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空はやさしくて、冷たい  作者: 上條 詩晴
17/35

ⅩⅦ

遅くなりました。

大会も無事終わったので再開いたします。

この道は、今はそんなに人通りが多くないが後20分もすれば今の倍以上は人が増える。

それまでに見つけ出さなければならない。

僕たちは道路の隅々まで探したが、中々見つからない。

もうすぐ人通りが多くなると思い、顔をあげた先に見えたのは坂からスピードを緩めずに降りてきた自転車。

すごいデジャヴを感じ、鳥肌がたった。

相手を避ける気がないのか、気が付いていないのかゆきちゃんはその場から動かない。

僕はゆきちゃんの元へ駆け出し、その体を引き寄せた。

突然のことを驚き、僕から離れようとした彼女の目の前を自転車が通過していった。

「何してるんだ、もっと周りを見てくれ」

そう叫んだ声は音となって紡がれた。

あのときは、空気が抜ける音しかしなかった。

目を大きく見開いた彼女の顔を見て、僕は我に返った。

僕は彼女を離して俯いた。

"ごめん、なさい"

僕は早足でその場から去ろうとした。

そのとき、足元にきらりと光る何かを見つけた。

僕はしゃがんでそっと、その光るものを手に取った。

それは、アネモネの形を模したピアスだった。

僕は目を見開いて驚いた。

そのピアスは僕がゆきちゃんにあげたものとそっくりだったのだ。

偶然かもしれない。

だって、それはピアスじゃなくて、

「ペンダントだったはず、、、」

思わず漏れた言葉はゆきちゃんの耳に届いた。


「どうしてあなたがそれを知っているの?」



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