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序章編ー2


2


暖かい日差しが降り注ぐ学校の屋上でハルトはユズキとリアン、そして親友のライルと一緒に昼食をしている。


「授業もそうだけど始業式も面倒だったぜ」


「休み明けだから体が鈍ってるだけだと言いたいが、お前はただ学校が嫌いなだけだ」


「ご名答!」


そう言ったライルはコンビニで買ってきたレタス入りのサンドウィッチを自身の口へ運ぶ。


いつもこんな感じの会話をしているライルとハルトは中学の時に知り合って以来の仲である。


「そんなんだから女子にモテないのよ」


「さらっと俺の心が傷つくようなことを言うな!」


ライルとリアンのいつもの口喧嘩が始まったと感じ、ハルトは小さくため息を吐く。


「喧嘩するほど仲が良いのは分かるが、程々にしろよ」


「「誰がこんな奴と!」」


「息ぴったりだな」


「やめてよねそんな風に言うの!こんな奴と変な噂になりたくないし」


「俺様だって御免だぜ!」


ライルとリアンは決して仲が悪いという訳ではない。


「てか、話は変わるけどよ今日もラブレターを貰ってたなハルト」


「どうして知ってる?」


「たまたま見ただけだぜ」


「まさか異能アビリティを使ったんじゃないだろうな?」


「流石の俺も退学処分確定の規則違反はしないぜ」


全校統一の規則として原則学内での異能アビリティ使用は許可されていない。


唯一学内で異能アビリティの使用が許されているのは風紀委員と生徒会だけだが、使用できるのは放課後の活動時のみ。


「一応信じよう」


「一応ってなんだよ!」


「悪巧みだけは一流だからな」


「人を悪の天才みたいに言うな!で、ラブレターの返事は返したのかよ?」


「丁重にお断りした」


それを聞いてほっと肩を撫で下ろしたユズキ。


「またかよ。これで何人目だよ」


「数えてないから分からない」


「断るってことは好きな人でもいんのか?」


ライルの何気ない質問にユズキの心臓の鼓動が加速し、頬を赤らめながら彼の答えを待つ。


「いない」


「無表情で即答かよ!」


嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになるユズキを横目で見たリアンは悪戯な笑みを浮かべた。


「いつもあんたのために愛妻弁当を作ってくれるユズキのことは?」


「ちょっとリアン!」


「もちろん友達として好きだ」


「……呆れるほど鈍感ね」

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