「ねこみみ魔法、なのです!」
わたしのママはねこみみ魔女で、パパは人間の勇者。なのでわたしはねこみみ勇者なのです。
勇者というのは、回復魔法も使えるらしいです。
先日、聖女ちゃんが使ったすごい回復魔法を見て、わたしも使えるようになりたいなと思いました。
……そそうをして床に開けてしまった穴や、こわしたハチの巣箱を直せたらいいなーという下心満載で。
教会の聖女先生を訪ねて、「回復魔法を教えてほしいのです!」って言ったら。なんだか白い目で見つめられてしまいました。にぅ……?
「勇者が回復魔法使えるようになったら回復職がリストラされるじゃないのっ!? 出番がなくなると話を盛り上げるためだけに殺されたりするのよ!? 作者めーっ!?」
……何かとらうまでもあるのでしょうか。
聖女先生は何か意味不明の言葉をわめきちらして、わたしのねこみみをなでなでしました。
……言動がいっちしてないところがちょっと怖いです。
「はん、ねこみみ勇者に回復魔法なんておぼえられっこないもの。そんな心配は無用よ、ママ」
聖女ちゃんが勝ち誇った顔で胸を張りました。
「……ねこみみをなでたら落ち着いたから、教えてあげるわねっ!」
聖女先生が、わたしを抱き上げてお膝に乗せました。
「回復魔法は、愛! そうよ世界はらぶあんどぴーす! 癒しの力は愛の力! 萌え~!」
「あい?」
「好きってことさっ! いぇーい! ねこみみかわいいー!」
……相変わらず聖女先生はよくわからない人です。なんいかイケナイお薬でも使っているのではないでしょうか。
「ってわけで実践あるのみよ!? はい、これ治してねっ!?」
いきなり聖女先生が、自分の腕に爪をたててがりっとひっかきました。赤い筋が浮き上がって、ちょっぴり血がにじんでいます。痛そうです。
「うー。……あい、なのです!」
「らぶが足りないっ! もっと優しく、ねこみみのように! ああ、ねこみみ勇者ちゃんのねこみみはステキ」
聖女先生、意味不明です。
「らぶでぴーす、なのです!」
「だめね、やりなおし!」
はげしくねこみみをなでられました。
らぶでぴーすでいやしのねこみみがらりるれろなのです?
「にゃー。それじゃー、ねこみみなのですー!?」
ぴっかーって光りました。
聖女先生の腕の引っかき傷が、きれいに消えていました。
「ないす! ねこみみ! らぶの形!」
「やったのです!?」
振り返ると。
……なぜか聖女先生に、ねこみみが生えていました。
どうやらわたしが回復魔法をつかうと、ねこみみが生えるみたいです? これではまるで、ねこみみ魔法です。にぅにぅ。




