出会い
慣れない目の前の若い女の子。
池田に全てを任せようと思っていた俺は、これからの展開をどこか他人事の様に見ていた。
「名前は、何ていうの?」
「三郷と雪乃です」
「三郷ちゃんと雪乃ちゃん……。 何で俺たちに声かけてくれたの? 2人より結構歳、離れてると思うんだけど……2人はいくつ?」
「私たち、31です。 私たち、同世代は合わなくて……年上そうなんで声かけました。 お2人のお名前や歳はいくつなんですか?」
池田が全部仕切ってくれてありがたい。
20代だと思っていたけど30代だった。
それでも若いけど……。
俺たちも簡単に自己紹介した。
2人は同じ会社の同僚らしい。
話していても何だか若い……。
仕事の事や趣味の事、学生時代の話、いろいろ話した。
……が、やはり共通点がない……。
池田はうまく話してるのかなという感じがした。
まぁ、池田が楽しければそれでいいかな……。
「あの、LINE交換しませんか?」
2人にそう言われた。
正直、今日で会う事もないかな……と思っていたのでそう言われて戸惑ったが、断り方もわからずとりあえず交換した。
その日の夜、2人からLINEがあった。
今日は楽しかったです。 また飲みましょう。 そんなよくある社交辞令なLINEだった。
当たり障りのない返事をしたら、三郷ちゃんからまた返信があった。
「曽根さん、今度4人で飲みに行きませんか?」
正直、あんまり乗り気ではない。
けど、池田はどうするんだろう……?
「そうだね。 池田にも聞いてみるよ」
そう返信した。
次の日も三郷ちゃんから連絡が来た。
「今日、暇してます? お茶しませんか?」
16も下の子と何話したらいいんだろう?というのが本音だった。
俺自体が彼女に興味を持てば話は変わってくるのだろうけど、そういう気持ちを全く持てなかった。
ただ、会ったのも縁だと思う事も確かで、とりあえず会って話してみるとまた違った事に気付く事もあるかもと思い会ってみる事にした。
三郷ちゃんから教えてもらったカフェへ行くと、三郷ちゃんはもう席についていた。
「三郷ちゃん、早かった? 待たせたのかな?」
「全然です。 今日は急に誘ってごめんなさい」
「あ、いや、いいよ。 家の片付けを何となくしてただけだし……」
「うちに居たんですか?」
「うん。 夕方、ジムにでも行こうかなと思ってたぐらいかな」
「曽根さんって下の名前何ていうんですか? 苗字しか書いてませんでしたよね?」
「下の名前は司なんだ。 逆に俺たちは下の名前しか聞いてなかったよね……?」
「私、田所です。 田所三郷って言うんですよ」
「田所さんだったんだ」
「曽根さんのおうちはマンションって言ってましたよね? ご家族と?」
「あ、正確には今月中にマンションへ引っ越すんだ。 一人暮らしなんだ。 両親は離婚して母と暮らしてたんだけど、母が亡くなったんだよね。 で、実家を売り払ってマンションに引っ越しするんだ」
「そうだったんですね。 マンションって花火大会の花火、見れます?」
「どうだろう……? まだ越してないからよくわからないけど……。 うち、5階だけど見れるのかな……?」
「うちは一軒家だからマンションとか憧れる」
「1人だからそんなに広いマンションじゃないんだ。 少しずつ荷物を入れてる途中で今は物も少ないし……。 三郷ちゃん、実家でしょ?」
「母と2人で暮らしてます。 うちも両親離婚してるんで……。 今度、マンション、どんな感じが見せてください。 いいですか?」
「……でも、何もないよ……」
やんわり断ろうと、断念してくれる事を期待した。
「いいです。 どんな感じなのか見たいだけだから」
……そう簡単じゃないよね……。
まぁ、見るだけならいいかと思って承諾した。




