4
しばらくごろごろとしているとドアをノックする音が聞こえた、さすがに寝転んだままではまずいのでベッドの端に座る。
「……どうぞ」
そういうとドアが開きノックをしたであろう人物が入ってきた。
「失礼。お初にお目にかかります、私はここで宰相をしているラルフというものです。」
入ってきたのはラミアの男性だ。
真っ白なローブから覗く髪は雪のように白く、肌もそれなりに白い、さらにローブの下から出て後ろのほうへとのびている蛇の部分も真っ白である。そしてなかなかのいけめんである。
「早速ですみません、今やることが多くて急いでおりまして。えっと、まずは自分の名前は分かりますか?」
ラルフと名乗ったラミアが立ったまま聞いてくる。椅子なんてないから仕方ないね。
名前……そういえば決めてない……
前世での本名はまずありえないとして、ネットで使ってたいくつかの名前の中から決めてみるかそれとも新しく考えるか、どうしよう。
「わからない……です」
とりあえず長いあいだ考えるのはよろしくないだろうからそう答える。あとで名前をどうするか考えておこう。
「なるほど……では何か記憶に残っているものとかはありますか?」
……前世のことは話せないとしてそれ以外だと全裸で戦場にいたのと幼女に体を拭いてもらったことくらいしか記憶にない。
「ない……です」
話すのも面倒だしそのあたりはこの人の耳にも入ってるだろうからないことにしておこう。
「そうですか…………」
それからすこし沈黙が続く。なにを言おうか迷ってるのかな。
「……では何か聞きたいことはありますか?」
聞きたいことか、いま私が知りたいことといえばこれしかないかな。
「私はこれから……どうすればいいのですか……?」
まずはここがどこであるかを聞くのが普通なんだろうけどまずは自分の身の安全を確認することが先だ。無条件で人助けをする人ならいいけどそうでない場合もある。助けたからお礼をしてほしいと言われたらそうするべきだろうしそれが理不尽なことだと分かれば逃ることも視野に入れないといけない。
「そうですね、ではまずそれからお話しいたしましょうか。
まずは数日後にあなたの魔力の特徴を調べるのでそれまでここで過ごしていただきます。それまでは出来るだけこの建物からは出ないようにしてください」
魔力、ということはこの世界には魔法があるのか。まあなんとなくそうだろうとは思ってたけど。
「つぎに武器を使った戦闘能力を調べます」
なるほど、つまり私の強さを調べたいということか。私自身もそれは気になってたしそれならこのままここにいさせてもらおう。
「その結果によってその後にどうするかは変わりますが、悪いようにはしないので安心してください」
「わかりました……」
「まああなたは生まれたばかりですし、身の安全は約束しますよ」
「うまれたばかり……?」
まってどうして私が生まれたばかりだというぜんていで話をしてるの? いや実際そうなんだけどいまの私は鏡を見てないので断言はできないけど少なくとも子供には見えないはずなんだけど。
「私達魔人は基本的には他の生き物と同じように親から生まれてくるのですがたまに大量の魔力から突然生まれてくることがあるのですよ。その場合体が成長した姿で生まれることもありまして、私が聞いた限りではあなたがそれで生まれた魔人の可能性がありますし、こうして実際に会話をしてみて生もまれたばかりを装った悪人である可能性も低そうなので生まれたばかりという判断をさせていただきました」
……なるほど、確かに前世で読んだ転生系の本でもそういう設定のものがあったきがする。
「ほかには何かありますか?」
ないことはないがいま聞くことでもないだろう。なんか時間がないみたいだしわざわざ私に時間をかけさせるのも悪い気がする。
そう思い首を横に振る。
「では私はこれで失礼します。後程侍女をつけさせていただきますので何かあればそちらに申してください」
そういってラルフさんは少し急ぎながら部屋を出た。
あれ? そういえば侍女ってたしか地位の高い人のお世話をする人じゃなかったっけ。私には不相応だと思うんだけど……
まあいいや、いやもっと気にするべきなんだろうけど気にしたところでなにか変わるわけでもないしこれ以上考えるのはやめておこう。
そういえば後程といわれたけどどのくらいだろう、いつくるか分からないから外には出ないほうがいいよね。
この部屋なにもなくてやることもないしいまは眠くないので寝て時間を過すごすというのもできなさそうだ、どうしよう。
…………そうだ、名前を決めなければならない。さっきの会話で自分で決めるなんて一言も言ってないから勝手につけられる可能性もあるけど一応考えておこう。




