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女という生き物 クライドside

久々投稿です。前話の内容を少し変えましたので、御手数ですが、読んでいらっしゃらない方は前話からお読みになってください。

ほんと意味わかんねぇ。なんなのこいつら。折角、久々にシェリに会えたっつうのに、なんで顔もよく知らない奴らに邪魔されなきゃなんないの?しかもベタベタくっついてきやがって。こいつらなんて、どうせ俺の顔しか見てないくせに。


昔からそうだった。自分で言うのもなんだが、俺は割と整った顔立ちだと思う。母さんに似た顔立ちは、嫌なわけではない。物心ついた時には俺には母さん以外いなくて、唯一の家族とのお揃いは、家族の結び付きを表しているようで、子供ながらに嬉かった。


ただ、5歳位からだろうか。何故か女の子達にまとわり付かれるようになった。最初は友達がいっぱいできたと喜んでいた俺は、ある日見てしまったんだ。いつも俺にぴったりとくっついている子達が、前日に俺の落とし物を届けてくれた子をよってたかっていじめている現場を。俺に近づくなんて身の程をしれ、気持ち悪いんだけど、ブス。そんな言葉を投げつけられているその子は、今にも泣き出しそうになっていた。

驚いた俺が駆け寄って止めに入ると、それまで暴言を吐いていた奴らは、人でも変わったかのように猫なで声を出すと、俺にくっついてきた。そんな奴らが信じられなくて、俺はいじめられていた子の手を掴むと、女の子達を振り解き、その場から逃げた。


それからは、いじめられていた子--ルーチェと二人で遊ぶようになった。実は彼女が貴族様だったことを知ったときは驚いたが、それを鼻にかけていない彼女と遊ぶのは本当に楽しかった。恋というわけではないが、友達として、大切は相手だった。


そんなある日、ルーチェが約束の時間になっても来ないので探すと、以前いじめられていた公園の中に彼女がいた。女の子達が周りにいるので、またいじめられているのかと思い、様子を見ようと忍び足で近寄ると、そこには信じられない光景が広がっていた。俺はルーチェが女の子達に囲まれていると思っていたのだが、本当はルーチェ達が一人の女の子を囲んでいたのだ。囲まれていたのは以前、ルーチェをいじめていた時にリーダーのように振舞っていた子だった。

ルーチェは俺が見たことの無い冷たい視線で、リーダーの子を見ると、まるで俺が彼女のモノであるかのように話していた。そして、俺に近寄りたければ、自分に従えとも。

俺は最後まで彼女の言葉を聞けなくて、その場から走り去ろうしたが、その時に踏んだ小枝の音で気付いたのか俺のことを見ると一瞬驚いた顔をしたが、次の瞬間には笑顔で話しかけようとしてきた。

俺は正直彼女が怖くなった。いや、彼女だけではなく、女という生き物に対して怖いと思った。人によってコロコロと自分を変えられるところが、酷い言葉を簡単に口に出せるところが、そして、それらを悪いと思っていないところが、ただただ怖かった......。

その時から、母さん以外、信じられなくなって、近寄られるのも虫酸が走るくらい嫌になったんだ。


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