ⅩⅦ
遅くなりました。
大会も無事終わったので再開いたします。
この道は、今はそんなに人通りが多くないが後20分もすれば今の倍以上は人が増える。
それまでに見つけ出さなければならない。
僕たちは道路の隅々まで探したが、中々見つからない。
もうすぐ人通りが多くなると思い、顔をあげた先に見えたのは坂からスピードを緩めずに降りてきた自転車。
すごいデジャヴを感じ、鳥肌がたった。
相手を避ける気がないのか、気が付いていないのかゆきちゃんはその場から動かない。
僕はゆきちゃんの元へ駆け出し、その体を引き寄せた。
突然のことを驚き、僕から離れようとした彼女の目の前を自転車が通過していった。
「何してるんだ、もっと周りを見てくれ」
そう叫んだ声は音となって紡がれた。
あのときは、空気が抜ける音しかしなかった。
目を大きく見開いた彼女の顔を見て、僕は我に返った。
僕は彼女を離して俯いた。
"ごめん、なさい"
僕は早足でその場から去ろうとした。
そのとき、足元にきらりと光る何かを見つけた。
僕はしゃがんでそっと、その光るものを手に取った。
それは、アネモネの形を模したピアスだった。
僕は目を見開いて驚いた。
そのピアスは僕がゆきちゃんにあげたものとそっくりだったのだ。
偶然かもしれない。
だって、それはピアスじゃなくて、
「ペンダントだったはず、、、」
思わず漏れた言葉はゆきちゃんの耳に届いた。
「どうしてあなたがそれを知っているの?」




