↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

序章編ー3


3


放課後


生徒会の仕事が終わったとユズキからSNSで連絡を受けたハルトは図書室から出て生徒玄関へ向かう。


窓ガラスから夕陽の光が差し込み、学校の廊下を照らしている。


「お疲れ様ユズキ」


「結構待たせちゃってごめんね」


「いや、図書室で本を読んでいたからあっという間だった」


「読書家だねハルトは」


「そこまでではないと思うが、本を読むのは好きだな」


靴置き場からそれぞれ自分の靴を取り、それを履いて生徒玄関から出てた。


「生徒会は新学期早々忙しいな」


「新入生に向けた部活紹介があるから」


「どの部活も部員集めに必死でその激しさから新入生争奪戦と言われる部活紹介か」


「今年もそれが過激になることが予想されるけど警備する風紀委員が人手不足で」


部活紹介の際は異能《アビリティ》を使う部活もあるため、その日だけ部員たちは異能《アビリティ》の使用が許可されている。


しかし、部員確保のため、競って新入生を勧誘することから喧嘩になることが多く、異能《アビリティ》の撃ち合いになることも珍しくない。


「風紀委員に入ったら?」


「オレの正体がバレる可能性がある」


「そうかもしれないけどハルトなら体術も得意だから異能《アビリティ》を使わなくても大丈夫だと思う」


「流石のオレでも異能者《ミュータント》に束になられたら体術だけで対抗するのは難しい」


そんな会話をしながら校門から出ようとした時、男性と思わしき怒鳴り声が聞こえてくる。


「出来損ないが生意気なんだよ!」


「俺たちエリートにぶつかっておいて謝って済むと思ってんのかぁ!?」


「す、すみません!」


「だから謝って済むことじゃねぇんだよ鳥頭が!」


リクライネイト高等学校の制服をだらしなく着た男子の1人が他校の制服を着た男子の頬を殴り飛ばす。


暴力を振った男子の仲間と思われる2人の男子はズボンの両ポケットに手を入れ、ただ悪そうに微笑む。


「異能《アビリティ》も使えねぇゴミが!」


「早く治療費出せよ!」


「5万でいいぜ!」


「そ、そんなぶはぁ!」


顔面を殴れた他校の男子の鼻から赤い液体が流れ始め、それを押さえながら歩道に蹲《うずくま》る。


その光景に痺れを切らしたハルトは煮えたぎる感情を表には出さず、現場に近づいていく。


「ん?なんだお前?」


「まさかこの出来損ないのゴミを助けに来たとかじゃねぇだろうな?」


一切答えず、無言で近づいてきたハルトが気に食わない男子生徒3人は彼を標的にする。


「も、もしかして四天王クロウナ・ディバマリス様の息子じゃないか?!」


「んなわけねぇよ!ただ正義感ぶってる雑魚だ!」


怒りが爆発した男子の1人が目の前にいるハルトに殴りかかろうとするが、片手で簡単に防がれてしまう。


「なっ!?」


「自分よりも弱い者しか殴れない拳が通用すると思ったのか?」


「は、離せ!ぐあー!」


「離せ?」


「うがぁ!離してください!許してください!」


徐々に力を込めらていき、このままでは自分の拳が握り潰しまうという恐れを感じた男子は額から大量の汗を流す。


一方、こんな情けない者を殴る価値もないと判断したハルトは手を離し、歩道に蹲《うずくま》る少年に手を差し伸べる。


「大丈夫か?」


「は、はい」


「ほ、本当に気に入られねぇ野郎だな!」


「次、オレに攻撃をしたら容赦なく殺す。忠告はしたぞ」


再びハルトに殴りかかろうとした男子生徒だが、彼の鋭い視線と凄まじい殺気を感じ、慌ててその行為を中断して背筋を正す。


「す、すすすすすみませんでした!」


「ゆ、許してください!」


「本当にすみませんでした!」


慌てて帰っていく3人の後ろ姿を見たハルトは深いため息を吐く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。