ⅩⅩⅡ
僕はまたあの頃と同じようにゆきちゃんと一緒にご飯を食べるようになった。
変わったのはそこに廉士さんもいること。
いや、まぁ嫌なわけではないけれど。
事の発端は僕が部屋に通い始めてからすぐだった。
夕食を一緒に食べることになったのだが、3人で出掛けた先はファミレス。
これが一度ならまだしも、ほぼ毎日らしい。
栄養バランスも偏るし、何よりお金が勿体ない。
ということで、食事担当を決めることになった。
ゆきちゃんが作ってくれたハンバーグは丸焦げ、口の中でガリガリと音がして正直炭を食べている気分だった。
もちろんそんなことは顔を出さずに美味しく食べきった。
一方、廉士さんのハンバーグは見た目、匂いからは美味しそうな感じがしたのだが、口に入れた途端に何とも言えない味わいが広がり食べれたものではなかった。
あれは人間の食べ物ではない。
僕はあまり料理が得意なわけではないが、僕の作ったハンバーグが1番まともだった。
3人分の食事は僕が作ることになった。
僕が作ったものを彼女らが美味しそうに食べてくれるのが嬉しくて、家に帰ってからも料理の練習をする日々が増えた。
僕が行けるのは日曜日だけなので、1週間分の作り置きおかずを作ることで、ちゃんと食事をしているか確認できるようになった。
僕はゆきちゃんの部屋に通い始めてから変わった。
今まで学校では作り笑顔、素で笑ったことは一度もない。
しかし、ゆきちゃんたちのことを考えると自然と笑顔が出るようになり、友人から雰囲気が柔らかくなったと言われた。
それから、不本意だが告白してくる輩も出てきた。
もちろん全員お断りなのだが、それに納得しない人たちによるストーカー被害も多々あった。
そのせいでゆきちゃんや廉士さんをも巻き込むこととなった。




