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「巫女ちゃん、なのです!」

 わたしのママはねこみみ魔女で、パパは人間勇者。だからわたしはねこみみ勇者。

 ……なのですが。

 本来勇者っていうものは自称するものじゃなくて、神様とかに選ばれてなるものなのだそうです。ということは、わたしは実はねこみみ勇者じゃなくてただのねこみみ、だったりするのでしょうか。にぅにぅ?


 旅の巫女ちゃんがやってきたのは、ママも弟魔女もいなくって、わたし一人だけのときでした。

「こちらが勇者のお宅ですか?」

「うちに何かごようなのです?」

 突然うちを訪ねてきた不思議な格好をした女の子は、自分は巫女であると言いました。

「数年ののち、魔王が再び世界を騒がせることになるでしょう。その前に、わたくしは各地をまわって力あるものに神託をさずけているのです」

「よくわからないのです。難しい話はママがいるときにして欲しいのです?」

「こほん、つまり。ずばり言いましょう! あなたが、世界を救う勇者なのです。じゃじゃーん!」

「わたしはねこみみ勇者なのです!」

「ええ、そうでしょうとも。しかし勇者といえども、徒手空拳ではいかな魔物を倒すことも難しいでしょう。そこで本日ご紹介したいのは、これ伝説の勇者セット!」

「かっこいーのです!」

 ぴかぴかで、きらきらな鎧と剣のセットです。これを装備したら、勇者力が53万くらいあがりそうです。ゆうしゃちからが何なのかはわかりませんが。

「ええ、伝説の勇者装備ですから数も大変少なく貴重なものとなっております。しかし、あなただけに格安でお譲りします」

「すごいのです! でも、わたしはお金ないのです」

「期間限定で、本日ご契約のお客様に限り、なんとさらに50%OFF!」

「はんがくなのです!?」

「しかも分割払いも可能! 月々なんとたったの100ゴールドですよっ!」

「それくらいならおこづかいでもなんとかなりそうなのです」

「いかがですか……? 今すぐこの契約書にサインをっ!?」

「そんなガラクタいらないにゃー」

 あ、ママが帰ってきました。

「……っ!?」

 巫女ちゃんが、急にきょどうふしんです。

「きょ、今日の所はこれで失礼させてもらいますわ、勇者様っ!」

 ぴかぴかのかっこいー鎧を背負って、かさかさと出て行ってしまいました。

 むー。あの伝説の鎧、欲しかったのですが。


「……あんなのただの詐欺にゃ。ひっかかっちゃだめにゃ」

 ってママに怒られました。ママにはあの伝説の鎧の価値がわからなかったようです。

 あれはきっと、すごくいいものだったのですよ? それが安く手に入るところだったのに。

 残念なのです。にぅにぅ。

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