継ぎ争いなどの諸々は、頭の片隅に追いやってお茶菓子に夢を馳せる私でした。










サマーセット公爵家の厨房にて……


「クッキーの上に粉砂糖を水で溶いて色を付けたもので飾るの」

「ふむ。食べられるもので色を付けなければなりませんね」

(ここには食紅がないのかぁ)

「う〜ん、乾燥した果物とか野菜とかあったらな〜」

「ありますよ。そうか!乾燥果物を磨り潰しせば……お嬢様、何とか出来そうです」

「流石料理長!」

「必ずお嬢様のお望みのものを作りますので、暫くお待ち下さい」

「うん、きっと料理長なら出来るわ!嬉しい!料理長大好き!」

「っっんん、お任せ下さい!」


翌日、リフレシアが思った通りのピンク(苺味)とパープル(ブルーベリー味)のアイシングクッキーが届きました。

こうしてサマーセット公爵家のスイーツは日々進化しているのです。

ちなみに料理長はリフレシアと同じ歳の孫がいますが、その孫に負けず劣らずリフレシアを可愛がっています。


孫の『大好き』は伝家の宝刀なのでした。

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